イボタノキとは
科 | モクセイ科 |
属 | イボタノキ属 |
原産国 | 日本をはじめとしたアジア |
分布 | 北海道から沖縄までの日本全国、朝鮮、中国の野山 |
分類 | 半落葉樹、落葉低木 |
樹高 | 2~5m |
花言葉 | よい友を持つ、禁制 |
イボタノキは昔から日本に自生している半落葉樹です。耐寒性もあり、とにかく丈夫で芽吹く力もとても強いので生垣やライラックの接ぎ木にも使われます。また、盆栽にも使われ、葉の全て落ちた冬でも、その独特の姿を楽しめます。針金で枝を整えられるので、簡単に好みの姿にできます。環境適応力が高く、病害虫や暑さ寒さにも強いので初心者向けです。
イボタノキの特徴
イボタノキの枝は灰白色や灰褐色です。若い枝は緑色をしていて、細かい毛が生えています。古い枝が落ちると、トゲのようなものが幹(みき)に残ります。細かい枝がたくさん出て、よく枝分かれするのでブッシュのようにもなります。イボタノキは雌雄同株で冬芽は卵型をしています。長さは2mm~3mmととても小さい冬芽です。
特徴①花
イボタノキの花は花びらの先端が4つに分かれて咲きます。その形は小さなユリの花のようです。色は白で複数の花がまとまって咲く特徴があります。イボタノキの花は両性花で、ギンモクセイに似た独特の香りがあります。開花期は5月~6月です。がくに毛はありません。
特徴②実
イボタノキの実は、若いうちは黄緑色をしていますが、11月~12月ごろになると気温が下がるにつれてブルーベリーのような黒紫色になります。果実を割ると中に種があり、果肉は白っぽい色です。大きさは6mm~7mmの楕円形です。イボタノキの実はヤマドリなどの小鳥が好んで食べます。
特徴③葉
イボタノキの葉は枝に対になるようにつきます。見た目は緑色の縦長の葉で、キンモクセイの葉のようです。落葉樹なのでこの葉は冬になると紅葉して落ちます。この葉を食べる虫もいます。生え始めは黄緑色でそこから徐々に濃い緑色になります。葉は柔らかく、表面にはつやがありません。裏面には細かい毛が生えています。
イボタノキの名前の由来
イボタノキにはイボタカイガラムシ(イボタロウムシ)という虫がよくつきます。この虫は白い蝋(ろう)のような分泌物を出します。これをイボにつけると取れることが名前の由来になっているといわれています。この分泌物は他にも止血に使われたり、ロウソクの材料にもなるのです。また、髪の毛や家具の艶出し、日本刀の手入れなどにも使われました。
イボタノキの品種
イボタノキにはいくつかの品種があります。ここではそれらを簡単にご紹介します。どの品種もそれほど大きな違いはありませんが、葉が斑入りであったり、葉の大きさや形、樹皮の手触りなどに違いがあります。花の形も微妙にではありますが違います。下記の品種の他にトゲイボタ、園芸種のオウゴンイボタなどの品種もあります。
プリベット (セイヨウイボタノキ) |
ヨーロッパから北アフリカ原産。 華やかな印象で人気が高い品種です。 |
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オオバイボタ | 全体的に大ぶりで温暖な地域に自生します。 |
ミヤマイボタ | 標高が高く、北の地域に自生します。 |
フイリイボタ | 葉が斑入りの品種です。 |
オキナワイボタ | 沖縄に自生する常緑性のイボタノキです。 現地ではハグマと呼ばれています。 |
イボタノキの育て方
イボタノキはとても丈夫な植物です。育て方も難しくなく、手間もかかりません。自分の思うように樹形を変えたり、整えたりもできるので、その時の気分によって楽しめる木です。管理の手間もかからず、多少の失敗はものともしません。他の植物の練習台にもなります。そんな初心者に優しいイボタノキの育て方をご紹介しましょう。
育て方①植え付け
イボタノキの植え付け時期は3月~4月か、11月~12月です。イボタノキは落葉樹ですので、葉の落ちている時期に植え付けます。地植えする場合は植え付ける前に植え付け場所をよく耕し、腐葉土や堆肥を混ぜ込みます。その後で穴を掘って植え付けます。地面より少し高くなるように土を盛ってください。最後に水をたっぷり与えましょう。
次ページからは「育て方②置き場所」について紹介します。
出典:写真AC