ヒヨドリバナ(鵯花)とは
ヒヨドリバナは、白い小さな花を密集して咲かせるキク科の植物です。日本全国に自生しており、道端や草原などさまざまな場所で見かけられます。一見キク科の植物には見えないような見た目ですが、花が密集して咲いている様子はとても華やかです。
ヒヨドリバナの基本情報
分類 | キク科 ヒヨドリバナ属 |
学名 | Eupatorium makinoi |
別名 | サンラン(山蘭) |
原産地 | 中国 |
生態 | 多年草植物 |
草丈 | 100〜200cm |
アジア圏を中心に広く分布しているヒヨドリバナは日本でも全国的に分布しており、原産地は中国です。明るい場所でよく育つため、道端や草原などによく生息しています。無性生殖型と有性生殖型があり、特に葉の形には変異が出ることが多く、種類も豊富です。
名前の由来
ヒヨドリバナの名前は、開花時期である8~10月頃にスズメの仲間であるヒヨドリ(鵯)がよく鳴くようになることから付けられました。もちろん、ヒヨドリは1年中よく鳴きます。しかし、8~10月頃にさらに鳴くようになると思われているのは、ヒヨドリが山から町へ頻繁に下りる時期だからです。街中で鳴き声がよく聞かれるのはそのためです。
ヒヨドリバナの花言葉
ヒヨドリバナの花言葉は「清楚」「期待」「延期」「遅れ」です。「清楚」「期待」はとても素敵な意味ですが、「延期」「遅れ」の意味も持ち合わせています。独身女性に贈ると婚期を逃すと考えられており、プレゼントにはあまり向いていません。女性への贈り物にヒヨドリバナを選ぶ際は、「清楚」などの意味が伝わるメッセージカードを同封するなどの工夫が必要です。
ヒヨドリバナに薬効はある?
古来、ヒヨドリバナや、ヒヨドリバナによく似た種類のフジバカマには薬効があるとされてきました。そこで、ヒヨドリバナにはどのような薬効が期待できるのかを、ヒヨドリバナのもつ危険性についてあわせてご紹介します。
ヒヨドリバナの薬効
ヒヨドリバナは昔から薬効があるとして親しまれてきました。全草を煎じて服用することにより、解熱や咳止め、のどの痛み、腫れもの、月経不順、糖尿病などの効果が期待できるとされています。また、薬効のあるヒヨドリバナを入浴剤として利用することで期待できる効果は、皮膚疾患のかゆみ止めやアトピー症状の緩和、疲労回復、保温などです。
ヒヨドリバナの注意点
薬効があるとされるヒヨドリバナですが、実は草全体に毒性があります。アルカロイド系成分の毒が含まれており、そのまま食べてしまうと吐き気やしびれ、幻覚症状などを引き起こすことがあり大変危険です。また、花の蜜にも毒があるため、安易に蜜を吸ったり口に含んだりしないようにしてください。
ヒヨドリバナの特徴
ヒヨドリバナは、特徴的な形をした小さな花を密集して咲かせます。花を咲かせる姿が華やかな植物です。しかし、ヒヨドリバナは有性生殖型と無性生殖型があり、同じ種類であってもその特徴に変異が出ることがあります。ここでは、ヒヨドリバナの茎、葉、花、果実、種子の特徴について詳しく解説します。
茎・葉の特徴
地面から垂直に茎を伸ばし、枝分かれするように伸びた茎は100~200cmと、種類によっては比較的大きく成長します。細い茎からつく葉は2枚が向かい合ってつく対生で、葉柄は非常に短いです。葉は先の尖った丸みのある形をしており、縁はギザギザとしています。薄い葉の両面にはところどころに短い毛が生えているのが特徴です。
花の特徴と開花時期
ヒヨドリバナの花は白色から薄い紫色で、開花時期は8~10月頃です。小さな花を密集して咲かせ、密集した塊はそれぞれまばらに散らばっています。おしべが花びらの外側まで飛び出すほど長く、小さな花から伸びるおしべが密集した姿は華やかです。
果実・種子の特徴
花が散った後にできる果実は、白い冠毛を持った痩果(そうか)です。乾いた薄い果実それぞれに1つの種子が含まれており、綿毛のような冠毛が風に乗って飛ばされることで広い範囲に子孫を残します。
次のページでは似た植物との違いと見分け方についてご紹介します!
ちなみにヒヨドリバナは9月23日の誕生花です!