③スイセン(水仙)
スイセンの特徴
植え付け時期 | 10月~11月 |
開花時期 | 12月~4月 |
スイセンは早春~春の季節にかけて咲く球根花です。正月花の定番でもあります。耐寒性が強く、早ければ11月下旬~12月に開花するため「雪中花(セッチュウカ)」とも呼ばれています。ただし、耐寒性はありますが、植え付けが遅いと開花に悪影響をおよぼします。遅くても11月中には庭や鉢への植え付けをすませておきましょう。
スイセンの花言葉
スイセンの全般の花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」です。これは後述するギリシャ神話の逸話が由来しています。種類別・色別の花言葉は黄色が「もう一度愛して欲しい」「私のもとへ帰って」、白が「神秘」、ラッパスイセンが「報われぬ恋」「尊敬」、クチベニスイセンが「素敵な装い」「詩人の心」です。
スイセンにまつわるギリシャ神話
その昔、ナルキッソスという美少年がいました。壮絶なまでの美しさから、多くの人に愛されましたが、彼自身は誰も愛そうとはしませんでした。そのため、想いが届かないことを嘆いた者が自ら命を絶つなどの悲劇が起こってしまいます。エーコーという森の妖精に至っては、失恋の悲しみから体を失い、声だけの存在と化してしまいました。
花言葉の由来となった最期
ナルキッソスの無情と傲慢から起こった悲劇に激怒したのが、復讐を司る女神ネメシスでした。ネメシスがかけた呪いにより、ナルキッソスは泉の水面に映った自分に恋をしてしまいます。その後ナルキッソスは、どんなに恋い焦がれても報われようがない恋に苦しんだあげく、命を落としてしまいました。そして彼の体はスイセンの花に変わったと伝えられています。
スイセンの花言葉まとめ
- スイセン全般の花言葉:「自己愛」「うぬぼれ」
- 黄色いスイセンの花言葉:「もう一度愛して欲しい」「私のもとへ帰って」
- 白いスイセンの花言葉:「神秘」
- ラッパスイセンの花言葉:「報われぬ恋」「尊敬」
- クチベニスイセンの花言葉:「素敵な装い」「詩人の心」
④ヒヤシンス(風信子)
ヒヤシンスの特徴
植え付け時期 | 10月中旬~11月下旬 |
開花時期 | 2月~4月 |
ヒヤシンスは耐寒性が強く、庭植えや鉢植えだけでなく、水耕栽培も可能な植物です。栽培環境や好みにあった栽培方法を選びましょう。なお、球根の植え付けの適期は10月~11月ですが、水耕栽培の適期は10月~12月です。なお、ヒヤシンスの球根にはシュウ酸という、かゆみを引き起こす成分が含まれています。植え付け時にはゴム手袋を着用して、球根に直接触れないように注意しましょう。
ヒヤシシンスの花言葉
ヒヤシンスの全般の花言葉は「スポーツ」「ゲーム」「遊び」「悲しみを超えた愛」です。これは後述するギリシャ神話に由来しています。色別の花言葉は、赤が「嫉妬」、ピンクが「スポーツ」「ゲーム」「しとやかなかわいらしさ」、白が「控えめな愛らしさ」「心静かな愛」、黄色が「あなたとなら幸せ」「勝負」、青が「変わらぬ愛」、紫が「悲しみ」「悲哀」「初恋のひたむきさ」です。
ヒヤシンスにまつわるギリシャ神話
その昔、太陽神アポロンと西風の神ゼピュロスに愛された美少年がいました。その名をヒュアキントスといいます。ある日、アポロンとヒュアキントスは、円盤投げというスポーツに興じました。楽しそうに遊ぶ2人に嫉妬したゼピュロスは、風を起こして円盤の軌道を変えてしまいます。すると円盤がヒュアキントスの額に当たり、そのケガがもとで死んでしまいました。
ヒヤシンスの名前も、ヒュアキントスからとられたものです。
ヒヤシンスの花言葉まとめ
- ヒヤシンス全般の花言葉:「スポーツ」「ゲーム」「遊び」「悲しみを超えた愛」
- 赤いヒヤシンスの花言葉:「嫉妬」
- ピンクのヒヤシンスの花言葉:「スポーツ」「ゲーム」「しとやかなかわいらしさ」
- 白いヒヤシンスの花言葉:「控えめな愛らしさ」「心静かな愛」
- 黄色いヒヤシンスの花言葉:「あなたとなら幸せ」「勝負」
- 青いヒヤシンスの花言葉:「変わらぬ愛」
- 紫のヒヤシンスの花言葉:「悲しみ」「悲哀」「初恋のひたむきさ」
⑤アネモネ
アネモネの特徴
植え付け時期 | 10月~11月 |
開花時期 | 2月~5月 |
開花時期が長く、季節でいえば冬~春まで咲き続けるアネモネも、秋植えがおすすめの多年草です。アネモネの植え付け方法は、種まきと球根の2種類があります。球根の場合は10月~11月が植え付けの適期ですが、種まきの場合は、9月~10月が植え付けの適期です。好きな方法を選んで庭や鉢に植え付けましょう。
アネモネには「プロトアネモニン」という有毒成分が含まれています。茎の切り口から出る汁に触れると、炎症を引き起こす恐れがあります。
アネモネに直接触らないように、栽培作業や手入れの際には、必ずゴム手袋を着用しようね。
アネモネの花言葉
アネモネの全般の花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」です。ネガティブな花言葉が多いですが、いずれも後述するギリシャ神話の逸話が由来となっています。色別の花言葉は、赤が「君を愛す」、白が「真実」「期待」「希望」、ピンクが「待望」「待ち望む」、青が「固い誓い」、紫が「あなたを信じて待つ」「悲しみ」です。
アネモネにまつわるギリシャ神話①
美と愛の女神アフロディーテが、息子のエロースと遊んでいた際、エロースの恋の矢が誤ってアフロディーテに刺さってしまいます。その傷が癒えないうちにアドニスという美少年と出会ったアフロディーテは、たちまち恋に落ち2人は恋仲となりました。しかしアフロディーテには1つ悩みができます。それはアドニスが大の狩り好きということです。アフロディーテが何度いさめても、アドニスは狩りを止めませんでした。
狩りは危険が多いから、「いつか彼が大変な目にあうのでは」と心配したんだろうね。
悲しみから生まれた花
そしてついに、女神の心配が最悪の形で当たってしまいます。ある日、狩りの最中に獰猛なイノシシに襲われたアドニスは、そのまま命を落としてしまいました。恋人の死を悲しんだアフロディーテの流した涙がアネモネの花に変わった、あるいはアドニスの流した血から、アネモネの花が咲いたと伝えられています。
アネモネの花言葉に悲しい恋を意味するものが多いのは、この伝説がもとになっているからだといわれています。
アネモネにまつわるギリシャ神話②
西風を司る神ゼピュロスは、自分の妻である花の女神フローラの侍女・妖精アネモネに恋をしました。しかし、ある日とうとうフローラに、アネモネへの恋心を知られてしまいます。怒りと嫉妬にかられたフローラは、アネモネを自分の神殿から追放してしまいました。そしてゼピュロスは彼女を救いませんでした。神としても夫としても、フローラとの関係を悪化させるわけにはいかなかったからです。
その後ゼピュロスは、絶望から変わり果てた姿となったアネモネを、一輪のアネモネの花に変えたと伝わっています。
「見放された」「見捨てられた」という花言葉は、神に見初められたばかりに、悲劇の運命をたどった妖精アネモネに由来しているんだよ。
アネモネの花言葉まとめ
- アネモネ全般の花言葉:「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」
- 赤いアネモネの花言葉:「君を愛す」
- 白いアネモネの花言葉:「真実」「期待」「希望」
- ピンクのアネモネの花言葉:「待望」「待ち望む」
- 青いアネモネの花言葉:「固い誓い」
- 紫のアネモネの花言葉:「あなたを信じて待つ」「悲しみ」
次ページは11月に植え付ける花【⑥~⑩】だよ。
このとき、ヒュアキントスの額から流れた血から咲いたのが、ヒヤシンスの花だといわれているんだよ。