水引草に似た花
イヌタデは親戚
イヌタデ属としては最もよく見かける植物ではないでしょうか。田んぼや道端に生えている雑草です。秋の時期を代表する草花ですね。赤い花が穂にびっしりと付きます。アカマンマとも呼ばれおままごとの赤飯の代わりに使われることがあったため名付けられました。水引草よりも密集して花穂をつけます。
新水引は近縁種
シンミズヒキ(新水引)葉に黒斑紋のないミズヒキをシンミズヒキといいます。写真の花はそれなりの特徴を備えてはいるのですが、どうでしょう。周囲にはミズヒキがかなり繁茂しています。 pic.twitter.com/wvJ1HIGv5q
— jun.Y (@jhkk_j) October 14, 2016
新水引は水引草によく似ていますが茎が中空です。またその葉も水引草と比べると大きく毛が無く光沢を持ちます。花の形は水引と同じですが水引草より全体的に大きく密集しています。新水引と水引草を見分けるコツは葉をよく見ることでしょう。新水引の葉には毛がなく斑も入りません。
キンミズヒキは別種
同じ水引という名がついていますが金水引はバラ科で葉の形が大きく異なります。黄色の花が同じように穂状につくことから似た名前がつきました。金水引の花は水引草と比べると丸い花弁で5枚あります。またその葉はふちがぎざぎざしていて細長い形をしています。金水引は全体を乾燥させることで漢方の生薬としても使われています。下痢や止血に効果があります。
水引草の育て方
繁殖力が強い
水引草は雑草とみなされるほど繁殖力が強い植物です。場所が適していれば種を飛ばして一気に増えてしまうので開花時期には間引きの管理が必要です。種は人や動物にくっついて移動することもあります。他の植物を圧倒して一気に草むらと化してしまうので注意しましょう。増えた場合は種が飛ぶ前に花穂を刈り取ってしまいます。
水引草の育て方
どこに植えればいいの?
場所を選ばずに育ちますが、種をまいたり植え付けたりする場合は赤玉土のような保水力の高い土を使うとよいでしょう。日当たりのよい場所に置き乾燥気味に管理します。庭の木陰でも育ちますが一日のうちある程度は日の光が当たる場所に植え付けましょう。花付きが悪い場合はより日向へ移動します。斑入りの葉は日焼けしやすいので注意が必要です。
植え付けの時期は?
種から育てる場合は前年の秋にまいても問題ありません。冬越しして次の年の春には発芽して秋には花をつけます。苗から育てる場合はその年の3月から6月までに植え付けたほうがいいでしょう。
耐寒性も高い
北海道にまで自生している通り、丈夫で耐寒性も高いです。冬越しや降雪に対して注意する必要はありません。
肥料・除虫は不要
元肥・追肥とも不要です。病害虫に対しても強くほとんど発生しません。増えすぎた場合に虫の発生の温床となることがあるので適度に刈り取りましょう。また加湿には弱いので乾き気味で管理します。湿度が高すぎると根腐れを起こす場合があります。
背の高い花は寄せ植えに最適
水引草の茎が伸びて花をつける様は寄せ植えで高低差を出すのにぴったりです。メインの花の引き立て役として役立ちます。葉の斑を生かしたカラーリーフとしても楽しむことができます。育て方も簡単なのでガーデニング初心者にもおすすめの植物です。
水引草の花言葉は?
水引草の花言葉
- 祭礼
- 慶事
- 寿
- よろこび
- 感謝の気持ち
秋の誕生花
水引草は9月29日、10月17日、11月11日の誕生花です。秋の時期は水引草が花をつけ最も美しくなります。開花時期も長いので複数の日付が誕生花に定められています。
古典の中の水引草
お茶と水引草
秋の名草としてお点前で飾られる茶花の引き立て役に使われます。野草風の見た目が茶人にも愛されており、秋を代表する茶花のひとつです。水引草のすっと伸びた茎が風に揺れるさまは秋の風情を出すのにぴったりです。花は水揚げが悪く、一日ほどでぽろぽろと落花してしまいます。花が長く持たないところも儚さがあり茶席で好まれています。
和歌・俳句と水引草
水引草は様々な人物が歌に詠んでいます。その一例を紹介します。
- かひなしや水引草の花ざかり(正岡子規)
- 日の中の水引草は透けにけり(室生犀星)
- 稗草にをりふし紅くそよめくは水引草が交りたるらし(北原白秋)
まとめ
水引(ミズヒキ)は秋の時期を代表する植物です。遠くから見ると地味に見えるその花もよく観察してみると思わぬ発見がありますね。午前中の数時間だけしか花を開かない水引草。その姿を見られるだけで得をしたような気になります。花言葉も水引紐に由来した非常に縁起の良いものばかりありますし、育て方も初心者向けで育てやすいのでナチュラルガーデンに取り入れてみてはどうでしょうか。
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出典:BOTANICA