はじめに
唐辛子と鷹の爪は、料理レシピなどでも目にすることが多い食べ物ですが、その具体的な違いについてご存じでしょうか。呼び方が違うだけと思っている方も多いのではないかと思いますが、実は似ているようで全く違う品種になります。
唐辛子と鷹の爪の特徴
まずは、それぞれの特徴や名前の由来、呼び方やその辛さについてみていきます。
唐辛子とは
唐辛子は、中南米を原産とするナス科トウガラシ属の食べ物です。16世紀にヨーロッパから伝わりました。現在では、香辛料やスパイスとして料理に欠かせないものとなっていて、ピーマンやししとう・パプリカなどが含まれます。
名前の由来
名前の由来は、「唐」から伝わった「辛子」という意味です。この場合の「唐」は、中国の「唐」ではなく、「外国から来た」という意味を含んでいて、韓国などでは別名として「倭椒(ウェチョ)」や「倭茄子(ウェケジャ)」という呼び方もあります。
海外での呼び方
唐辛子の英語での呼び方は、「カプシカム・ペッパー」や「レッド・ペッパー」などです。海外では胡椒の一種とみなされ、トウガラシ属の実は全て「ペッパー」と呼ばれています。
辛さ
唐辛子には辛さを計る専用の単位があり、それが「スコヴィル値」です。唐辛子の辛み成分であるカプサイシンの割合を示したもので、世界一辛いといわれる唐辛子は3,000,000SHU、最も低いもので3,000SHUになります。
鷹の爪とは
鷹の爪は、赤唐辛子の総称のように使われることもありますが、唐辛子のいくつかある品種のひとつです。大きさは、通常の唐辛子よりも小さめで、だいたい6cm前後です。使い方としては、生や乾燥したものを輪切りや粉末状にして調味料にします。
名前の由来
名前の由来は、その形にあります。先がとがっていて、少し曲がっているその形が、鷹の鈎爪と似ていることから、この名前が付けられました。
辛さ
鷹の爪のスコヴィル値は、約40,000〜50,000SHUという、唐辛子の中でも高めの数値を示しています。
唐辛子と鷹の爪の違い
では、鷹の爪と唐辛子にはどのような違いがあるのか、違いの種類別にまとめていきます。
違い①原産国
唐辛子の原産国は中南米です。1万年以上前から栽培されている歴史があります。一方、鷹の爪は日本国産の品種です。江戸時代ごろから栽培が開始し、鷹の爪には本鷹や熊鷹などさらにいくつかの品種があります。
違い②形
唐辛子は、柄が長く、卵状披針形と呼ばれる形をしています。種の中には、卵状で細長くない形のもの見られます。一方の鷹の爪は、先が爪のように曲がっているのが特徴です。
違い③辛さ
鷹の爪は唐辛子の品種のひとつです。唐辛子には、食べることができないほどの辛さのものもありますが、鷹の爪は唐辛子の中でも比較的辛さは低くなります。
出典:写真AC