ギリシャ神話に出てくる植物2選
ギリシャ神話に出てくる植物の物語は、華やかな花の見た目に反し、どこか物悲しいものが多いのが特徴です。ここでは、ギリシャ神話に出てくる植物の代表的なものを2つ紹介します。
ギリシャ神話に出てくる植物①アザミ
美少年の羊飼いダプニスには、誰も愛せないという欠点がありました。しかし、恋の女神アフロディーテのはからいで、ダプニスはエケナイスというニンフを愛します。しかし、長続きせず、エケナイスを捨ててしまいました。その行いに激怒したアフロディーテは、ダプニスを盲目にしてしまいます。絶望したダプニスは河に身投げし、死んでしまいました。彼の死を悼み、アザミが咲いたといわれています。
アザミの基本データ
学名 | Cirsium japonicum |
科名 | キク科 |
属名 | アザミ属 |
原産地 | 北半球 |
草丈・樹高 | 50~100cm |
開花時期 | 5月~11月 |
花色 | 赤、ピンク、紫、青など |
アザミの特徴
アザミはキク科の多年草で、葉やガクにするどいトゲがあることが特徴です。そのトゲで国土を守ったという伝承から、スコットランドの国花としても有名です。開花時期は春から夏の季節で、5cmほどの赤やピンクの花を咲かせます。
アザミの花言葉
アザミの花言葉は「独立」「報復」「厳格」「触れないで」です。アザミのトゲで国土を守ったというスコットランドでの伝承や、アザミのトゲが周りを拒んでいるかのように見えることに由来しているといわれています。
ギリシャ神話に出てくる植物②水仙
美少年ナルキッソスは、その美貌でさまざまな相手からお誘いを受けましたが、冷たい態度を崩しませんでした。森のニンフのエーコーもそのひとりで、彼のあまりの冷たさに苦しみ、やせ衰え、声だけの存在になってしまいます。復讐の女神ネメシスはこれに怒り、水面に映る自分の姿に恋をしてしまう呪いをかけました。ナルキッソスは水面の自分を見つめたまま死んでしまい、その姿が水仙になったといわれています。
水仙の基本データ
学名 | Narcissus |
科名 | ヒガンバナ科 |
属名 | スイセン属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
草丈・樹高 | 20~40cm |
開花時期 | 1月~4月 |
花色 | 白、黄色、オレンジなど |
水仙の特徴
水仙は、冬から春にかけて開花する球根植物です。学名の「Narcissus」は、前述のギリシャ神話の登場人物、ナルキッソスが由来となって名づけられました。水仙の葉には毒があり、間違えて食べてしまうと嘔吐や発汗、ひどい場合は昏睡状態におちいるような中毒症状が出てしまいます。食用のニラと葉の形が似ているため、畑の近くなどで自生している場合は注意が必要です。
水仙の花言葉
水仙の花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」です。ナルキッソスの神話が由来となって、このような言葉が生まれたといわれています。