ツリバナとは
和名 | ツリバナ(吊花) |
分類 | ニシキギ科ニシキギ属:落葉低木 |
分布 | 北海道~九州の日本各地 |
自生場所 | 山地の川沿いなど |
樹高 | 2~4m |
ツリバナは生命力が強い植物で、北海道から九州の日本各地で見られます。おもに山地の川沿いなど水辺付近を好んで自生していることが多く、花や実を吊るしたように下向きにつける特徴をもっています。あまり手間をかけずとも丈夫に育つので、庭木や公園木としてもよく植えられている植物です。
名前の由来
ツリバナ(吊花)という名前は、文字通りこの植物の特徴である、花や実が吊り下がってついている様子が由来しています。またツリバナには「片思い」という可愛らしい花言葉があります。たしかに小さく可憐な花や、こぼれ落ちそうな赤い実は、どこか儚げで「片思い」という花言葉が似合いますよね。
庭木やシンボルツリーに人気な木
あまり環境に左右されず丈夫に育つツリバナは、庭木としても育てやすくお庭のシンボルツリーにも向いています。春は花が咲き、秋には実がなり紅葉も見られるので、季節とともに変化していくようすを楽しめます。病害虫の被害も少なく、剪定もあまり必要としないため、ガーデニング初心者や庭木を初めて育てる方にもおすすめです。
ツリバナの特徴
ツリバナの花
ツリバナの開花時期は5~6月です。直径8mmほどの小さな花で、5枚の花びらは淡い緑や紫、ピンクを帯びた色をしています。いくつもの小さな花を吊り下げるようにして咲かせます。どちらかといえば実のほうに注目されることが多いツリバナですが、小さく控えめに咲く花も可愛らしいですね。
ツリバナの実
9~10月の秋頃にはまるく赤い実がなります。実も花と同じく吊り下がるようにしてつき、はじめは緑色をしていますが、熟すと赤く色づきます。やがて花が咲くように5つに開裂し、中から朱赤色の種子が顔を出します。その見ためや目を引く赤い色はインパクトがあり、実のなる頃が最も観賞価値の高い植物といわれています。実は葉が落ちた冬の間も長く残ります。
実に集まる鳥
赤く染まった実は人々だけではなく、鳥たちも魅了します。ヒヨドリ、メジロ、ヤマガラ、エナガ、シジュウカラなど、実を求めてさまざまな鳥たちがやってきます。この鳥たちは実を食べることで、種子を遠くまで運んでくれる大切な役割も担っています。お庭にやってくる小鳥たちを観察するのも楽しいですね。
ツリバナの紅葉
ツリバナは秋に紅葉を楽しめる植物です。11月頃になると葉は赤く色づきはじめますが、環境によってはオレンジや黄色になります。実が赤く熟し、さらに木も赤く染まるすがたはとても美しく、色が乏しくなりがちな季節の風景を鮮やかに彩ってくれます。紅葉したツリバナは趣があり、和風庭園などにも合いますよ。
ツリバナとマユミの見分け方
よく似た植物に同じニシキギ科の「マユミ」があります。ぱっと見た感じでは似ていますが、花や実をよく観察してみるとその違いがわかります。マユミは花びらが4枚であるのに対して、ツリバナの花びらは5枚です。また、マユミは実も熟すと4つに割れますが、ツリバナは5つに割れるのが特徴です。
ボタニ子
次はツリバナの育て方を紹介します!
出典:写真AC