オニグルミの採取方法
オニグルミを採取する
苗が成長して立派な木となり、実を付けるようになるまでには4~5年ほどかかるでしょうか。自生でも栽培でも9~10月ごろに果皮が腐り始めるのが採取の合図です。木から落ちた実を拾い集め、果皮が黒く変色して腐りきるまでしばらく待ちましょう。地域によっては地面に埋めて一ヶ月放置という方法もあります。
果皮が落ちたらきれいに水洗いして乾かしましょう。
オニグルミの味
オニグルミって美味しいって噂だけどどんな味?
上質な油分
オニグルミの美味しさとしてまず上げられるのは、上質な油分でしょう。オニグルミを割っている時に気が付くと思いますが、かけらを指で押し潰すだけで、油分がしみ出してくるのが分かります。他のくるみと比較した場合、その油分はウォルナッツの半分程度なのですが、さらりとあと癖なく舌に残ります。
クリーミーなコク
それからオニグルミにはタンニンがあまり含まれていないことから、えぐみや渋みが感じられず、クルミ本来の甘みを楽しむことができます。そして、どことなく乳製品に近いクリーミーなコクを感じます。東北地方では美味を表現するたとえに「クルミのような味」と言われていることもあり、美味の代表格ともいえる味なのではないでしょうか。
オニグルミを使った料理(9種)
オニグルミの食べ方①:くるみ餅
クルミの食べ方としては定番ですが、ぜひともオニグルミで試していただきたい一品です。
材料はオニグルミと砂糖と醤油、それとお湯。丁寧にすり鉢ですり潰し、クルミだれができあがっていく過程を見るのも楽しいものです。すり上がったところにお湯を入れると、ペースト状のオニグルミが茶色がかった乳白色に変わります。温かい柔らかめのお餅にたっぷりと絡めるとよいでしょう。輸入物のウォルナッツとは一味違うオニグルミのくるみ餅を味わってみてください。
オニグルミの食べ方②:くるみのおこわ
あえて他の具は入れず、オニグルミと醤油だけでシンプルに仕上げるのもよいでしょう。醤油のほどよい塩味とオニグルミの甘みが、お互いを引き立て合います。オニグルミは炊き込むことによってさっくりとした食感からしっとりとした食感に変わり、もち米ともよく馴染みます。東北地方では少しお砂糖をきかせておやつ感覚で食べることもあります。
オニグルミの食べ方③:くるみのおはぎ
こちらは『道の駅』で販売されているおはぎです。きな粉の代わりに細かくすったクルミをまぶしたシンプルなもの。クルミ本来の美味しさを味わうことができます。他にもくるみ味噌に、オニグルミジャムやオニグルミソフトなど、東北界隈の『道の駅』はオニグルミ料理の宝庫かも知れませんね。
オニグルミの食べ方④:オニグルミラーメン
意外な逸品ですが、白ゴマの代わりにオニグルミを使った担担麺といったところでしょう。濃厚なクルミの油分と旨味が辛さとうまく調和したラーメンです。クルミとスープの相性も抜群です。
オニグルミの食べ方⑤:オニグルミのマフィン
黒糖とクルミの組み合わせも絶品です。決して華やかなお菓子ではないのですが、ひとつ、またひとつ、と手が出てしまいそうです。基本的にアーモンドやウォルナッツの使われているお菓子でしたら、オニグルミで代用してもどれも間違いはないでしょう。
オニグルミの食べ方⑥:カナッペ
市販のクラッカーににクリームチーズとオニグルミをのせただけですが、乳製品と相性がいいのもクルミの特性ですね。元々のオニグルミの旨味に乳製品に近い物が感じられるので、美味しさの相乗効果が味わえます。
オニグルミの食べ方⑦:イチジクとオニグルミのパウンドケーキ
こちらの組み合わせも最強ですね。ドライフルーツやナッツの入ったパウンドケーキにはついついスパイスや洋酒をふんだんに使ってしまいがちですが、ここはあえてクルミの風味を生かしてシンプルに。イチジクのジャリジャリとした食感との対比も楽しいかもしれません。
オニグルミの食べ方⑧:くるみパン
いつも使っているウォルナッツの代わりに、贅沢にオニグルミを使ってパンを作ってみてはいかがしょうか?クセやえぐみの少ないオニグルミを使うことによって、いつものパンがより上品な味に仕上がります。
オニグルミはその薄皮が濃い茶褐色ということもあり、パン生地に練り込んだ際、パン全体がほのかなピンク色に染まります。焼き上がったパンには、バターはもちろん、クリームチーズを塗ってもよく合います。
オニグルミの食べ方⑨:そのまま食べる
シンプルにして最高!殻から取り出しながらのつまみ食い
いろいろオニグルミ料理をご紹介してきましたが、多分これ以上ぜいたくな食べ方はないと思います。
殻から取り出す作業中に、その欠片を口に入れる誘惑に耐えられる人は、まずいないことでしょう。噛みしめるごとにじんわりとしみ出てくる、クリーミーな生クルミの油分と旨味。食べ方としては最高にシンプルですが、滋味とはこういうものだなぁと実感させられます。たまらず二つ、三つとつまみたくなってしまいますが、仕方ないですよね。
オニグルミとウォルナッツの違い(豆知識)
ウォルナッツとは?
上の写真は一般的に出回っているウォルナッツです。ウォルナッツとは、主にカリフォルニアや中国から輸入されるテウチグルミ(カシクルミ)やペルシャグルミのことで、お菓子の材料やおつまみとして目にしていることと思います。底の部分のくぼみに尖った物を差し込めば簡単に手で割ることができ、殻がさほど固くないことから実を崩さずに取り出すことができます。クルミといえばなじみ深いこちらを連想される方も多いでしょう。オニグルミよりも可食部が多く、薄皮の色も明るめなのが特徴です。
オニグルミとウォルナッツの違いは?
対してオニグルミですが、流通ルートとしては『道の駅』やJAの産地直送販売所などで販売されることが多いようです。薄皮は暗めのこげ茶色ですが、見た目に反して渋みは少ないです。確実に手に入れるのならば、インターネットでの購入が便利でしょう。収穫量が希少という理由もありますが、可食部も少なく、割る手間が非常にかかるといった点で一般的にはあまり普及していませんが、その美味しさ、栄養価に根強い人気があることも確かです。
まとめ
今回は植物としてのオニグルミと、食材としてのオニグルミの両面から考察してみましたが、実はオニグルミにはもう一つ、建築資材としての側面もあります。その性質は柔らかく、衝撃を吸収し、狂いや割れもすくないという優れもの。食文化としてだけでなく、古くから人間の生活と密接な関わりを持ってきたオニグルミ。また違った観点から調べてみてもおもしろいかもしれませんね。
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出典:写真AC