水仙（スイセン）の花言葉は？ナルシストという意味とも関係がある？

水仙は冬から春にかけて咲く球根植物です。スッキリとした花姿と甘い香りを持つことから高い人気を誇ります。また、見ごろの時期が年末年始にあたっているため、正月花としても用いられている花です。原産地である地中海沿岸地域に約25～30種類が自生していますが、品種改良が盛んに進められた結果、現在では1,000を超える園芸品種が誕生しています。

水仙の葉や球根には毒成分があります。食べると嘔吐、頭痛、下痢などといった中毒症状を引き起こし、最悪の場合は命にも関わるので注意しましょう。水仙の葉がニラ、球根がタマネギに似ていることから誤食してしまう例が報告されており、厚生労働省などからも注意が呼びかけられています。

ニホンスイセンは名前が示すように、日本各地で見られる品種です。日本で水仙というと、ほとんどがこの種を指します。白い花と中央部の黄色い副花冠という部分のコントラストが美しいです。早咲き系の品種で開花時期が長く、12月中旬～4月中旬まで咲き続けます。花径2.5cm～4cmと、やや小さめの花を房咲きに咲かせるのが大きな特徴です。

ラッパスイセンは全体的に黄色い花と、中央部の副花冠が大きく突き出ているのが特徴です。名前は突き出た副花冠の形状が、ラッパによく似ていることに由来しています。スペイン、ポルトガル、ドイツ、イギリスと、西ヨーロッパの地域に広く分布しており、ウェールズ（イギリスを構成している国の一つ）の国花に指定されている花でもあります。

スペイン、フランス、ギリシャを原産とする品種です。副花冠にある赤い覆輪が口紅をひいたように見えることから、この名前がつけられました。水仙のなかでは遅咲きの品種で、開花時期は3月～6月です。園芸品種もあり、副花冠の覆輪の色が濃いオレンジ色という品種もあります。

水仙全般の花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」です。どちらかというとネガティブな意味の花言葉は、後述するギリシャ神話の美少年ナルキッソスに関する伝説に由来しています。英語の全般の花言葉は「self-love（自己愛）」「egotism（自己中心、うぬぼれ）」「unrequited love（報われぬ恋）」です。これらの花言葉も、ナルキッソスの伝説が由来です。

ラッパスイセンの花言葉は「尊敬」「報われぬ恋」です。「尊敬」はラッパスイセンの特徴でもある、大きくて立派な副花冠に由来しています。「報われぬ恋」は、自分自身に恋したナルキッソスの伝説が由来です。

クチベニズイセンの花言葉は「素敵な装い」「詩人の心」です。由来は、口紅をひいたような赤い縁取りを持つ副花冠からきています。その花姿から、きれいに口紅をひいた美しい女性の姿がイメージされたのでしょう。

黄色い水仙の花言葉は「もう一度愛して欲しい」「私のもとへ帰って」です。どちらの花言葉も、ギリシャ神話でペルセポネーが冥界へ連れ去られたときの伝説に由来しています。「もう一度愛して欲しい」はペルセポネーへと向けられた冥界の神ハデスの強引な愛情、「私のもとへ帰って」は、最愛の娘ペルセポネーを奪われたデメテルの心情が由来です。

白い水仙の花言葉は「神秘」です。冬の寒さにも負けず、凛とした様子で咲く純白の美しい花にピッタリの花言葉ですね。この花言葉もあってか、白い水仙は春の結婚式のブーケや髪飾りなどに使用されています。