二カンドラ(黒ほおずき)とは?
二カンドラは、薄い青紫の涼やかな花を夏にたくさん咲かせる一年草です。蕾もかわいらしく、花が咲いたあとにはほおずきに似た黒い実がなります。オオセンナリと呼ばれることもありますが、オオセンナリは花の中央が白く、二カンドラは紫色の斑点があるのが特徴です。二カンドラは江戸時代に輸入された園芸種で、一部野生化したものがオオセンナリです。
ボタニ子
ボタ爺
二カンドラの茎や葉は一部、紫色になったりするよ。オオセンナリは緑一色だの。
基本情報
科属 | ナス科オオセンナリ(二カンドラ)属 |
学名 | nicandra physalodes violacea |
形態 | 一年草 |
原産地 | 南米ペルー、チリ |
花期 | 7月~9月 |
草丈 | 40cm~100cm |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
英名 | shoo fly plant |
別名 | 黒鬼灯、黒酸漿 |
二カンドラの特徴
二カンドラは強健な植物で、日当たりと風通しがよければ初心者でも気軽に育てられます。「シューフライ」や「黒ほおずき」の名前でホームセンターにおいてあるかもしれません。一度にたくさんの種ができるため、育てた場合は種を取っておいて翌年まくのもよいですね。こぼれ種で思いもよらない場所から育つこともあります。
特徴①花
二カンドラの花は夏に咲きます。花は薄紫色をしていて中央が白く、そこに濃い紫色の斑点ができるのが特徴です。オオセンナリの花は中央が真っ白なため、見分けるのには花の中に着目するとよいでしょう。花弁は5枚あり、花の直径は2.5cm~4cmです。
ボタニ子
二カンドラの花言葉は「自然美」「可憐な愛」「エレガント」「華麗」などね。「忍耐」や「半信半疑」という花言葉もあるわ。
特徴②葉・茎
二カンドラの葉は卵型で黒い斑点があり、縁が荒いのこぎり状になっているのが特徴です。点は成長とともに針のようなものが出てきます。新鮮なキュウリやナスのヘタの部分のような、触るとチクリと痛い針です。また、二カンドラの茎は緑一色ではありません。濃い紫の部分と緑の部分があり、ストライプになっている箇所もあります。
特徴③実
二カンドラは花が終わると、5枚の咢(がく)が出てきます。よく知られるほおずきは咢が完全に閉じて袋状になっていますが、二カンドラの咢は閉じないため中の実がのぞけます。黒っぽかった実が茶色に変化すると、完熟です。そのままにしておくと袋が破けて、小さい種がこぼれます。ネットをかけておくと、上手に採種できるでしょう。
ボタニ子
二カンドラの実は毒があり、食べられません!
二カンドラの栽培カレンダー
二カンドラは強い植物で、多少種まきの時期がずれても日当たりや風通しなどの管理ができていれば次々と花を咲かせます。遅れて成長した株も花をつけるため、開花時期や採種の時期がずれることも多いです。また、二カンドラの発芽適温は16℃~24℃です。夏の終わりに種まきをして開花することもありますが、耐寒性が弱いため霜が降りると枯れてしまいます。
季節ごとの作業
春は種まきの適期
二カンドラの春の作業は、用土作りと種まきです。基本的には強健な植物のため、初心者でも管理は難しくありません。二カンドラは発芽ポットで育苗してから植え付けてもよいですし、プランターや地面に直播しても大丈夫です。二カンドラの用土は、プランターや植木鉢なら肥料の入った草花用のものを用意します。地植えの場合、ほかの植物が育つ用土であれば問題ありません。
ボタニ子
地植えの用土は、庭土と水はけのよい腐葉土やバーク堆肥を混ぜておくとよいかもね。
夏の水切れに注意して追肥をしよう
二カンドラの夏の作業は、水やりと液体肥料の追肥です。水やりは春にも必要ですが、耐暑性が強く水分を好む植物なので夏は土が完全に乾かないように気をつけてください。日差しが強い日は朝と夕方の涼しい時間帯にたっぷり水やりしましょう。プランターや鉢植えは下から水が出てくるくらい与えます。
ボタニ子
二カンドラの開花時期は夏なの。エネルギーがたくさんいるから、液体肥料を追肥してあげてね。
ボタ爺
夏は台風の季節でもあるな。二カンドラは株が強いけれど、大風や台風の場合には倒れることもあるから支柱で支えよう。
秋は来年のための種をとろう
二カンドラの秋の作業は、採種です。二カンドラはナス科の植物です。ナス科の植物は同じ場所で栽培し続けると、連作障害を起こしやすいため袋が破けて種がばらまかれる前に採種します。こぼれ種でも発芽し翌年花が咲くこともありますが、できれば翌年の種まきのためにとっておきましょう。
二カンドラとオオセンナリは混同しやすいの。二カンドラよりもオオセンナリのほうが大きく、150cm以上になることもあるわ。