はじめに
夏の風物詩であるスイカ。育ててみたいけど、なんとなく難しそうというイメージの方が多いかもしれませんが、スイカの栽培は意外と簡単なものです。家庭菜園でスイカを栽培すれば、採れたての瑞々しいスイカを食べられます。こちらの記事では、スイカの栽培について苗作りから収穫までをご紹介していきます。甘いスイカを作るポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
スイカの育て方①苗作り
スイカの苗はホームセンターなどで購入もできますが、より多くの品種の中から自分で苗を作れば好みの品種を選ぶことができます。大きさや形、果肉の色などさまざまで、苗を育てる楽しさもあります。もちろん、苗を購入すれば手軽に栽培できますので、ご自身のスタイルに合わせて選んでみてください。
種まき
4号のポリポットに市販の種まき用土を入れ、種を2~3粒ずつまきます。軽く土を被せて掌でしっかりと鎮圧し、たっぷりと水やりをしましょう。気温が低い時期は発泡スチロールの箱などにポリポットを入れ、ビニールをかけておくと温度が保たれ、発芽や生育がよくなります。
間引き
本葉が2~3枚に成長したら、一番生育のよい1株を残して間引きをしましょう。その後、本葉が4~5枚になるまで育苗をします。幼い苗は水切れに弱いので、毎日水やりを欠かさないように注意してください。
スイカの育て方②土作り
苗を植え付ける前に、植え付け場所の土作りを行います。苗の植え付けから逆算して行わないと、スイカの生育に影響を及ぼすこともあります。しっかりと計画を立てて行いましょう。
植え付け2週間前
スイカは酸性に傾いた土壌を嫌います。そのため、植え付ける前に土壌の酸度調整を行う必要があります。苗を植え付ける約2週間前までに、1㎡あたり苦土石灰を150gまいて、深さ30cmくらいまでよく耕しましょう。肥料と同時に石灰をまくとアンモニアが発生する可能性があるので、肥料をまく前に終わらせておきます。
植え付け1週間前
苦土石灰をまいて1週間経てば、肥料をまいてもアンモニアが発生しにくくなります。1㎡あたり堆肥を3kgと、化成肥料を50g前後まいて土とよく混ぜ合わせましょう。苗の植え付け直前に肥料をまくと、肥料焼けを起こす可能性があるので注意してください。
畝作り
幅2.5m、高さ15cmほどの畝を立てましょう。水はけが悪い畑の場合はさらに高くすると効果的です。マルチは必ずしも張らなくても大丈夫ですが、マルチを張ることによって病害虫や乾燥、過湿の予防になります。特に過湿になると実割れが起きやすく、甘さも損なわれやすいので、美味しいスイカを収穫するためにもマルチを張ることをおすすめします。
プランターの場合
プランターで栽培する場合は、市販の野菜作り用の用土を使用しましょう。市販の用土であれば、予め肥料も入っているので手軽に始められます。プランターの底に水はけをよくするための鉢底石を入れ、その上に用土を入れます。水やりをすると少し沈むので、プランターの縁ギリギリまで入れてしまっても大丈夫です。
スイカの育て方③苗の植え付け
種から育てた苗と、購入した苗も植え付け方法は一緒です。地域にもよりますが、4月上旬から下旬までが植え付けの適期となります。園芸店などでは早い時期から苗が販売されていますが、時期が早すぎると気温が低くうまく生育できないので、植え付け適期まではそのまま育苗したほうがよい場合もあります。
植え付け前日
苗の植え付け後に水やりをすると、地温が低くなってしまい苗が弱ってしまうことがあります。そのため、植え付け前日に植え穴を掘り、たっぷりと水やりをすることで、予め土の中に水分を含ませることができます。
苗の植え付け
ポットから根鉢を崩さないように丁寧に苗を抜いて植え付けましょう。あまり深く植え付けず、根鉢の表面と、畑の土の表面が同じ高さになるよう調整してください。植え付け後は、苗の根元付近の土を掌で鎮圧し、軽く水をかけて苗を落ち着かせます。寒い日が続くようであれば、市販のホットキャップをかけて防寒対策をしてください。
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