エゾウコギとは?
エゾウコギは北海道やロシア、中国などの寒暖差が激しい地域に自生している植物の一種です。朝鮮人参など薬草が多いウコギ科の一種で、特徴的なトゲや実などをつけます。原産地の北海道やロシア、中国でも希少な薬草として重宝されていました。この項目では、エゾウコギがどのような植物なのかご紹介します。
基本情報
科名 | ウコギ科 |
属名 | ウコギ属 |
原産地 | 日本、中国、ロシア |
開花時期 | 7〜8月 |
花の色 | 黄緑色 |
名前の由来
日本の蝦夷地(北海道)に自生するウコギ科の植物なので、「エゾウコギ」と呼ばれるようになったといわれています。日本でエゾウコギは北海道にしか自生しておらず、本州ではエゾウコギ自体の存在が知られていませんでした。しかし、アイヌ民族はエゾウコギをうつなどの民間治療に役立てていたようです。
似ている植物
エゾウコギに似ている植物に、朝鮮人参があります。エゾウコギは別名シベリア人参ともいい、朝鮮人参とは同じウコギ科の仲間です。漢方として主に使われる朝鮮人参は滋養強壮やあがり症の改善など、エゾウコギと似たような効果を持っています。そのため漢方の世界では、「シベリア人参、朝鮮人参、西洋人参、田七人参」の4種が四大人参と呼ばれています。
エゾウコギの特徴
エゾウコギは寒暖差が激しい地域に自生しているため、身を守るためにさまざまな特徴を備えています。種子が根付かなくても繁殖できるように地下茎を伸ばしたり、外敵から体を守るために鋭いトゲを生やしたりするなどです。この項目ではエゾウコギの特徴などについてご紹介します。
地下茎
厳しい環境下でも繁殖できるように、エゾウコギは地下茎で繁殖することができます。地下茎は一定の深さで枝分かれしながら伸びますが、これは緑が少ない地域の植物が持っている特徴です。地上で種子が育たなくても地下茎からどんどん芽が生えてくるので、安全に子孫を残す対策がなされています。
大量の栄養を吸収する
地下茎は普通の茎と違い、広く深く根を伸ばしていきます。エゾウコギは育つまでに10年かかるといわれている植物で、育つまでに大量の栄養を必要とします。そのため何本かの茎だけでは必要な栄養を吸収できず、そのため地下茎が発達したという説が有力です。
茎にあるトゲ
エゾウコギの茎には鋭いトゲが無数に生えていて、少し触るだけで刺さるようになっています。一部に生えているのではなく茎の全体に細く生えているので、素手で触るのは困難です。北海道を開墾した開拓者や農家も、「開墾の障害となる」といって嫌っていたといいます。
エゾウコギの種子
茎に生えているトゲは、上にある種子を守るために生えています。種子は栄養がつまっているので、食料の少ない冬から春は動物たちの格好の食料です。簡単に食べられないようにトゲが生えているので、トゲはどれも下を向いていて針のような形状をしています。