赤唐辛子の料理以外の用途4選
世界の料理のレシピで使われている赤唐辛子には、料理に使う以外の用途もあります。なかでも日々の暮らしやガーデニングで役に立つ便利な使い方を紹介します。
唐辛子に触れるときには注意!
- 唐辛子の中の種やワタに触れると、皮膚に炎症が起きることがあります。扱うときには、念のため手袋をすると安心です。
用途①米びつに入れる
米に発生する虫に効果あり
米は日本人の主食であり、多めに備蓄している家庭もありますが、梅雨の季節や夏になるとコクゾウムシやノシメマダラメイガが発生しやすいです。赤唐辛子は米につく虫を寄せつけない効果があるため、赤唐辛子を入れた米びつを風通しのよい場所か冷蔵庫で保管しましょう。
忌避成分「テルペノイド化合物」
赤唐辛子が防虫効果を発揮するのは、赤唐辛子に含まれるテルペノイド化合物の働きによるものです。テルペノイド化合物は柑橘系の香りをしていますが、虫はこの香りを嫌うため寄りつかなくなります。テルペノイド化合物は人間には無害で、赤唐辛子と一緒に保管しておいた米の味や安全性に影響はありません。
赤唐辛子の使い方
使い方は簡単で、米の上に乾燥させた赤唐辛子をのせるだけです。そのまま置いて問題ありません。赤唐辛子が折れたり、米と混ざったりするのが気になるときには、赤唐辛子をティーバッグ用の袋に入れてから米の上に置いてもよいでしょう。米10kgに対して赤唐辛子5本を目安に使用します。1カ月ほどで効果が薄れてくるため交換しましょう。
ボタニ子
米びつに入れる赤唐辛子は必ず乾燥したものを使ってね。生の赤唐辛子には水分が多く含まれているから、カビが発生することがあるよ。
用途②害虫駆除スプレーに使う
アブラムシの駆除に効果あり
赤唐辛子の辛み成分であるカプサイシンをアブラムシが嫌うため、カプサイシンが入った液体を植物にスプレーすると、アブラムシが寄りつかなくなります。アブラムシはウイルスを媒介するため、見つけたら早めに退治する必要があります。アブラムシ駆除の薬剤は市販されていますが、無農薬で花や野菜を育てたい方には、手軽に作れる赤唐辛子スプレーがおすすめです。
スプレー液の作り方
ガラス瓶にアルコールと赤唐辛子を入れ、蓋をしっかりしめて冷蔵庫など冷暗所に1カ月以上置いておくと、スプレーの原液ができあがります。スプレーするときは水で300倍に薄めます。水300mLと原液1mLをスプレーボトルに入れましょう。
ボタニ子
カプサイシンは水には溶けませんが、油やアルコールには溶ける性質があります。唐辛子スプレーはこの性質を利用して作ります。
スプレー液の使い方
スプレーは1週間に数回使用できるため、朝夕の水やりのときに葉の表と裏に1回ずつ噴霧するとよいでしょう。赤唐辛子スプレーは刺激が強く、吸いこんだり触れたりすると、のどや肌に痛みを感じることがあります。作業中はマスクや手袋、眼鏡を着用し、風上から噴霧しましょう。
用途③コンパニオンプランツとして植える
コンパニオンプランツとは
コンパニオンプランツとは、種類の違う植物を一緒に育てるときに互いによい効果を与える植物のことです。それぞれの植物が持つ特徴を上手に利用すると、病気や害虫の発生を抑えられます。赤唐辛子に含まれるカプサイシンは虫が嫌う物質のため、赤唐辛子を植えておくと周りの植物に害虫がつきにくくなります。
赤唐辛子の植え方
4月下旬~6月上旬に、赤唐辛子の苗を購入して植えましょう。本葉が8枚~10枚程度あり、節と節の間が狭く、全体的に太くてがっちりしている苗を選びます。できれば一番花が付いている苗を選ぶとよいでしょう。植えるときは、土に植え穴をあけ、ジョウロで水を入れます。水が引いたらポットから抜いた苗を穴に入れ、土をすき間に入れて植えつけます。
狭い庭には鉢植えもおすすめ
庭に赤唐辛子を植えるための十分なスペースがないときは、鉢植えの唐辛子を植物の周りに置くだけでも効果があります。カラフルな観賞用とうがらしも売られており、ほかの花と一緒に寄せ植えにして楽しむのもよいでしょう。観賞用とうがらしには食用には適さない農薬が使われている可能性があるため、食べるのはやめましょう。
用途④リースにする
赤唐辛子もリースも魔除けの意味を持つ
クリスマスが近づくと玄関先に飾られるリースには、魔除けの意味や、豊作と新年の幸福を願う意味があります。リースの飾りに赤唐辛子を使ってみましょう。古くから中国などアジアの国々では、唐辛子に魔除けの効果があると信じられていました。幸せをもたらす唐辛子のリースを手作りして、心穏やかにクリスマスを迎えましょう。
リースの作り方
リース作りで用意するもの
- リース台
- リースワイヤー
- グルーガンか木工用ボンド
- 赤唐辛子
- 好みの植物(マツ、モミ、ゲッケイジュなどの常緑樹)
- 好みの飾り(松かさ、木の実、ベルなど)
リースの土台となるリース台に、赤唐辛子と好みの植物をリースワイヤーで巻き付けていきます。全体のバランスを見ながら、松かさなどの飾りをグルーガンやボンドで付けてもよいでしょう。マツやモミの葉と赤唐辛子のリースは、緑と赤のコントラストが際立ちます。また赤唐辛子だけで作った真っ赤なリースは、存在感があり目を引きます。
赤唐辛子を上手に利用しよう
激辛レシピの必須食材としてクローズアップされる赤唐辛子は、種類や完熟度、料理法などの違いでさまざまな辛さを味わえます。また料理以外の用途も広く、身近なところで活躍してくれる野菜です。食卓で辛さを楽しめて、さらに日々の暮らしのなかでも便利に使える赤唐辛子を積極的に活用していきましょう。
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出典:写真AC