「溝蓋」とは？側溝の蓋の種類・サイズによる価格の違いなどを解説！

溝蓋（側溝蓋）は、道路の脇にある排水溝のふたのことです。排水溝によっては溝蓋がついていない場所もありますが、溝蓋を取りつければ通行時の安全も確保できます。また溝蓋がごみの侵入を防ぐため、排水溝のつまり防止にも効果的です。

道路の排水溝の溝蓋は、コンクリート製を使うことが一般的です。ところが街中を観察してみると、コンクリートと同じくらい金属製で格子柄の溝蓋も目につくでしょう。格子柄の溝蓋は「グレーチング溝蓋」といい、素材やデザインは違いますが、用途はコンクリート製と同じです。

コンクリート製の溝蓋は、交通量の多い道路や私有地の侵入口（玄関やガレージ）の前に使われることが多いです。コンクリート製なので、溝蓋の上を車が通過しても破損する心配がありません。また上部がほぼふさがれているのでにゴミが侵入しにくく、排水溝が詰まりにくいです。

グレーチング溝蓋は、素材を格子状に加工しているのが特徴です。「グレーチング」は英語で鉄格子を意味するGratingに由来するため、素材も金属を使っていることが多いです。ただし金属製には「水にぬれると滑りやすい」「重すぎて移動しにくい」などのデメリットもあります。近年はゴム製や木製など、金属製のデメリットをカバーできるものも人気です。

溝蓋にはコンクリート製の溝蓋とグレーチング溝蓋の2種類ありますが、2種類のサイズには大きな違いはありません（規格外は除く）。そのためシンプルなデザインが多いコンクリート製のほうが、グレーチング溝蓋より値段は安いです。グレーチング溝蓋は、デザインや加工方法の違いで値段が変わります。

コンクリート製の溝蓋には3タイプあります。シンプルなデザインで街でもよく見かけられるのが、「標準品」と呼ばれるものです。標準品の表面に防音対策用の加工が施されているのが、アートノイズレスタイプです。排水溝の角部分にみられる正方形の溝蓋は、ファイコンといいます。

コンクリート製は、側溝の溝蓋の中でも値段が安いのが魅力です。しかし、比較的安価なコンクリート製の溝蓋も、タイプやサイズの違いで値段も変わります。3タイプの値段は「標準品＜アートノイズレスタイプ＜ファイコン」です。購入する際にはタイプの違いも確認しましょう。

グレーチング溝蓋には蓋のはめ込み方法の違いで4タイプありますが、サイズはコンクリート製とほぼ同じです。メイン素材が金属なので価格は高めですが、コンクリート製よりも加工がしやすく、デザイン性の高い製品も人気があります。特に観光地では、特産品や名所をデザインしたご当地溝蓋が人気です。

グレーチング溝蓋は、排水溝へのはめ込み方法によってデザインが変わります。はめ込み方法によって加工方法や材料が変わり、シンプルな構造は値段が安く、複雑な構造になるほど高めです。また同じデザインでも格子の間隔によって質量が変わるため、格子の間隔が狭くなるほど値段が高くなります。

排水溝の溝蓋は、グレーチング溝蓋がおすすめです。コンクリート製と違い取り外しがしやすいので、定期的に排水溝を掃除するのに便利です。

自宅の庭や私有地内の歩道には、機能性だけでなくデザインがおしゃれな側溝蓋がおすすめです。おしゃれな歩道用側溝蓋を使用するには、「耐荷重に問題がない」「側溝に適したサイズである」の2つをクリアしていることが条件です。無機質な側溝蓋をおしゃれなものに変えるだけで、全体の印象も大きく変わります。

自宅周辺の排水溝の蓋が壊れてしまうと、誤って排水溝に落ちる危険があります。排水溝と溝蓋との相性もあり、サイズがあっていなければ騒音の原因にもなるため、どのタイプの溝蓋を選ぶかも重要です。さらに「どの場所に設置された溝蓋を交換するのか」も重要なポイントです。

自宅周辺の排水溝であっても、排水溝が設置された道路の管理者次第で、法律上の手続きが必要です。明らかに私有地である場合は申請の必要はありませんが、自宅周辺の排水溝は国や自治体が管理者である可能性が高いです。道路管理者は市区町村役場で調べられるので、現状報告もかねて役所窓口で相談しましょう。

役所に直接相談する場合は、溝蓋が破損している状況の写真を持参しましょう。持参する写真は、溝蓋の破損個所がはっきりとわかるものを準備します。そのほかにも破損している場所が道路のどの位置にあるのかがわかるよう、現場周辺の写真も準備しておくのがおすすめです。

交換をするのに特別な申請が必要ない場合は、交換するための溝蓋選びに移りましょう。個人で溝蓋を交換する場合は歩道用になるので、耐荷重2tの歩道用から選びます。ただし道路の排水溝の場合は、歩道用ではなく道路用（耐荷重25t）となる点に注意してください。

交換した古い溝蓋は一般ごみではなく、産業廃棄物として処分します。産業廃棄物は素材によって処分方法も細かく指定されており、コンクリート製は「コンクリートくず」、金属製グレーチング溝蓋は「金属くず」です。産業廃棄物の処分は専門の処理業者で行うので、事前に市区町村窓口に相談するのがおすすめです。

日常生活ではあまり気にすることがない側溝蓋ですが、素材やデザインによって使い方、用途、おすすめの使用場所などが違います。さらに自宅周辺や庭の側溝にあうおしゃれな側溝蓋も製品化されているため、見た目もこだわれるようになったのが近年の側溝蓋の特徴です。