コセンダクサとは?
「コセンダングサ」は温暖な地域の秋から冬(9月~11月)の時期に、路肩や河川敷などの野原に生息している、黄色く小さな花をいくつも咲かせる野草です。日本における『生態系被害防止外来種』に指定されています。
コセンダングサの基本情報
学名 | Bidens pilosa |
和名 | 小栴檀草 |
科 | キク科 |
属 | センダングサ属 |
分類 | 一年草 |
原産地
コセンダグサはアメリカの太平洋側の温帯から熱帯の地域が原産で、アジアをはじめ世界の温暖な国や地域で広く分布しており、その形態はその生息地によってさまざまに変種する「帰化植物」です。
名前の由来
「コセンダングサ」の名前の由来は属性のセンダングサより、やや小ぶりだったことから名付けられました。センダグサを漢字で書くと「栴檀草」です。この「栴檀(センダン)」とは「落葉樹」の意味で、センダングサの葉が落葉樹の葉の形状に似ていたからです。
コセンダングサの特徴
日本に生息するセンダングサは約70属360種があり、帰化植物はこの「コセンダングサ」をはじめとする100種以上と言われています。それではコセンダングサの形態的な特徴を説明します。
形態的な特徴
コセンダングサの茎と葉
草丈は50~100cmほどになり、その茎は複数に分枝します。その枝に先細りで楕円型の葉をつけ、葉の回りはギザギザとしたのこぎり状です。
コセンダングサの花
花は黄色の管状花(筒状花)で菊の花のように花(筒状)が多数集まって一つの花になります。一つの花の花径は1cmほどです。花期は9月~11月で枝先に無数に咲きます。
コセンダングサの生態的な特徴
「コセンダングサ」の生態的な特徴は果実(種子)になったときと言えるでしょう。12月以降の冬になるとコセンダングサの花は果実(種子)になる時期です。ここからはコセンダングサの種子について詳しく説明します。
種子の特徴
コセンダングサは管状花の一つ一つが種子になります。その形状は細く長さ10~15mmほどの放射線状になっています。
種子の形状
種子の先端には2~4本の突起がでています。その部分は釣り針の返しや、かぎ針のようなトゲが連なっているようになっています。
種子の別名
種がトゲ状になっているので散歩や遊びに野原や河川敷に来たとき、知らずに人の衣類や動物の毛にひっついてそれを払い落していくので、分布範囲が広がったり移動したりし育っていくのです。つまり人や動物が散布体となっているのです。そのことから「ひっつき虫」や「くっつき虫」と言われるようになりました。
ひっつき虫(くっつき虫)の取り方
一つの花から種子がたくさんできるので、その花の数からすると本当に大量の種子です。しかもそれが衣類にまとまってついてくるのでとても厄介な植物と言えます。ここではコセンダングサの種子と同様に衣類について困る種の取り方を種類別で紹介します。
服についたひっつき虫の取り方5選!
服に大量についてしまったひっつき虫にはコセンダングサの種子のようなトゲトゲしたタイプと、粘着液のようなものでくっつくタイプがあります。それらをあっという間に取る方法を5つ紹介いたします。
その1:ウエットティッシュを使う
ついてしまった衣類の生地より薄くて柔らかいものに移すという考え方です。やり方はポンポンポンとウエットティッシュで叩きながらうつしていく感じです。そのまま捨てられるので楽です。
その2:ペットボトルを加工して取る
空になったペットボトルを利用します。ペットボトルの側面に縦に10cm、幅3cmほどの長方形に穴をあけて、ひっつき虫に引っ掛けるようになでていきます。すると穴からペットボトルの中にくっつき虫が入りそのまま捨てられます。
その3:ウロコはがしで取る
お魚のウロコはがしを持っていたら利用してみましょう。魚のウロコをはがす要領で布に滑らせる感じで取ります。ジーンズや作業着など頑丈な生地のときに有効です。
その4:一夜干しで取る
粘着性のあるひっつき虫は一晩干して乾燥させると粘着力が弱まり、次の日にはパラパラっと簡単に落ちてくれます。
その5:洗濯で取る
ここまで紹介したやり方はある程度、厚手で丈夫な生地であることが前提です。たとえばニットなどにトゲ系のひっつき虫がついた場合は慎重に対応しないと、生地が傷んでしまいます。そういう場合は、多めの柔軟剤を使って洗濯すると取れやすくなります。
種子になる前に駆除!
コセンダングサは「生態系被害防止外来種」に指定されているので、種子になる前の時期に駆除すれば個体数を増やさずに済みます。10月に入ると先に咲いていたものから種子になるので、見つけたらすぐに駆除しましょう。
駆除(除草)のポイント
そもそも一年草なので種さえ残らなければよいのです。花の状態までには抜いてしまいましょう。除草剤などを使うより、根元から抜いてしまうほうがコストもかからず早いです。
根っこから引っ張り抜く
コセンダングサは分枝しているので、大量に抜かなければならないとイメージですが、元の茎は少ないので一気に処理できる野草です。茎から根元までたどって根こそぎ抜きましょう。
抜いたら放置しない
抜いたらそのまま放置はせずにビニール袋に入れて処分しましょう。雑草の生命力は土の上で放置しただけだとそのまま花から種をつけてしまうことがあるからです。
それでも駆除できず種子になってしまったら…
コセンダングサは生態系被害防止外来種という忌み嫌われた植物になってしまいましたが、野草として食べることができる植物でもあります。しかし、その味は決しておいしくはありません。しかし、種子は煎じて飲むと神経痛や関節痛などを緩和する効果が期待できる薬草です。
駆除する時の服装
種子がついてしまったコセンダングサを除草するときは、ツルツルとしたナイロン製のズボン(レインパンツ)やジャンパーなどを着て作業をしましょう。
まとめ
「コセンダングサ」は生態系被害防止外来種という指定を受けてしまったので、種子になる時期が近づく前に駆除が進んで、今はもう少なくなってきているかもしれません。他にも「ひっつき虫」や「くっつき虫」と言われる種子の植物はありますので、種がついてしまったら取り方を参考にしてみてください。