良質なファットウッドの見分け方
見分け方①木の種類に気をつける
良質なファットウッドを手に入れたいのなら「赤松」を探しましょう。日本に多く生息している「黒松」との見分け方はとても簡単です。幹が赤っぽく葉の冬芽が茶色いのが赤松、幹が黒く葉の冬芽が白いのが黒松です。葉の見た目はそっくりですが、先端を触ってみても違いがわかります。赤松の葉は軟らかく痛くないのに対して、黒松の葉は硬くチクチクしています。
杉との見分け方
日本の山には松以外にも見た目がそっくりな木が多く存在しており、ファットウッドを探す際は注意が必要です。特に杉はよく似ているため気をつけましょう。見分け方のポイントは、葉のついている枝を観察することです。杉は枝も葉と同じ緑色をしていますが、松の枝は茶色です。また、杉はまっすぐに伸びるのに対して、松は自由に曲がる特徴を持っています。
見分け方②切ってみる
赤松の倒木や立ち枯れの木を見つけても、外から眺めるだけではファットウッド化しているかわからないため、ナイフやノコギリで切ってみましょう。表面が腐っていたとしても、内部はきれいにファットウッド化していることもあります。ファットウッドのある部分はきれいなあめ色をしており、切ってみるとすぐにわかります。
見分け方③香りを嗅ぐ
松ヤニは強い香りを持っているため、ファットウッド探しの際には香りも確認してみましょう。倒木や立ち枯れの木は、折れた部分から香りが漂います。ファットウッドは内部にあるため、外から香りを嗅ぐよりも、ナイフなどでカットしてから嗅ぐとわかりやすいです。松ヤニの香りは杉やヒノキに似ていますが、さらに刺激の強いツンとした香りが特徴です。
見分け方④叩いてみる
特に立ち枯れの松の木からファットウッドを採取する際におすすめなのが「叩いてみる」ことです。木の下のほうにある枝の付け根をナイフやノコギリで叩いてみましょう。カンカンと甲高い音がすると内部にファットウッドが詰まっている可能性が高いです。叩くだけで判断ができるため、特に初心者の人におすすめの方法です。
ボタニ子
ボタ爺
立ち枯れしていない木でも、下のほうの枝は枯れてファットウッド化していることがあるぞ。よく観察してみるんじゃ!
見分け方⑤水に浮かべてみる
採取したものが良質なファットウッドか知りたいのなら、水に浮かべてみるのもおすすめです。採取した木の樹皮を削って水に浮かべてみましょう。良質なものほど松ヤニの含有量が高いため、水によく沈みます。反対に簡単に浮かんでしまうものは、ファットウッド化が進んでおらず松ヤニ含有量が少ないといえます。
ファットウッドは水に濡れていても使えますか?
ファットウッドは火付きがよいため、多少濡れていても比較的簡単に着火します。良質なファットウッドか判断するために水に浸けたとしても、短時間であれば問題ありません。雨の日や湿気の多いときにも重宝します。湿っていることが気になるようであれば、一晩乾かしてから使いましょう。
ファットウッドの採取方法
①松の倒木を見つける
ファットウッドを採取するには、まず松の木を見つけなくてはいけません。倒木や立ち枯れの木を探しましょう。立っている松の木から採取するよりも倒木のほうが扱いやすく、特に初心者の方は倒木を見つけることをおすすめします。常にあるものではないため、見つけるのには時間がかかることもありますが、自然の中を散策しながら楽しく探しましょう。
②ファットウッド化しているか確認する
松の木の倒木や立ち枯れの木を見つけたら、ファットウッド化しているか確認します。松ヤニは木の下のほうに溜まりやすいことから、下のほうについている枝をナイフやノコギリで叩いたりカットしたりしてみましょう。木は重いため、やみくもに拾い集めるよりも、一つひとつファットウッド化しているか確かめつつ採取するほうが効率的です。
③枝を切り落とす
ファットウッド化を確認したら、ナイフやノコギリで切り落とします。ファットウッドは硬く切り落としにくいですが、焦らずゆっくりと刃を動かしてください。あまり早く刃を動かすと熱で松ヤニが溶けて刃に付着してしまいます。松ヤニのベタベタはなかなか落ちないため、熱を帯びないようにゆっくりと作業することが大切です。
④不要な部分を削る
枝を切り落としたら、ナイフを使ってファットウッドの周りの不要な部分を削っていきます。あめ色の部分を残して削っていくためファットウッドの状態によってはかなり小さくなりますが、主に着火剤として使うため小さくても大丈夫です。採取時にその場で不要なものを削ることで、扱いやすくなるだけでなく、持ち運びにも便利になります。
⑤保存する
その場で使わない分は、持ち帰って保存しておきましょう。ファットウッドは腐らないこともあり、保存方法は特に選びません。ただし、暑い時期には熱によって松ヤニが溶け出し、周りを汚すこともあるため、夏は保存方法に注意が必要です。防水できるビニール袋や、空き缶などに入れておくことをおすすめします。
ボタ爺
松ヤニの香りが気になるなら、密閉袋や容器を使った保存方法がおすすめじゃよ!虫に食われることもないから、外での保管も可能なんじゃ。
ボタニ子
外に置くときは、雨ざらしにはしないほうがいいよ!保存方法を気にしすぎる必要はないけど、自分にあった保存方法でしっかり管理してね!
ボタ爺
次は、ファットウッドの使い方について説明していくぞ!
せっかく切ったのにファットウッドじゃなかったらがっかりするよね。叩いてみてから切ることで、だいぶ楽に作業ができるよ!