ぎんなんとは
銀杏(ぎんなん)とは、イチョウの木にできる実です。イチョウは雌雄異株で銀杏ができるのは雌株のみです。雄株1本あれば大量の細かい花粉により周囲400本の雌株に銀杏ができます。銀杏はじつは実ではなく種のなかにある「仁」(じん)と呼ばれる部分です。匂いがきつい実の部分をとりのぞき、外の硬いカラをはずして中の薄皮をとったものを食べます。
基本情報
学名 | ginkgo biloba |
科属 | イチョウ科イチョウ属 |
形態 | 落葉性高木 |
原産国 | 中国 |
別名 | ギンキョウ |
特徴 | 雌雄異株 |
ぎんなんの簡単な外皮の剥き方
剥き方①ペンチ
ぎんなんの外皮の剥き方で一般的なのがペンチ、ヤットコなどを使って割る方法です。ぎんなん割り器という専用の道具も出回っているようですが、家にあるものでよいでしょう。力を入れ過ぎると中の実までつぶれてしまうので、加減しながらようすを見てヒビを入れます。新聞紙や包装紙などに広げて剥くとカラが散らかるのを防げます。
ボタニ子
キッチンばさみの根本にギザギザがついているものであれば、硬い外皮を剥けるわ。飛んでいっちゃうこともあるから気をつけてね。
剥き方のコツ
ペンチやヤットコなどを使った割り方のコツは、ぎんなんにぐるりと入っている線をはさんでそっと力を込めることです。つるつるの部分をはさむとぎんなんはつぶれやすくなります。線をはさんで力を加えると、くす玉に割れ目が入るようにヒビが入って剥きやすくなります。
剥き方②かなづち
外皮はかなづちや麺棒でたたいて割る方法もあります。タオル、割りばし、輪ゴムを用意します。そのまま割ってもよいのですが、あやまって手をたたいてしまう可能性もあるので「ぎんなんはさみ」を作りましょう。タオルを下にしいて、はしの割れているほうにぎんなんをはさんで上からかなづちや麺棒でたたくと剥きやすくなります。
材料
- 割ってない割りばし:2本
- 輪ゴム:数本
作り方
- 割ってない割りばしの太いほうを重ねる
- 輪ゴムでぐるぐる巻きにして固定する
- 割れているほうにぎんなんをはさむ
剥き方のコツ
ペンチやヤットコで割るときと同じように、ぎんなんにぐるりと入っている線を叩くのがコツです。とがっているほうを上にして割りばしにはさみ、上からたたきます。1つ目にヒビが入ったらその間にハサミや金属製の定規などをはさみ、ねじるとより簡単に剥けます。それ以降は剥いた外皮を使うとよいでしょう。
剥き方③ドア
ぎんなんが手に入ったけれど、上記の道具がまったくないこともあります。そんなときはドアで剥く方法もあります。イレギュラーではありますが、外の硬い皮を剥くには力の加減もしやすいので意外に使える方法です。蝶番(ちょうつがい)がついているほうにぎんなんをはさんで、そっとドアを閉めます。手をはさまないように注意してください。
剥き方のコツ
ドアに手をはさまないように先ほどのぎんなんはさみを使うのがコツです。力をこめなくてもよいのでつぶれる心配がありません。下に新聞紙や包装紙をしいておくとカラが散らばらずにすみます。ドアがくさくなる可能性もあるので、全部にヒビを入れたらきれいに拭いておきましょう。
ボタニ子
全部の剥き方に共通するけど、いっきに全部にヒビを入れてあとからまとめて剥くと効率がいいわね。
ぎんなんの簡単な薄皮の剥き方
剥き方①ふやかす
ぎんなんの外の硬い皮がきれいに剥けたら今度は中の薄皮をきれいに剥きましょう。たっぷりのお湯にぎんなんを入れて、さめるまでふやかします。お湯がさめたら指の腹でやさしく転がすように皮をきれいに剥きましょう。強くこするとぎんなんがつぶれてしまうので注意してください。
剥き方のコツ
ぎんなんをふやかすのにお湯を使うのが剥き方のコツです。じつは水につけてふやかしても問題ありませんが、お湯のほうがよりよくふやけきれいにつるりと剥けます。さめるのが待ち遠しい方はぬるま湯でもいいですが、すぐに加熱するのであればお湯を使うのがおすすめです。
ボタニ子
ぎんなんを茹でても薄皮が剥けるわ。穴のあいたフライかえしや菜箸でころころと転がしながら加熱するときれいに剥けるわよ。
剥き方②炒る
外皮を剥いたぎんなんをフライパンに入れ、菜箸でやさしく転がしながら炒ると薄皮が乾燥してぱちぱちと音をたてます。加熱時間が7分~8分と長い乾煎りなので高温になります。テフロン加工のフライパンは傷む可能性があるので、ステンレス製や鉄製のフライパンを使用してください。熱いうちにキッチンペーパーで軽くこすると気持ちよく剥けます。
剥き方のコツ
菜箸でやさしく転がしつつ音がでるまで乾燥させるのがきれいに剥くコツです。なかなか音がしないからといって激しく転がすとかえって薄皮がこまかくやぶれて剥きにくくなってしまいます。やさしく転がしていると気持ちよく大きな薄皮がとれますので辛抱するのもコツのひとつです。
ぎんなんの焼き方
方法①電子レンジ
封筒にぎんなんを入れて電子レンジで加熱する方法です。ヒビを入れておいた方がよいですが、そのままでも加熱できます。丈夫な封筒を霧吹きで少しぬらしぎんなんを入れたところまでぎりぎりに折りこみます。できればもう1枚封筒に入れると安心です。電子レンジの機種にもよりますが目安は1分です。破裂音がしたら1回開けてみましょう。
ボタニ子
電子レンジが特に簡単な加熱方法だけど、ムラができたり破裂しちゃったりするのが難点ね。何回かチャレンジしてみてね。
方法②ぎんなん炒り器
外皮がついていてヒビも入っていない状態でぎんなん炒り器に入れて中火にかけます。ほうっておくと焦げてしまうので、炒り器をふり続けてください。3分ほどたったころにいくつかはじけます。はじけたら火からおろしてさらに1分ほどふり、冷めてからペンチやヤットコ、調理ばさみの根本などで皮を剥いて食べましょう。ヒビを入れておいたほうが食べやすいです。
- 外皮なしのぎんなんを炒る場合は、薄皮をフライパンでとる方法と同じです。
方法③圧力鍋
圧力鍋は大量のぎんなんを加熱して皮を剥くのに向いています。ぎんなんを好きなだけ圧力鍋に入れ、たっぷりの水を入れます。圧力鍋の説明書に書いてある量にしてください。加圧してピンが回りだして弱火にしたら8分で減圧します。お湯からぎんなんを出し軽くペンチやキッチンばさみなどではさみましょう。やわらかくなっているので簡単に皮がむけほっくりしたぎんなんができます。
方法④揚げる
外皮を剥いて薄皮のついたぎんなんを揚げましょう。フライパンに大さじ1くらいの油を入れてぎんなんを転がすだけで、勝手に薄皮がむけて透明感のある黄色や緑の揚げぎんなんができます。器具や火加減にもよりますが、だいたい2分でできあがります。油の量が少ないので焼き方としては揚げ焼きといった感じです。
ぎんなんのおすすめの食べ方
レシピ①ぎんなん入りお好み焼き
材料(2人分)
- 薄力粉:100g
- 水:100㏄
- 小エビ:20g
- 切りイカ:20g
- 加熱済銀杏:20個
- 卵:1個
- キャベツの千切り:100g
- 油:適量
- ソース:適量
- マヨネーズ:適量
作り方
- 油以外の材料をボールで空気をふくませるようにふんわり混ぜる
- 鉄板やホットプレート、フライパンに油をひいて焼く
- マヨネーズやソースをかけて完成
レシピ②ぎんなん入り玉子焼き
材料(2人分)
- 卵大:2個
- 加熱後粗みじんにしたぎんなん:20個
- 麺つゆ:適量
- 油:適量
作り方
- 油以外の材料をすべてボールに入れてかき混ぜる
- たまご焼き用のフライパンに油をひいて玉子焼きをつくる
ぎんなんを上手に剥いておいしく食べよう
ぎんなんは皮さえ剥ければ和洋中どんな食べ方にも使える食材です。皮の剥き方も1つではなく、いくつもあるので自分にあった方法を探すと大量に手に入ったときに便利です。しかし、1回に大量に食べると中毒を起こす可能性もあるので、適量を守ってください。旬に手に入ったぎんなんを皮を剥き加熱して冷凍保存すれば、半年はもつので長く楽しめます。
出典:写真AC