ハナミズキの開花と見頃の時期
ハナミズキの開花時期は、4月～5月です。品種によって赤、白、ピンクと花色は違いますが、開花時期の間は美しい花が咲く姿を楽しめます。そのなかでも、もっとも見頃の時期といえば4月中旬～下旬でしょう。ただし前述したように、ハナミズキは季節ごとの変化も美しい樹木です。赤い実や紅葉など、開花後にも楽しみがありますよ。
ハナミズキの種類・品種
種類・品種①チェロキーチーフ
チェロキーチーフはハナミズキの赤花品種の代表格で、もっとも多く流通している品種です。古くから存在しており、多くの人たちに愛されてきました。花つきがよいうえに、濃いピンク色の大きな花と緑色の葉のコントラストが美しいため、街路樹や公園樹にもよく利用されています。
種類・品種②レッドジャイアント
チェロキーチーフと並ぶ、ハナミズキの赤花品種の代表格です。名前が示すように、春になれば濃い赤色の花が咲く姿が見られます。花つきがよく、木が若いうちからよく花が咲くことや、秋の紅葉も美しいことなどから、季節を通して楽しめる庭木として人気です。日本の気候に合いやすく、育てやすい点も高く評価されています。
種類・品種③ジュニアミス
桜の開花時期が終わった後に、開花し始める品種です。花の中心部が白、外側がピンク色になるという特徴を持っています。若木のうちから愛らしい色合いの花が咲くので、ハナミズキのなかでも人気が高い品種です。ただし他品種と比べると、紅葉しにくい性質を持っているため、花が咲く姿を楽しむ品種と割り切ったほうがよいでしょう。
種類・品種④クラウドナイン
ハナミズキの白花品種の代表格です。花つきがよく、春から初夏の開花時期になると、純白の花がたくさん咲く姿が見られます。ハナミズキは寒さにやや弱い傾向がありますが、この種は比較的耐寒性があるため、北海道などの寒冷地でも大丈夫です。若木のときは円錐状の樹形に育ちますが、成長すると次第に横へ広がっていきます。
種類・品種⑤レインボー
レインボーはハナミズキの斑入り品種です。花はスタンダードな白色ですが、葉の縁に黄色い斑模様が入ります。開花時期の白い花と斑入りの葉のコントラストが美しい品種ですが、紅葉の季節に見られる、赤い葉色と黄色い斑とのコントラストも美しいですよ。
種類・品種⑥ステラピンク
ステラピンクは、ハナミズキとヤマボウシとを交配させて生まれました。名前のとおりのピンク色の大きな花と、大きな葉が特徴的な品種です。他品種と比べると耐病性や耐寒性が高く、寒冷地でも冬越しできます。この強靭な性質から「ハイブリッドハナミズキ」と呼ばれています。
種類・品種⑦アップルブロッサム
アップルブロッサムは、ぼかしの入ったピンク色の大きな花が咲く品種です。ハナミズキのなかでは比較的まっすぐに育ち、樹形がよく整うという特徴があります。成長が早く耐寒性や耐病性も強いため、庭木やシンボルツリーとして最適な品種です。紅葉も美しいので、開花時期以降も楽しめます。
種類・品種⑧フェアリークラウン（メキシコハナミズキ）
フェアリークラウンは花の先端部分がくっついたまま咲くという、変わった特徴を持つ品種です。以前は「メキシコハナミズキ」と呼ばれていました。フェアリークラウンという名前は、変わった花の形が王冠のように見えることに由来しています。花の形は変わっていますが、基本の性質は他品種とあまり変わりません。
ハナミズキの花言葉
ハナミズキの全般の花言葉
ハナミズキ全般の花言葉は「永続性」「返礼」「私の想いを受け取ってください」「華やかな恋」「公平にする」です。「返礼」「私の想いを受け取ってください」は、前述したアメリカが返礼として、ハナミズキの苗木を日本へ贈った逸話に由来しています。「永続性」は英語のハナミズキの花言葉にもある言葉です。これは後述するキリストの伝説に由来しています。
日本からは桜、アメリカからはハナミズキと、互いに国を代表する木を贈ったことを「公平」ととらえたんだろうね。
英語のハナミズキの花言葉
英語のハナミズキの花言葉は「durability（永続性、耐久性）」「love undiminished by adversity（逆境にも耐える愛）」「Am I indifferent to you？（私があなたに関心がないとでも？）」です。「逆境にも耐える愛」は、ハナミズキの成長の遅さに由来しているとされています。ハナミズキは大きく育ちますが、成長スピードは遅い木です。この性質を愛の成就に向けて、地道に努力を重ねていき、逆境をも克服する強い愛情にたとえたのでしょう。
「私があなたに関心がないとでも？」は、一見無関心に見える人を、成長が遅くて変わらないように見えるハナミズキにたとえたんだろうね。
ハナミズキがじつは少しずつ成長しているように「見た目は無関心に見えても、じつはあなたに興味津々です」ということなんでしょうね。
キリストとハナミズキの伝説
アメリカにはハナミズキにまつわるキリストの伝説があります。キリストの磔刑に使用された十字架が、じつはハナミズキで作られたものだったという、とても悲しくて残酷な伝説です。当時のハナミズキは今とは違い、太くてしっかりとした幹を持つ木でした。そのため十字架の木材に利用されてしまったのです。キリストを死なせたことで、ハナミズキは大変悲しみました。
キリストの受難と復活を伝える花
その後、悲しみに沈むハナミズキの前に、復活したキリストが現れました。キリストは「ハナミズキが二度と十字架に使われないように」と、現在のような細く曲がった木に変えたのです。さらにハナミズキは、イエスの受難を後世へ伝えるために、総苞を十字架の形に、中心の花を茨の冠の形に、実を血のような赤に変えました。
「永続性」の花言葉は、この伝説にも示されているキリストの博愛と忍耐が由来といわれています。
でも聖書には十字架の資材についての記述はないし、何よりも当時、キリストのいた地域にハナミズキはなかったんだ。
そのため、この伝説については、後世の創作とする説が有力視されています。
ハナミズキの花言葉まとめ
- ハナミズキ全般の花言葉：「永続性」「返礼」「私の想いを受け取ってください」「華やかな恋」「公平にする」
- 英語の花言葉：「durability（永続性、耐久性）」「love undiminished by adversity（逆境にも耐える愛）」「Am I indifferent to you？（私があなたに関心がないとでも？）」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
まとめ
春から初夏に美しい花を咲かせ、秋はきれいな赤い実と鮮やかな紅葉を披露してくれるハナミズキは、1年中見る人を楽しませてくれる素敵な庭木です。機会があれば、シンボルツリーとして庭に植えてみましょう。
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「華やかな恋」はハナミズキの美しい花姿が、「公平にする」は、桜の返礼にハナミズキが贈られた逸話が由来とされています。