サラサドウダンとは
サラサドウダンは、日本の近畿地方より北の山地に生息している落葉低木です。花期には風鈴に似た小さい花を枝いっぱいに咲かせます。その花の様子を夜空に輝く満天の星に例え、サラサドウダンの漢字での表記は「更紗満天星」となりました。また、枝分かれしている様子が昔の照明道具に似ていることから、「更紗灯台」との表記もあります。
日本だけに自生している木
サラサドウダンは日本固有種で、自生しているのは日本だけです。もともと山地や寒冷地に生息しており、耐寒性はありますが暑さに弱い性質があります。そのため、暖かい地方での栽培は夏の暑さで株が弱ってしまい、花が咲きにくくなりがちです。日本固有種ではありますが海外でも鉢植えが栽培されており、花の形状から「Furin tsutsuji」と呼ばれています。
果実と紅葉を一緒に楽しめる木
サラサドウダンは、花期後の秋に果実をつけながら葉を紅く色づかせます。果実は朔果(さくか)という種類に分類されています。朔果とは、熟すると地面に近い下の方から上に裂けながら、中の種をまき散らす性質をもっている果実のことです。また、サラサドウダンの紅葉は、山地での紅葉の主役的存在といわれるくらい大変きれいなことで有名です。
サラサドウダンの花言葉
サラサドウダンには、黄白色の明るい花色から「明るい未来」という花言葉があります。ほかにも、花を数多く咲かせることより「喜びあふれる」という花言葉も持っています。どちらもポジティブな印象を与える花言葉で、贈り物にすると喜ばれそうですね。切り花は販売されていませんが、鉢植えをプレゼントにいかがでしょうか。
サラサドウダンの特徴
サラサドウダンは花期の春に咲くかわいらしい花だけでなく、秋には美しい紅葉も楽しめます。ここでは、サラサドウダンの花の特徴や紅葉について紹介しながら、サラサドウダンの持つ魅力について解説します。
花の特徴
サラサドウダンは、風鈴に似た小さい花の愛らしさが人気です。花は形だけでなく色にも特徴があり、花の先は紅色をしていますが、紅色の筋が入りながら花の下部は黄白色に変わります。そのほか、サラサドウダンの花には、花柄が長く花はぶら下がったように咲く、小さな花を10個ほど固まって咲かせるなどの特徴もあります。
花期は地域によって違いがある
サラサドウダンの花期は栽培している地方の気温により違いがあり、暖かくて花芽が出るのが早くなる地方では5~6月、寒冷地や山地では6~7月となります。地方によって花期にずれがあり、自宅で鉢植えの花を観賞したあと、ハイキング先の山で再度花を見られることもサラサドウダンの魅力ではないでしょうか。
葉の特徴
サラサドウダンは、ツツジの木のなかでも特に美しく紅葉するといわれており、秋には濃いオレンジ色や赤色に変化する葉を楽しめます。樹高が2~5mと低めで、近くで紅葉した葉を見られるのも魅力的です。紅葉する時期も地方により違いがあり、寒くなるのが早い寒冷地や山地では9月頃から葉色の変化が始まりますが、暖かい地方では11月頃になります。
山の神のサラサドウダンツツジ群生地が有名
サラサドウダンの紅葉は本州の近畿地方より北の山地や北海道で見られますが、特に「山の神のサラサドウダン群生地」の紅葉の美しさは有名です。山の神のサラサドウダン群生地は長野県の八ヶ岳近くに位置し、紅葉の時期には観光スポットとして多くの人が訪れています。
ボタニ子
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出典:写真AC