赤唐辛子とは
赤唐辛子とは実の色が赤い唐辛子のことです。唐辛子は世界各国の料理のレシピにも登場していて、辛みと風味を活かした使い方で人気の野菜です。唐辛子は品種によって、あまり辛くないものもあれば、一口食べると口の中が痛くなるほど辛いものもあります。近年では激辛ブームの影響もあり、昔から日本で栽培されている品種に加え、世界の唐辛子が気軽に味わえるようになりました。
基本情報
科目 | ナス科トウガラシ属 |
園芸分類 | 野菜 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
開花時期 | 6月~10月 |
旬の時期 | 7月~11月 |
学名 | Capsicum annuum L. |
英名 | Red pepper、Chile pepper |
別名 | 蕃椒(ばんしょう) |
唐辛子の歴史
唐辛子は紀元前6500年~5000年ごろには、すでにメキシコで栽培されています。15世紀のアメリカ大陸発見後にヨーロッパへ伝わり、その後インドや中国にも伝わりました。日本に入ってきたのは16世紀~17世紀頃で、江戸時代にはすでに七味唐辛子が売られていた記録があります。乾燥させると長期間保存でき、長い船旅でも風味が落ちなかったため、またたく間に世界中に広まったと考えられています。
辛み成分「カプサイシン」
赤唐辛子の特徴である辛みのもとは、カプサイシンという物質です。カプサイシンを適量摂ると代謝や血行がよくなり、食欲が増す効果があるとされます。カプサイシンが蓄えられているのは、実の中の種が付いている白いワタの部分です。生の赤唐辛子の果肉はそこまで辛くないものが多いですが、乾燥させるとワタの部分が砕けてカプサイシンが全体に浸みこむため、果肉まで辛くなります。
赤唐辛子と青唐辛子の違い
唐辛子には赤唐辛子と青唐辛子がありますが、赤唐辛子のなる株と青唐辛子のなる株が別々にあるわけではありません。1本の唐辛子の株から、赤唐辛子と青唐辛子が収穫できます。赤唐辛子と青唐辛子の違いを押さえ、用途に応じて使い分けましょう。
違い①成熟の度合い
赤唐辛子と青唐辛子の違いは成熟の度合いです。唐辛子の花が咲いた後にできる緑色の実が青唐辛子で、赤唐辛子とはその実が完熟したものです。収穫するタイミングが早いものが青唐辛子、遅いものが赤唐辛子と覚えておきましょう。必ずしも完熟しているものが辛いわけではなく、どちらが辛いのかは品種によって異なります。
違い②加熱したときの辛み
赤唐辛子と青唐辛子は、加熱したときの辛さに違いがあります。赤唐辛子は加熱すると辛みが増すものが多いですが、青唐辛子は加熱すると辛みが和らぐものが多く、ほのかに甘みを感じられるものもあります。加熱によって辛さが変化するため、料理にあわせて使い方を工夫してみましょう。
違い③旬の時期
成熟度が異なる赤唐辛子と青唐辛子は、旬の時期も違います。青唐辛子は苗の植えつけから約45日後に収穫でき、旬は7月~9月です。一方で赤唐辛子は成熟に時間を要するため、収穫できるのは植え付けから約75日後で、旬は9月~11月です。旬の時期を逃さずに、生の唐辛子のフレッシュな辛みを楽しみましょう。
違い④保存方法
赤唐辛子も青唐辛子も生のものは水分が多く含まれるため、日持ちは1週間程度です。しかし赤唐辛子は乾燥させると長期保存が可能です。風通しのよい場所で、吊り下げたりざるにのせたりして乾かしましょう。青唐辛子を乾燥させるとしだいに赤くなり、特徴である緑色が失われてしまいます。青唐辛子の色を保ったまま保存したいときには、冷凍庫での保存がおすすめです。
赤唐辛子と鷹の爪の違い
日本で売っている赤唐辛子を指す言葉として、鷹の爪が使われることがありますが、実際のところ赤唐辛子と鷹の爪は同じではありません。赤唐辛子と鷹の爪の関係を覚えておくと、唐辛子を選ぶときにも役立ちます。
鷹の爪は赤唐辛子の品種のひとつ
鷹の爪は赤唐辛子の数ある品種のひとつです。細長く先端が曲がっている形が鷹のかぎ爪に似ていることから、この名前がつきました。鷹の爪は日本が原産で、約6cmと小ぶりの実が房になって上向きにつくのが特徴です。鷹の爪は日本で栽培されている赤唐辛子のなかでは辛みが強い品種ですが、日本料理と相性がよく、輪切りや粉末にして少量添えると素材の味が引き立ちます。