カネノナルキ(金のなる木)はどんな植物?
カネノナルキ(金のなる木)の概要
カネノナルキは多肉の仲間で観葉植物でもある
カネノナルキ(金のなる木)はベンケイソウ科クラッスラ属で学名をCrassula ovata(Crassula portulacea)といい、南アフリカ原産の常緑性植物です。和名をフチベニベンケイ(縁紅弁慶)と呼び、別名は「成金草」ですが、「カネノナルキ(金のなる木)」や園芸名の「花月(かげつ)」の名前でよく知られています。背丈は成木で大きなものは3mにもなりますが、矮性品種もあり、鉢植えで観葉植物としても楽しめます。花言葉は「富」や「一攫千金」「幸運を招く」「不老長寿」です。
カネノナルキ(金のなる木)の特徴
植物としての特徴
カネノナルキは丸みを帯びた肉厚な葉をもつ多肉植物です。室内に置いても楽しめるため、観葉植物にも分類されます。「フチベニベンケイ(縁紅弁慶)」の和名が表すように、生長すると葉の縁に紅色がさし、寒くなると紅葉します。11月~2月頃、白やピンク色の星形の小さな花を咲かせます。成木になるにつれ、茎は太く木質化します。水分をため込み、乾燥に非常に強い反面、過湿にすると根腐れを起こしやすい多肉の特徴を持ちます。
カネノナルキの種類・品種
カネノナルキといえば一般に園芸品種の「花月」を指します。同じクラッスラ属の仲間に、葉が細長く上に向かって育つ「宇宙の木(ウチュウノキ)」があり、学名の「クラッスラ・ゴーラム」の名前で出回っていることもあります。そのほか矮性品種の「姫花月(ヒメカゲツ)」や「桜花月(サクラカゲツ)」「花月錦(カゲツニシキ)」「黄金花月(オウゴンカゲツ)」などがあります。
「カネノナルキ」の語源
カネノナルキは、昭和初期に日本に伝わったといわれ、英語名を「Dollar Plant」といいます。この英語名は、丸い葉の形がコインに似ていることに由来します。それを知ったある商人がカネノナルキの新芽に縁起の良いとされる福銭の5円玉を通し、5円玉が抜けなくなるくらいに大きくなってから「金(銭)のなる木」として販売したところ大流行し、日本では「カネノナルキ」の名前で定着したといわれます。
「カネノナルキ」には毒がある?!
多肉植物にはたくさん食べると害があるとされるものがあり、カネノナルキも多量摂取により嘔吐やうつを引き起こすといわれます。犬や猫、小さな子供が口にしないように注意が必要です。
カネノナルキ(金のなる木)の花言葉
カネノナルキの花言葉は、「富」、「一攫千金」、「幸運を招く」、「不老長寿」です。金の気を発散させるとされ、その縁起の良さから新築祝いや開業祝いなどでよく贈られます。
「カネノナルキ」の風水における意味
カネノナルキは、風水が生活に深く根づいた中国で、「金運」や「繁栄」を意味する縁起の良い植物と考えられてきました。そのため、風水で金運をつかさどる南東の方角に置くのがよいとされます。
カネノナルキ(金のなる木)の基本情報
- 科名・属名:ベンケイソウ科クラッスラ属
- 園芸分類:多肉植物、観葉植物、多年草
- 学名:Crassula ovata(Crassula portulacea)
- 原産地:南アフリカ
- 和名:フチベニベンケイ(縁紅弁慶)
- 別名:成金草(なりきんそう)、花月(かげつ)
- 開花期:11月~2月
- 花色:ピンク、白
- 草丈:50cm~3m(成木して大きなもの)
- 特性:常緑性、暑さ・乾燥に強く、寒さにやや弱い
- 花言葉:「富」、「一攫千金」、「幸運を招く」、「不老長寿」
- 風水での意味と吉方位:金運、繁栄/南東
カネノナルキ(金のなる木)の育て方
①土づくり(鉢植え)
市販の多肉植物用の土など水はけのよい土を用意します。自分で配合する場合は、赤玉土5、腐葉土3、パーライト(または川砂)2の割合で混ぜます。
②日当たり・置き場所
風通しと日当たりの良い場所に置きましょう。日当たりが悪いと株が間のびして丈夫に育ちません。耐寒温度は3℃~0℃くらいまでですので、3℃前後になったら室内に取り込みます。斑入りの品種は日焼けしやすいので夏場は半日陰に置くとよいでしょう。
③水やり
葉や茎に水分をため込み、乾燥に強いので水やりは控えめに管理します。春から秋までは表面の土が乾いたのを確認して水を与えましょう。夏の高温時に水を与えると蒸れて根腐れの原因になります。冬は2週間に1回程度、少量の水やりにとどめ、乾かし気味に保ちます。
④肥料
肥料はほとんど必要としませんが、4~10月頃、規定量の半分ほどの緩効性化成肥料または油かすを与えても良いです。
ボタニ子
肥料を与えすぎると枝や葉はどんどん成長しますが、花つきが悪くなることもあります!
⑤病気・害虫
病気、害虫ともに特にありません。
ボタニ子
病気も害虫も心配いらないなんて、本当に丈夫で育てやすそう!
⑥植え付け・植え替え
植え付け、植え替えともに3月~6月か9月~10月が適期です。2~3年に一度、根がつまってきたようであれば、古い土を少し落として一回り大きな鉢に植え替えます。根腐れを起こしている場合は、古い土を全て落とし、根腐れした部分を切り落とします。その後は数日間、風通しの良い日陰で乾燥させて、小さめの鉢に植えます。
⑦ふやし方
【さし木】適期は4月~10月です。新芽を2、3節のところで切り、風通しの良い日陰で乾燥させます。数日後、水はけの良い土(植え付け時の用土と同じ)にさします。土がかぶってしまう葉はあらかじめ切り取っておきましょう。
【株分け】春に行うと良いでしょう。手で根をほぐして、適当な大きさに分けてから植え付けます。
ボタニ子
春と秋にぽろっと取れた葉を土にさしておいても(葉挿し)、うまくいけば葉の切り口のあたりから発根して繁殖できますよ。
⑧切り戻し
4月~10月にボリュームが出すぎた株は切り戻します。切る位置はお好みの場所で大丈夫です。切った枝はさし木できます。
カネノナルキ(金のなる木)の楽しみ方
観葉植物として室内で
カネノナルキは鉢植えや盆栽風に仕立てるか、矮性品種を選べば室内で楽しめます。風水でも縁起の良い意味を持つので、テーブルに一鉢置くだけでも運気アップを期待できそうですね。その場合も、置く場所は日当たりと風通しの良い場所を選ぶとよいでしょう。
水耕栽培もできる?!
多肉植物は全般的に水耕栽培が可能です。ただし、カネノナルキの苗の土を洗い落として水につけても、うまく水を吸収できず枯れてしまいますので、土に植えつけていた株を切って使います。切り戻しで切り取った茎があれば、ガラス製の器に水を入れて茎を挿し、発根する様子をじっくり観察してみましょう。この方法では、葉が茂るほど大きくなったり、花が咲いたりは難しくなるので、鑑賞用と考えましょう。
まとめ
【各種御祝いに ご自宅用にも 縁起の良い贈り物】 季節の鉢花 金のなる木 花月 4.5号
参考価格: 2,980円
花月や成金草の名前でも呼ばれ、金(銭)を呼ぶ縁起の良い植物として贈り物にも選ばれるカネノナルキ。成木になると大きなものは3mにもなりますが、矮性品種も出ており、鉢植えにして室内で楽しむこともできます。また、丈夫で育てやすいのも魅力です。リビングや玄関に一鉢いかがでしょうか?
出典:写真AC