アキノキリンソウの特徴
アキノキリンソウはキク科の植物で、和名は「秋の麒麟草」と呼ばれ、夏から秋(開花時期・8月~11月)にかけて小さな黄色い花をたくさん咲かせます。日当たりのよい草原や野原、水田の近くに自生し、ポピュラーな秋草の花として教科書や絵本で紹介されたこともあります。
特徴①基本情報
アキノキリンソウの基本情報
名前 | アキノキリンソウ(秋の麒麟草) |
学名 | Solidago virgaurea var. asiatica |
別名 | アワダチソウ |
分類 | キク科/アキノキリンソウ属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | ユーラシア |
分布 | 北海道~九州 |
生息地 |
|
草丈 | 30cm~1m |
開花時期 | 8月~11月 |
耐寒性/耐暑性 | 強い/普通~強い |
特徴②栽培
耐寒性・耐暑性ともに強い植物で、野外だけでなく室内でも管理ができ、茎を切り戻して小さな盆栽や茎の高さを行かした寄せ植えも楽しめます。開花時期の夏や秋は花を、冬になると立ち枯れた姿が味わい深く、育てやすいミニ盆栽がネットでも購入できます。
特徴③生息分布
日本の分布地域は、北海道・四国・九州と広範囲で、海外では原産地のユーラシア大陸や朝鮮に生息しています。変種の多い植物で、仲間には「ミヤマアキノキリンソウ」「セイタカアワダチソウ」「イッスンキンカ」「アオヤギバナ」などの種類があります。
アキノキリンソウの育て方
栽培カレンダー
育て方①日当たり
アキノキリンソウは暑さや寒さを気にせず、日当たりのよい場所で育てると株が丈夫に育ちます。室内など半日陰の場所で育てるときは、ときどき窓辺に移動して日を当てるようにしましょう。
育て方②水やり
地植えの場合は、晴れた日が長く続かないかぎり水やりの必要はなく、鉢植えや盆栽は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。イッスンキンカやアオヤギバナなど、品種によって乾燥に弱いものもあるので注意します。
育て方③肥料
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鉢植えには4月~9月まで月に2回、液体肥料を希釈(1500倍~2000倍)して施肥しますが、栄養が多すぎると茎や枝ぶりが乱れるので少なめに与えます。植え替えのさい、元肥としてカリウムとリン酸が多めに配合された緩効性の化成肥料を施します。
育て方④切り戻し
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6月~7月ころ草丈が高くなった茎を切り戻しますが、茎の数が多いときは数本残して枝元から切り、枝の数が少ないときは枝の長さ1/3ほど残して切り戻します。切り戻しすることで株が小さくまとまり、開花時も背丈が低いまま可愛い姿が観賞できますが、開花時期は弱冠遅くなります。
育て方⑤用土
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土は水はけがよいものを好み、赤玉土(小粒)と腐葉土を7:3の割合で配合したものか、草花用の培用土(市販)に赤玉土を3割混ぜて使います。培用土は使用前にいちど水で洗い、木の葉や木くずなどのみじんをすべて取り除き、赤玉土はふるい器でふるっておきます。
育て方⑥植え付けと植え替え
植え付け
春に種まきし芽がでたものを、2月~3月に鉢植えなどへ植え付けして株を定着させます。
植え替え
春に種まきし芽がでたものを、2月~3月に鉢植えなどへ植え付けして株を定着させます。 アキノキリンソウは根詰まりしやすく、鉢植えは毎年植え替えし、盆栽は根の状態を確認して数年に1回、地植えの場合は3年に1回植え替えをします。
育て方⑦寄せ植え
アキノキリンソウは、ほかの秋の花と寄せ植えにして育てることができます。茎の高さを利用してプランターの奥にアキノキリンソウを配置し、手前には背丈の低い秋草を配置するとバランスが取れます。
アキノキリンソウの増やし方
アキノキリンソウの増やし方は、「株分け」と「さし芽」の2種類あり、どちらも早春から春のあいだにおこないます。それぞれのやり方は以下の通りです。
増やし方①株分け
2月~3月、株が新しい芽をだす直前におこなう作業で、鉢植えやポットから抜き取った株を、3芽~5芽で1株になるようハサミで切り分け新しい鉢に植え付けします。傷んだ根や伸びすぎた根があるときは、株分けのさいいっしょに切り落とします。
増やし方②さし芽
5月~6月、新芽の先を切り取りさし芽にしますが、さし芽にするさし穂は太く充実したものを選び、5cmほどの長さに切りって使います。切った茎は水はけがよい培用土にさして芽して根づかせ、その後植木鉢などに植え付けできます。
アキノキリンソウを食べる
薬草として使われてきた
乾燥させたアキノキリンソウは昔から薬草として使われ、風邪の諸症状や解毒、健胃や利尿作用などの効果があります。有効成分には抗酸化作用のある「サポニン」や、二日酔いに効果がある「タンニン」、そのほかフラボノイドや抗菌作用などの成分が含まれています。
食べ方
若芽を茹でて食べる
薬草のほかにも、アキノキリンソウの若い芽は乾燥させずに食べられます。食べる方法はつぎの通り。
- 塩を入れた水を沸騰させる
- 若芽を湯に入れ、お好みの固さになるまで茹でる
- 茹でたものを水にさらしてアクを抜く
アキノキリンソウの別品種
アキノキリンソウにはたくさんの別品種がありますが、ここでは代表的な2種類「ミヤマアキノキリンソウ」と「セイタカアキノキリンソウ」の基本情報を紹介します。
種類①ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマアキノキリンソウの基本情報
- 和名…深山秋の麒麟草
- 別名…コガネギク
- 分類…キク科/アキノキリンソウ属
- 形態…多年草
- 分布…北海道、本州
- 生息地…草地、礫地
- 草丈…20cm~1m
- 開花時期…7月~9月
- 特徴…高山帯に自生するものは背丈が低い
種類②セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウの基本情報
- 和名…背高泡立草
- 別名…セイタカアキノキリンソウ
- 分類…キク科/アキノキリンソウ属
- 形態…多年草
- 原産地…北アメリカ
- 生息地…道端、草地、荒地
- 草丈…50cm~2m
- 開花時期…10月~11月
- 特徴…外来種が渡来して帰化した
まとめ
夏から秋にかけて黄色い花を咲かせるアキノキリンソウ。耐寒性や耐暑性のある植物で育てやすく、室内、野外ともに育てることができますが、盆栽に仕立てたものを室内に置く場合はときどき日光に当てるようにして管理し、伸びすぎた茎は切り戻して株をまとめると、開花時期もコンパクトで可愛らしい姿が楽しめますよ!
出典:写真AC