チャイブとは
チャイブといえば、アサツキに似たお料理の添え物として使われるハーブということしか思い浮かばないという方も多いのではないでしょうか。地味な存在ですが、実は素晴らしい効能をもつハーブなのです。そんなチャイブの特徴、味と香り、栄養と効能、花の使い方、おすすめレシピなどをご紹介します。
名前
チャイブはフランス語ではシブレット、イタリア語ではチポリーナ、日本での別名はセイヨウアサツキ、エゾネギとも呼ばれるユリ科ネギ属のハーブです。姿形がよく似た日本のアサツキ(学名:A. schoenoprasum var. foliosum)はチャイブの変種に分類されます。
チャイブの特徴
チャイブはヨーロッパ、アメリカ原産のハーブです。草丈は20~30センチほどになり、チャイブの外見はネギやアサツキにそっくりです。細い円筒形の葉は先端ですぼまり、初夏になると先端に赤紫色の丸い花をつけます。葉と花が主に料理やお茶として利用されます。
アサツキとの違い
アサツキの地下茎はラッキョウに似て、鱗茎が小球を作り分球して増えますが、チャイブは鱗茎をもたないのが特徴です。他の特徴的な違いは、アサツキは夏に休眠しますが、チャイブは冬になると地上部は枯れても休眠はしないことです。また、チャイブとアサツキは一緒に植えると交雑しやすく、雑種ができやすいので注意してください。
歴史と分布
ユーラシア大陸や北米に広く分布するチャイブですが、マルコ・ポーロは中国でチャイブに出会ったと伝えられています。中国では5千年ほど前から食欲増進や殺菌効果を利用してチャイブを薬や食材として重宝し、植物の中の宝石とも呼んでいたとの記録もあります。魚料理にチャイブを利用した紀元前1千年頃のレシピが残っているというのも驚きです。
チャイブの味と香りの特徴
ネギに似た味と香り
チャイブの味と香りはマイルドではあるもののネギやアサツキに非常に近いものであり、使い方も料理の彩や薬味がメインです。ネギやアサツキと同じ感覚で使えるので使い方としてはむずかしくはないでしょう。西洋ではスープの浮身、サラダやオムレツの具として使用されてきたハーブです。
花の香りも楽しめます
初夏に咲く赤紫色の花も、エディブルフラワーとしてサラダなどのお料理に使えます。酢漬けのピクルスにするとほんのり甘い香りの美しいハーブビネガーができます。花の季節が終わると葉が硬くなるので、花がつぼみの状態の時期に草も収穫しておくことをおすすめします。
チャイブの食べ方
基本的な使い方
食用としてチャイブを用いる場合、主に使われるのは葉と花の部分です。葉はネギと同じように薬味として利用しましょう。香り野菜としてサラダに、スープに浮かべて、肉や魚料理の臭み消しとしても使います。赤紫色の可愛らしい花はお料理の彩にも最適ですし、酢につけることで美しい色のハーブビネガーを楽しむことができます。球茎の部分もピクルスにするとおいしくいただけますよ。
おいしい食べ方①ポテトサラダ
ヨーロッパではポテトサラダにチャイブはかかせないハーブです。ポテトサラダに彩として添えるのもよい方法ですし、刻んで具としてサラダに混ぜ込むといつものポテトサラダが新鮮なレシピに早変わりしますよ。
おいしい食べ方②オムレツ
卵と相性のよいチャイブはオムレツの具としても重宝します。油と一緒にとることで豊富なカロテンの効能を高め、体への吸収を促進してくれるでしょう。卵、生クリームをとき、塩コショウで味を調えチャイブをたっぷり加えてオムレツを作ります。
おいしい食べ方③ハーブバター
室温においてやわらかくしたバターに刻んだチャイブ、パセリ、すりおろしたニンニクなどを加えて、冷蔵庫で冷やすと便利なハーブバターができあがります。パンに塗って温めるだけでおいしいサンドウィッチに。卵料理などのソースにも大活躍してくれますよ。
ボタニ子
チャイブはハーブティーとしても楽しめます。次ページから紹介しますよ!
出典:写真AC