ナタデココとは
ナタデココの特徴
ナタデココとは、寒天のような見た目と独特な歯ごたえが特徴のフィリピンの伝統食品です。フィリピンでは「ハロハロ」と呼ばれるかき氷の上に、タピオカやアイスクリームと共にトッピングされています。日本でもさっぱりとした味わいが支持され、暑い時期のおやつとして高い人気を誇っています。
ナタデココの語源
ナタデココの語源は、スペイン語の「Nata・de・coco(ナタ・デ・ココ)」です。「ナタ」は「浮遊物・皮膜・クリーム」などを、「ココ」はココナッツを意味します。つまり「ナタデココ」を直訳すると「ココナッツの上澄み皮膜」になります。
ナタデココの歴史
ナタデココはフィリピン発祥の食べ物ですが、当初はココナッツではなくパイナップルから作られ「ナタデピーニャ」と呼ばれていました。パイナップルの収穫時期以外も食べたいとの要望から、ココナッツを使用したナタデココが作られ始めます。試行錯誤を繰り返し、1973年にナタ菌を使った今の形のナタデココが生まれました。
ナタデココの日本での流通の歴史
1970年代にデルモンテ社がナタデココをフルーツ缶に入れて販売したのが、日本のナタデココの流通の始まりです。不思議な食感のナタデココは、日本の人々をも魅了しました。ナタデココブームの火付け役となったのは、1992年に夏のメニューに取り入れたデニーズです。以降さまざまな商品が生み出され、現在でも高い人気を誇っています。
ナタデココの原料や味について
ナタデココの原料
ナタデココの原料は、ココナッツウォーター、水、ナタ菌、砂糖です。ココナッツウォーターは若いヤシの実の内部に蓄えられた水のことで、低カロリーであることが大きな特徴です。ナタ菌とは、「アセトバクター・キシリナム」と呼ばれる酢酸菌の一つで、食物繊維の一種である「バクテリアセルロース」を増やす働きをします。
ナタデココの作られ方
- ココナッツウォーター、水、ナタ菌、砂糖を混ぜる
- 温度管理された場所で、7日~10日ほど発酵させる
- 上部に半透明の5mm幅のかたまりができたら取り出す
- 小さくサイコロ状にカットする
- 90℃以上の高温で蒸す
ボタニ子
ナタデココって発酵食品だったの!?
ボタ爺
そうじゃよ!仕上げに高温で蒸すことでコリコリとした独特の食感に仕上がるんじゃ。
ナタ菌は日本で購入できますか?
ナタ菌は、フィリピン政府によって厳しく管理されています。現状では、正式な海外輸出はされていません。
ナタデココの味や食感
ナタデココの食感はイカの刺身やグミに例えられることが多く、寒天に弾力を加えたような歯ごたえを持っています。クセがなく食べやすいのが特徴で、製造過程で砂糖が加えられるので、ナタデココ自体は甘いものが多いです。
ナタデココの栄養価と効能
栄養①水分
ナタデココに含まれる成分の99%は水分です。水分含有量は、水分が多いことで知られているスイカやレタスよりも多く、美肌効果が期待されています。カロリーは100gあたり73kcalで、ナタデココ1粒(約3g)あたり2kcalです。低カロリーなことから、ダイエットや肥満解消のサポート食品としても人気です。
ナタデココの食品成分(可食部100gあたり)
エネルギー | 73kcal |
水分 | 79.7g |
たんぱく質 | 0g |
脂質 | Tr |
炭水化物 | 20.2g |
灰分 | Tr |
食塩相当量 | 0g |
廃棄率 | 0% |
栄養②セルロース
セルロースは不溶性食物繊維の一種で、ナタデココの成分の1%を占めています。ナタデココに含まれるセルロースは「バクテリアセルロース」と呼ばれ、血中のコレステロール値を下げ腸の動きをよくするといわれています。便秘解消や大腸の環境改善などの効果が期待でき、生活習慣病予防やダイエットしたい人に嬉しい成分でしょう。
食物繊維の必要性と健康 » 食物繊維は消化・吸収されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分です。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっています。現在ではほとんどの日本人に不足している食品成分ですので、積極的に摂取することが勧められます。
栄養③ミネラル
ナタデココには、100gあたり0.1gに満たない量ではありますが、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなどのミネラルが含まれています。ミネラルは体の細胞や骨を形成のために大切な成分です。美容に効果も期待できるため、女性に嬉しい成分でしょう。
ナタデココのおすすめの食べ方
食べ方①ナタデココゼリー
材料(4人分)
- ナタデココ:1袋(180g)
- オレンジジュース:280mL
- グラニュー糖:50g
- 粉ゼラチン:5g
- お湯:15mL
作り方
- 小さな容器にお湯を入れ、粉ゼラチンを振りかけ溶かす
- ナタデココをゼリーカップに均等に入れる
- 小鍋にオレンジジュースとグラニュー糖を入れ火にかける
- グラニュー糖が溶けたら、1を加えて混ぜながら溶かす
- 2に4を適量ずつ注ぎ入れる
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やして完成
ナタデココゼリーを作るときのポイント
- 大きめ容器を使用して、まとめて作っても構いません
- ゼラチンを入れた後は、沸騰させないように注意しましょう
食べ方②ナタデココ入りフルーツポンチ
材料(4人分)
- ナタデココ:1缶(110g)
- オレンジ:1個
- キウイフルーツ:1個
- イチゴ:1/2パック(半分にカットする)
- 水:200mL
- グラニュー糖:40g
- 白ワイン:50mL
- キルシュ:5mL
- レモン果汁:5mL
作り方
- ナタデココはザルにあげて汁気をきっておく
- オレンジは薄皮をむき半分に、キウイフルーツは食べやすい大きさにカットする
- 小鍋に水とグラニュー糖を入れ火にかける
- グラニュー糖が溶けたら小鍋を火からおろし、粗熱を取る
- 白ワイン、キルシュ、レモン果汁を加えかき混ぜる
- 大きめのボウルに5とフルーツを全て入れ、冷蔵庫で1時間以上冷やす
フルーツポンチを作るときのポイント
- フルーツは、お好みのものを使用してください
- 子供にはアルコールの代わりにサイダーを使いましょう
食べ方③ナタデココ入り杏仁豆腐
材料(3~4人分)
- 市販の杏仁豆腐の素:1袋
- 熱湯:150mL
- 牛乳:300mL
- キウイフルーツ:1個
- 黄桃または白桃の缶詰:1/4缶
- ナタデココ:1パック(110g)
- レモン果汁:小さじ2
- 杏露酒:大さじ1/2
作り方
- ナタデココとシロップをそれぞれ別容器に分けておく
- キウイフルーツと黄桃(白桃)は、食べやすい大きさにカットする
- ボウルに杏仁豆腐の素を入れ、熱湯を注ぎ、泡だて器でよく混ぜる
- 3に牛乳を加えてよく混ぜる
- ゼリーカップなどに4を均等に流し入れる
- 粗熱が取れたら5を冷蔵庫に入れ、冷やし固める
- フルーツと1のシロップ、レモン果汁、杏露酒を混ぜあわせ、冷蔵庫で冷やす
- 杏仁豆腐が固まったら、7をトッピングして完成
ナタデココ入り杏仁豆腐を作るときのポイント
- 子供向けに作りたい場合は、杏露酒は省きましょう
- レモン果汁を加えることでさっぱりします
- フルーツはお好みのもので構いません
ナタデココを食べるときの注意点
注意点①カロリーに気をつける
ナタデココ自体は低カロリーですが、砂糖を使用しているため注意が必要です。商品によって砂糖の使用量が違うので、購入する際は砂糖含有量を確認することをおすすめします。食べ過ぎないよう、適度な摂取量を心がけましょう。
注意点②食べすぎない
ナタデココに含まれるセルロースは、消化しにくいという特徴を持っています。セルロースは腸の動きを活性化させる働きをしますが、過剰摂取すると消化できずに胃の痛みやお腹が緩くなるなどの症状を引き起こす恐れがあります。食べすぎには注意しましょう。
注意点③アレルギーに気をつける
ナタデココはココナッツウォーターが主な原料なので、ココナッツにアレルギーがある人は注意が必要です。それほど強いアレルギー症状を引き起こすことは少ないですが、ココナッツにアレルギーを持っている人は、食べる前に医師に相談しましょう。
ナタデココは美容と健康の味方!
ナタデココは、食感が面白く、食べるとやみつきになる不思議な食べ物です。低カロリーなだけでなく、美容や健康に欠かせない水分が豊富な点も魅力です。コンビニやスーパーなどで手軽に手に入るので、ぜひ低カロリーなおやつとして食べてみてくださいね。
出典:写真AC