山椒の育て方(鉢植え後)
山椒は地植えだけでなく、プランターや鉢植えにもできます。もともと3mから5mほどの高さになる樹ですが、鉢植えやプランターなどに植えるときには、剪定などで上手く高さを調整しましょう。高さを抑えると室内でも育てることができます。ここでは、苗木の地植えから室内での栽培方法までご紹介します。
山椒の育て方①プランターと用土
山椒は水はけがよく豊富な栄養を含む用土を好む植物です。そのため、プランターや鉢植えで育てるときには、深めのプランターや鉢を用意します。用土は市販の草花栽培用の用土か、果樹専用の培養土、もしくは赤玉土をベースに、腐葉土や川砂を入れるといいでしょう。水はけの悪い用土に植えてしまうと根腐れを起してしまうので、気を付けましょう。
地植えするときの用土
地植えをするときには、風通しがよく日当たりは半日陰になる場所をえらびます。水はけよい土壌であればなおよく、植える一月前くらいには、堆肥と腐葉土を入れて用土を作っておきましょう。植え方は、穴を深めに掘って、苗木の土をあまり落とさないように、慎重に植えます。
植え方の注意点
植え方には気をつけることがあります。実生苗の場合には植え方に気をつけることは、根を傷つけないようにするくらいですが、接ぎ木苗であれば、根を傷つけないようにすることと、接ぎ木の部分が土を被らないように植えるのが大事です。植えた直後に天気が続いて日当たりがよすぎるようなら、遮光ネットを使いましょう。
山椒の育て方②苗木の植え方
苗木の植え方を知る前に、まずは苗木を選びましょう。苗は病気がなく、しっかりとしているものを選びます。苗を購入するときは接ぎ木苗がおすすめです。山椒は香りが強いので虫がつかないと思われがちですが、アゲハチョウの幼虫などがついていると、あっという間に葉が食べつくされて丸裸にされてしまいます。そのため、苗を購入するときには、病気だけでなく、害虫が付いていないかどうかもみるようにしましょう。
苗木の植え方
苗と用土が用意できたら苗木を植え付けます。市販の果樹や野菜の用土を使う場合には、もともと栄養素がたっぷり含まれているため、初めに肥料を与えなくても問題はありません。根が弱いため、苗木を植え付けるときには根を傷つけることのないように十分気を付けます。栽培用に改良されたアサクラサンショウ以外は、雄株と雌株の2株植えなくては実がなりませんので、注意しましょう。
植え付けた直後の管理
植えつけをするときには、根を傷つけないように土をできるだけ落とさず、素早く植えつけしましょう。土を落としすぎると、根が傷つきます。鉢に入れた後は隙間なく用土を詰めましょう。植えつけた直後はしっかりと水やりをしてから、半日陰で風通しの良いところにおいて管理してください。きちんと根付くまでは苗木が枯れる危険があるので、慎重に管理しましょう。
山椒の育て方③日当たり
山椒は直射日光に弱い植物のため、日当たりがよすぎると上手く育ちません。逆に日当たりが悪くてもよくないため、地植えの場合は、半日陰か、明るい日陰に植えるようにしましょう。それでも日当たりがよすぎるようなら幼木のうちは株もさほど強くないため、遮光ネットなどを活用しましょう。鉢植えやなどで室内で育てる場合には、日当たりがよい日中はレースのカーテンなどで遮光するといいでしょう。
山椒の育て方④温度・湿度管理
山椒はもともと、栽培用に品種改良されたアサクラサンショウは別として、日本全国に自生しているため、育てるときも地植えの場合には、そこまで温度や湿度を気にする必要はありません。とはいえ、乾燥や過失には弱いため、湿度は気に掛ける必要があります。耐寒性も強いというわけではないため、冬に雪が降る寒冷地の場合は、きちんと冬支度をしましょう。
室内の場合はエアコンに注意
室内で鉢植えやプランターとして育てる場合には、エアコンに注意しましょう。エアコンの風が直接当たってしまうと葉を痛めるため、できるだけエアコンからは遠い場所に置きます。そのほか、夏の扇風機や冬のヒーター、ストーブなどにもあまり近づけすぎないように注意が必要です。
山椒の育て方⑤肥料
山椒の肥料は冬を超えた2月と、9月ごろに施すといいでしょう。通常肥料は2月だけでも問題はありませんが、実の収穫後には気が弱ることもあるので、その場合は9月ごろにも肥料を与えます。地植えの場合は油粕などの有機肥料がおすすめです。山椒には油粕などの肥料だけで十分元気に育ってくれます。あまり上げすぎると逆によくありません。
鉢植えなどには化成肥料がおすすめ
室内で鉢植えなどにして育てる方法であるなら、肥料は化成肥料がおすすめです。有機肥料はコバエなどが発生しやすいため、室内向きの肥料ではありません。地植えほどの高さが必要ないため、化成肥料で十分です。植えつけや植え替えをするときに栄養たっぷりの用土さえ用意しておけば、肥料は2月だけでも問題はありません。
山椒の育て方⑥水やり
水は地植えの場合は基本的に雨で十分のため、必要ありません。しかし、あまり日照りが続く場合には水をあげましょう。また、乾燥に弱いため、日当たりがよすぎてすぐに地面が乾燥してしまう場合であれば、根元にわらなどを敷いて乾燥対策をするといいでしょう。
鉢植えやプランターの水やり
鉢植えやプランターの場合は、土の表面が乾いたら水をあげます。水不足には弱いため、特に夏場は注意しましょう。水をしっかり上げた後は、根腐れ防止のために水受け皿にたまった水は忘れずに捨てるようにしてください。
葉水
乾燥だけでなく、過湿にもあまり強くはないため、葉水は必要ありません。観葉植物のように毎日葉水をあげてしまうと空気中の湿度が高くなってしまい、逆にカビなどの病気が発生してしまうため、あまり湿度を上げないように気を付けましょう。
山椒の育て方⑦植え替え
植えつけ、植え替えは休眠期である11月~3月にするのが望ましいです。しかし、沖縄のように年間を通して暖かい地域であれば問題はありませんが、北海道のような寒い地域であれば、真冬や雪の降る時期はできるだけ植え替えや植え付けは避けましょう。北海道のような寒冷地は、10月から11月、もしくは新芽が出る前の3月ごろが植え替えの時期には望ましいです。
山椒は植え替えに弱い
地植えの場合は植え替えは必要ありません。鉢植えやプランターの場合には、数年に1度、植え替えが必要です。用土は初めに植え付けたときと同じような土で問題ありません。しかし植え替えをすると山椒の株は弱ってしまうため、頻繁にする必要はありません。だからといって、植え替えをせずに放っておくと、根詰まりをおこすことがあります。植え替えは、根を傷つけることのないように注意して行いましょう。
山椒の育て方⑧剪定
山椒はそこまで形が乱れるような気ではありませんが、それでも剪定をして高さを調整してあげる必要があります。また、剪定をすることで風通しや日当たりもよくなるため、形は悪くないから、と放置せずにきちんと剪定しましょう。
剪定のやり方
剪定は高さの調節や日当たり、風通しを良くするだけでなく、害虫や病気の予防対面もある大事な作業です。剪定をする時期は冬を越した3月ごろがいいでしょう。3月であれば春に花を咲かせる花芽がついているため、剪定しすぎないように注意することができます。剪定をするときは高さや大きさを先に大まかに決めてから刈り込みましょう。
剪定の注意点
山椒は形の整いやすい木です。外観をある程度整えたら混みあっている枝などを整理するように剪定しましょう。花芽を切りすぎると花が咲かなくなってしまうため、注意が必要です。棘が生えている山椒であれば、剪定するときには軍手や厚手の手袋を着用してからにしましょう。
続いて、山椒の増やし方をご紹介!
出典:写真AC