落花生とは
落花生は、南米原産のマメ科ラッカセイ属の一年草です落花生の名前は、受粉した花が地面に落ち、花につながる子房柄が土に潜って実をつける(実が生まれる)というところから付けられました。殻をむいたものはピーナッツと呼ばれ、そのほかの別名として南京豆、地豆などがあります。
旬の時期
日本では、10月初旬~11月初旬が落花生の収穫時期にあたります。収穫時期のなかでも、10月が落花生の旬です。日本では世界中から季節を問わず落花生が輸入されていて一年中楽しめますが、旬の国産のものは香りが非常に豊かで、味わい深いと評判ですよ。
落花生の茹で方
かんたんに美味しく食べられるのが塩茹でです。通常の鍋を使った茹で方、圧力鍋を使った茹で方を覚えて、落花生を調理してみましょう。
材料・道具
- 落花生(殻付きの生落花生をお好みの量)
- 鍋(または圧力鍋)
- 水(適量、鍋の大きさに合わせる)
- 塩(水の重量の4%程度)
茹で方①鍋で茹でる
落花生を洗う
まずは、殻についた土を丁寧に払い落としましょう。土の中で育つものなので、土がこびりついていることがあります。その後に水洗いして表面の細かい土や汚れを取り除いてください。土が付いていると茹でムラができたり、塩味に土の風味が付いたりする原因になります。
水・塩を入れる
鍋に水を入れます。沸騰時に吹きこぼれないように、鍋の7分目くらいまで入れましょう。水を入れたら、塩を入れます。塩味が均一になるように、水をさっとかき混ぜましょう。
落花生を鍋に入れる
落花生が水の中に浸かるように入れましょう。なかには浮いてくるものがあるので、落とし蓋をするのもおすすめです。落花生を押さえつけない、シート状の落とし蓋を活用するのもよいでしょう。
加熱してできあがり
鍋に火をかけます。まずは強火で、沸騰したら中火にして30分~40分ほど茹でます。茹で上がったら火を切って、そのまま10分ほどおいてください。この時間によって、落花生への塩味の染み込み具合が変わります。少し塩味を効かせたいときは、やや長めに時間をとりましょう。
茹で方②圧力鍋で茹でる
落花生の洗い方は、通常の鍋で茹でるときと同じです。
水・塩をいれる
圧力鍋に入れる水の量は、通常の鍋より少なめが目安です。通常は7分目あたりですが、圧力鍋では6分目の量を目安にしましょう。塩は通常の鍋と同じ割合で入れます。塩を入れたら、均一に混ざるようかんたんにかき混ぜてください。
落花生を鍋に入れる
鍋に入れた落花生が浮いてきても、圧力鍋の場合は落とし蓋の必要はありません。鍋の中は全体的に圧力がかかるので、落花生が水の上に浮いてしまっても柔らかくなります。
加熱してできあがり
まず強火で、圧力がかかったら弱火にして5分ほど加熱します。メーカーによってはおすすめの設定があるので、一度説明書に目を通しておくのもよいでしょう。火を止めて自然に圧力を抜いたら、鍋から落花生を取り出します。圧力鍋の場合、殻が黒くなることがありますが、色素がお湯に溶け出しただけで中の実に影響はありません。
ボタニ子
急に蓋を開けるのは大変危険です。圧力鍋ごとの方法で適切に圧を抜いてください。
ボタ爺
圧力なべで茹でた落花生は、普通の鍋で茹でたものよりも柔らかく、ねっとり感が強いぞ!
落花生の茹で方のコツ
コツ①水から茹でる
落花生は、水から茹でたほうが美味しく仕上がります。豆類共通ですが、水から茹でると表面と内部の温度差が少なくなり、均一に茹でられます。茹で時間を短縮したい場合は、お湯から茹でたほうが早くできあがりますが、実の芯が硬くなる可能性が高めです。時間がある場合は、水からが茹でることを基本にしましょう。
コツ②大きな鍋を使う
落花生は大きめの鍋で茹でましょう。小さな鍋で茹でると、落花生が鍋の中で積み重なった状態になり、茹でムラができます。また多くの水を使ったほうが沸騰後の温度が安定し、湯温が急激に上がったり下がったりすることがありません。実の内部まで熱が伝わりやすくなるので、大きめの鍋で茹でるのもコツのひとつです。
コツ③茹で加減は食べて調整
落花生は殻付きなので、見た目で茹で加減を判断するのは難しいです。茹でている間に1つか2つ食べてみて、茹で加減を確認してください。しかし、圧力鍋の場合は途中で食べてみるのが難しいでしょう。圧力鍋を使って茹でるときは、柔らかく仕上げるときに使うのがおすすめです。
茹で落花生の保存方法
茹でた落花生は、長期保存できる冷凍保存がおすすめです。冷凍保存の場合は、殻を取りましょう。しっかり空気を抜いて、水気を切らずに濡れたまま冷凍用の保存袋に入れてください。水気を切ると塩味が薄まります。
解凍するときは?
冷凍した茹で落花生を解凍する場合は、自然解凍で問題ありません。常温で2時間程度、冷蔵庫に移して3時間程度が目安です。急いで解凍したいときは、電子レンジを使用しましょう。600Wで1分程度加熱してください。熱湯でもかんたんに解凍できますが、熱湯をかけることで塩味が落ちる可能性があります。
茹で落花生の食べ方
サラダ
茹でた落花生の実をそのままサラダにとピングしましょう。シンプルなサラダに、主役級の味わいが加わります。食べ応えもあり、満腹感も高まりますよ。
和風の煮物
和風の料理にも、茹で落花生は使えます。茹で落花生を少し歯ごたえのある状態で作り、筑前煮や肉じゃがなどの和風の煮物の途中に入れてみましょう。ほかの具材と一緒に煮込んでも、大豆のように美味しく食べられます。汁が染みこんだ落花生の味わいは格別ですよ。
落花生の種類
日本の落花生の8割近くが、千葉県で生産されています。そのため、国内では千葉県が落花生の名産地として有名です。
郷の香
郷の香は「さとのか」と読みます。中粒で、茹で落花生に適するように改良された品種です。殻は白く渋みも少なく、茹でると甘みが増します。
おおまさり
おおまさりは平成21年完成の、比較的新しい品種です。日本の中手豊とアメリカのジェンキンスジャンボを掛けあわせて誕生しました。非常に大粒で、柔らかくて甘みがあり、まろやかなので、おおまさりも茹で落花生に向いています。
千葉半立
千葉半立は「ちばはんだち」と読みます。比較的小粒な品種で、甘みが強く濃厚な味わいです。栽培は難しく、その分高価で収穫量も少なめです。その名のとおり千葉県を代表する品種で、国産品種の中では最高級品と評されています。
中手豊
中手豊は「なかてゆたか」と読みます。やや大粒、白い殻で見た目がきれいな品種です。あっさりとした味わいで、贈答用としてよく使われています。収穫量も多いので比較的安価です。
Qなっつ
Qなっつは、平成30年に販売された新しい品種です。「Pナッツを超す」という意味でQなっつと名付けられました。やや大粒で、甘味がありつつ、あっさり感も楽しめます。新しい品種ですが、価比較的安価で病気にも強いです。
落花生を茹でて美味しく食べよう
炒って食べることの多い落花生は、茹でても美味しく食べられます。おやつだけでなく、食事のおかずにも向いており、食卓のバリエーションも広がりますよ。これまでの食べ方だけでなく、しっとりした食感の茹で落花生もぜひ味わってみてくださいね。
出典:写真AC