クロタラリアとは
クロタラリアはマメ科の中の一属、「クロタラリア属」の総称です。クロタラリア属は世界に500種類以上存在しますが、緑肥に使われている種類はインド原産の「Crotalaria juncea」や東南アジア原産の「Crotalaria spectabilis」などです。
「ネマキング」は商品名
11月にしては暖かい日が続いているフォルモサ。すこし歩くと長閑なお花畑が広がっています。タヌキマメの仲間でネマキングかな。たい肥にするのだと思うのですが明るい黄色に気持ちもはればれと… ஐ:* pic.twitter.com/mlXCzoyQej
— 風のおばさん (@murmurofwinds2) November 19, 2015
クロタラリアは「ネマキング」と呼ばれる場合もあります。この「ネマキング」とは雪印種苗が発売しているクロタラリアの商品名であり、正式名称は「クロタラリア・スペクタビリス(Crotalaria spectabilis)」です。
ボタ爺
正式名称より商品名の方が定着したんじゃな。
植物としての特徴
クロタラリアは熱帯〜亜熱帯に分布し、水辺に多く生える植物です。茎は人の背丈以上に伸び、その茎の先端に穂をつけて蝶形の花を咲かせます。花弁は濃い黄色なので、一面にクロタラリアが咲いていたら菜の花畑と見間違うことでしょう。
じつは毒草
クロタラリアは全草にクロリジジンアルカロイドという毒をもつので注意しましょう。鳥類や哺乳類に対して致死的な毒性があり、放牧地のウマがクロタラリアを食べてしまい中毒死した事故も起きています。
ボタニ子
間違えて食べないように気をつけないと!
クロタラリアの用途
クロタラリアの用途は「緑肥」です。緑肥とは、畑の土に混ぜ込んで肥料にする作物のこと。いわば「植物に食べさせる植物」です。
空気中の窒素を肥料に変える
マメ科植物は、「窒素固定細菌」と呼ばれる細菌を根っこに住まわせる特徴があります。窒素固定細菌は空気中の窒素を取り込んで栄養分に変えられるため、マメ科植物は「家賃」として細菌から窒素分を得られるのです。
ボタニ子
ということは、クロタラリアの根っこには窒素がたくさんあるんだね!
ボタ爺
植物の三大栄養素「窒素・リン酸・カリウム」のひとつじゃな。
根っこだけでなく地上部も土に混ぜ込めば、窒素肥料兼土壌改良剤になります。クロタラリアは生育旺盛で暑さにも強いので、緑肥としての用途に適しているのです。
ネコブセンチュウを抑える
クロタラリアのもうひとつの用途はセンチュウの抑制です。センチュウは土の中に無数に存在する微小な動物ですが、ネコブセンチュウなど一部の種類が植物の根を変形・壊死させてしまうことがあります。
根の分泌物がセンチュウを抑える
クロタラリアは根の分泌物によってセンチュウの活動を抑えることが報告されており、畑で育てるとセンチュウ対策になります。抑制できるセンチュウの種類はクロタラリアの種類によって異なり、狭い面積で多様な作物を育てる場合は「ネマキング」「ネマックス」など汎用性の高い品種を選ぶと効果的でしょう。
ボタニ子
次は、クロタラリアの入手方法を紹介するよ!
クロタラリアはマメ科植物です。