バラの実とは
基本情報
正式名称 | ローズヒップ |
英語名 | Rose hip |
科名・属名 | バラ科バラ属 |
分類 | 果実 |
利用 | 食用、観賞用 |
特徴
バラの実は最初は緑色で、完熟する秋には赤色やオレンジ色、濃い紫色などに変化します。食用にされるバラの実の収穫時期は10月~11月ごろです。果実の形は品種によって、丸い形や涙型のものもあります。ローズヒップという名前でも知られ、「ヒップ」という単語はバラの果実を意味しています。
種類
バラの実はすべてのバラ品種に実るわけではありません。バラの原種であるワイルドローズの、ドッグローズ(イヌバラ)やハマナスがバラの実をつける品種です。そのなかでも食用と花材用のバラの実に分かれます。花材用のバラの実は口にすると下痢などを発症することもあるので気をつけましょう。
【緑色の実】バラの実のアレンジメント例①~④
①淡い色合わせ
淡くナチュラルな色味のアレンジメントには、緑色のバラの実がアクセントになります。摘みたてのガーデンの花をワイルドにまとめたような瑞々しいアレンジメントを、かわいらしいバラの実やスモークグラスが引き立てていますね。
②他の実ものと
画像のアレンジメントは、グリーンや白のなかに目が覚めるような美しい青色がポイントとなっています。緑色のバラの実もふんわりとあしらわれていて素敵です。また、実ものはバラの実以外に丸い白色のヒペリカムも入っています。サイズの違う実ものが全体にコロコロと舞っているようでかわいいですね。
③ヒマワリと
ヒマワリのアレンジメントに緑色のバラの実を添えると、夏らしく明るい雰囲気に爽やかさや柔らかさが加わります。動きのある葉ものと一緒に入っているバラの実は、満開の大輪の花の美しさを引き立たせるアクセントにぴったりです。
④スタイリッシュに
画像のアレンジメントは、白色にペイントされたドライのミツマタのラインが際立って美しいですね。使用されているどの花材も涼しげな印象です。バラの実の一粒一粒が、大ぶりで浅皿の花器の色によく映えています。
【赤色の実】バラの実のアレンジメント例①~④
①ラウンドアレンジ
緑色のバラの実は、秋口になると赤く色づき始めます。画像のラウンドアレンジは、色んなトーンの赤色が美しいですね。緑色のバラの実とはまた違った趣があり、アレンジメントに華やかさを与えます。
②個性的な花材と
バラの実は個性的な花材や同系色の赤色の花材と合わせても、しっかりと存在感を発揮します。画像では深紅色の大輪のアマリリスやふわふわしたケイトウなどの足元でバラの実がかわいらしさを添えていますね。
③色合いの奥行に
画像のように濃いピンク色やパープルのグラデーションの中に赤色のバラの実が加わると、全体の色合いに奥行が生まれます。また自由な枝ぶりが動きを生んで、ほんのりワイルドな雰囲気をミックスできるのでいきいきした印象になりおすすめです。
④バスケットアレンジ
バスケットアレンジは、庭の花をたった今摘んできたようなナチュラルな印象が魅力です。画像のように、秋口に色づき始めた葉ものなど落ち着いた色合いの花材の中にバラの実を加えると、アレンジメントがよりいきいきした印象になりますね。
【生け花】バラの実のアレンジメント例①~④
①線をいかす
バラの実は、生け花でも大活躍する花材です。画像はピンクッションとバラの実という組み合わせでどちらも個性的ですが、互いに絶妙なバランスを保っていますね。バラの実は曲がった枝の動きをいかしたり、リースのように曲線にしたりと使い方次第で印象がガラリと変わります。
②ポイントに
画像はユーカリの丸くシルバーがかった葉やホワイトスターの小ぶりな白い花が優しい印象の生け花です。バラの実が低めの位置に入ることで全体が引き締まりますね。花器も透明感のある雰囲気を引き立てています。
③小さい花器
生け花は小さい花器でも楽しめます。画像ではアオモジの実を中心にしてバラの実が添えてあり、実ものならではのフォルムが素敵です。ちょとした心遣いが暮らしを豊かにしてくれるようですね。
④正月花
バラの実は正月花の花材としての使い方もおすすめです。細い枝から伸びた先端についた実が、全体の中で独特なリズム感を与えます。いつもの正月花に、ぜひバラの実も活用してみてください。
【ドライフラワー】バラの実のアレンジメント例①~②
①ビンテージカラー
ドライフラワーやプリザーブドフラワーのアレンジメントは、長く飾っておけるメリットがあります。赤いバラの実もドライになると落ち着いた色合いになり、ドライフラワーならではのビンテージ感ある雰囲気にぴったりです。
②クリスマスシーズン
クリスマスシーズンの赤やグリーンのイメージにもバラの実は活躍します。画像のように月桃(げっとう)の実など好みの花材とあわせてバラの実をポイントに入れると、冬らしい温かみのあるドライフラワーアレンジの完成です。
【番外編】バラの実のアレンジメント①~④
①グリーンリース
花材ごとに種類をまとめて配置するグルーピングは、まとまりが出てスタイリッシュに見せることができます。また、画像のように小ぶりなバラの実にもボリューム感をもたせることができます。画像のような哀悼のリースにも、優しい緑色のバラの実がよく合いますね。
②バラの実だけのリース
バラの実だけをふんだんに使った真っ赤なリースは、かわいらしさの中に迫力があり、情熱的な印象です。アレンジメントに添えるサブ花材としても重宝するバラの実ですが、メインの花材としても力を発揮し、とても豪華に仕上げることができます。
③ガーランド
画像のようなガーランド装飾は、ほかの人とはちょっと違うおしゃれなクリスマス飾りを作りたい人におすすめです。マグノリアの葉の色合いをいかしたガーランドで、とてもスタイリッシュなデザインですね。ところどころ顔を出しているバラの実がアクセントになっています。
④ハーバリウム
ハーバリウムとはガラス瓶の中で花などをオイル漬けにしたインテリアフラワーです。画像のようにバラの実と他の花材を組み合わせたり、赤い実だけを浮かべたりといろんなアレンジができますよ。サイズ感も大きすぎず手軽に飾れるのでプレゼントにするのもいいでしょう。
バラの実のよくある質問
バラの実はいつごろ出回りますか?
バラの実は生花店やネット通販でも入手できます。とくに秋に赤く色づいたバラの実が多く出回ります。緑色のバラの実は7月ごろ、赤色のバラの実は9月下旬~11月初旬ごろに入手しやすいです。
バラの実の種類ごとのおすすめの使い方は?
9月下旬ごろから出回るスズバラ(鈴バラ)は、大きなアーモンド形の実がたくさんなります。独特な枝ぶりをいかして大きく枝ごと使うのがおすすめです。一方ノバラは、枝ぶりはダイナミックでも実がスズバラより小さく、少し控えめな印象もあります。和風の空間でも使いやすいでしょう。枝自体が細めの品種には、センセーショナルファンタジーやジャイアントファンタジーなどがあります。小さな花器にさりげなく活けるのもよいでしょう。
バラの実のアレンジメントまとめ
バラの実はローズヒップとしても知られており、紅茶で飲んだことがある人もいるのではないでしょうか。アレンジメントでもさまざまな使い方ができるバラの実は今回紹介したように、入っているとおしゃれ度がグンと上がる花材です。時期や種類によって色合いや雰囲気も異なるので、アレンジメントに合わせてイメージに合いそうなバラの実を使ってみましょう。