ハナキリンとは?
見た目にも色鮮やかで可愛い小さな花と、鋭くとがったトゲをもつハナキリンとは、どんな植物でしょうか?ハナキリンの特徴を見ていきましょう。
ハナキリンの基本情報
まず、はじめにハナキリンの基本情報を見てみましょう。ハナキリンは、どんな植物の仲間でしょうか?名前の由来や花言葉とともに紹介していきます。
学名 | Euphobia milii |
和名 | 花麒麟 |
科名 | トウダイグサ科 |
属名 | ユーフォルビア属 |
原産地 | マダガスカル |
樹高 | 20cmから2m |
耐寒 | 弱い |
耐暑 | 強い |
ハナキリンはユーフォルビア属
ハナキリンは、トウダイグサ科、ユーフォルビア属の多肉植物です。ユーフォルビア属には人気の花が多く、みなさんご存じの有名な花もあります。ここでユーフォルビア属について少し紹介しましょう。
ユーフォルビア属・ポインセチア
ユーフォルビア属の原種は2000種以上で1年草から多肉植物、低木と非常に多く存在します。クリスマスといえば、ポインセチアが有名ですが、実は、クリスマスシーズンに街中で見かけるポインセチアもユーフォルビア属です。
ユーフォルビア属・ダイヤモンドフロスト
また、真っ白な花が咲くことで、近年人気の高まっている「ダイヤモンドフロスト」や「白雪姫」もユーフォルビア属です。
ユーフォルビア属についての詳しい情報は、こちらでご覧ください
ハナキリンの名前の由来
ハナキリンという名前は、サボテンの「モクキリン」に似ていて、1年中花を咲かせることに由来します。キリンの首が長いように、茎を長く伸ばすからという説もあります。
ハナキリンの英名
ハナキリンには、「Kiss me quick(キスミークイック・早くキスして)」という英名があります。花の姿がくちびるのように見えることからつけられました。
ハナキリンの別名
また、ハナキリンはイエスキリストが頭にかぶったイバラの冠であったことから、「Crown of thorns(クラウンオブソーン・イバラの冠)」や、「Christ Plant(キリストプラント・キリストの植物)」とも呼ばれています。
ハナキリンの種類
ハナキリンには、淡いピンクの花を咲かせる代表的な「スプレンデンス」のほかにも、濃い赤色の花を咲かせる「ブレオニー」、大型の花をさかせる「ヒスロピー」など16種類ほどの仲間があります。
ハナキリンの花
ハナキリンはそれぞれの種類によって、少しずつ花の大きさや付き方が違います。花の色には、赤、オレンジ、ピンク、白、黄色などがあります。
ハナキリンの花の特徴
ハナキリンは2cmほどの長さのトゲを持ち、その先のほうに1cmから1.5cmほどの大きさの花を数輪ずつ咲かせます。室内で寒さを調節し、適温を保つと、1年を通して可愛い花を咲かせます。
ハナキリンの花は「ほう」
可愛い花の姿ですが、じつはハナキリンの花に見える部分は、「苞(ほう)」です。「苞(ほう)」は葉の部分が色づいたもので、その中心に見える小さな部分が本物の花なのです。
「ほう」って何?
「苞(ほう)」は、つぼみの部分を包むように葉が形を変えたものです。「ほう葉」とも呼ばれ、一つずつの「ほう」は「ほう片」と呼ばれます。一般的に「苞(ほう)」は葉より小さく緑色ですが、ハナキリンの「ほう」のように花に見えるものもあります。
ボタニ子
可愛い花が本当は葉っぱだったなんて、「ほう」って不思議!
開花時期
ハナキリンは、気温を10度以上で一定に保つことができる場所で育てると、季節を問わず、ほぼ1年を通して花を楽しむことができます。開花時期は3月から12月です。
ハナキリンの花言葉
花の形がくちびるのようにも見えることから、「早くキスして」、ほかにも「純愛」という花言葉があります。
その他の花言葉
また、ハナキリンにはトゲがあることから、「逆境に耐える」「独立」「自立」などの花言葉もあります。可愛い花と鋭いトゲの対照的なイメージから、「冷たくしないで」という花言葉ももっています。
ボタニ子
ハナキリンって名前も花言葉もステキですね!
続いて、ハナキリンの育て方・基本を紹介!
ハナキリンの育て方(基本)
ハナキリンが元気に育ち、可愛い花を咲かせるための置き場所はどんな場所が適しているでしょうか?用土や肥料、水やりなどで注意することは?冬越しの方法は?ここでは、ハナキリンの育て方を詳しく見ていきます。
育て方・場所
ハナキリンは、砂漠などでも育ち乾燥や暑さに強く、反対に寒さに弱い植物です。日当たりのいい明るい室内が置き場所として一番適しています。気温の高い季節は屋外でも元気に育ちます。9月中頃からは寒さから守るため室内に置き場所を移しましょう。
育て方・用土
ハナキリンに適した用土はどんな用土でしょうか。ここでは用土の選び方を見てみましょう。用土は、市販の用土を購入する方法と、赤玉土と腐葉土を配合して用土を作る方法があります。
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容量 | 14L |
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1Lあたり | 91円 |
ハナキリンの育て方のポイントは水はけのよい用土で育てることです。サボテン・多肉植物用土を使う方法が簡単です。自分で準備する場合は、赤玉土6:腐葉土3:川砂1で混ぜた用土を使います。水はけをよくするために川砂を底に敷く方法もあります。
地植え?鉢植え?
マダガスカルでは、2m程度の低木に成長する地植えでの育て方が知られていますが、日本では植木鉢を使った育て方が一般的です。
育て方・肥料
どんな肥料がおすすめ?時期は?
花付きをよくする「リン酸」と根や茎を強くする「カリウム」が多めにふくまれている肥料を選びます。肥料の成分が確認できる場合は、リン酸やカリウムの数値が大きいものを選ぶようにしましょう。肥料を与える時期は、生育期の5月から11月です。2、3か月に1回与えるとよいでしょう。
液体肥料の場合は?
液体肥料を使う場合も窒素よりも、「リン酸」と「カリウム」が多くふくまれる液体肥料を選びましょう。窒素が多い液体肥料を使うと花が咲きづらくなるので注意しましょう。液体肥料を使う場合も与える時期は5月から11月です。ただし、液体肥料の場合は、1か月に1度与えます。
育て方・水やり
ハナキリンへの水やりは、やりすぎないことが大切です。乾燥した場所を好むので、水やりは控えめにします。気温が高くなる春から秋にかけては、2、3日に1回程度、水やりをします。土が白く乾いていたら、たっぷり水やりしましょう。9月から10月にかけては、水やりの回数を少しずつ減らしていきます。気温が低くなってくると、生育が遅くなり、根が水を吸い上げる力も弱ってきます。
育て方・冬越し
気温が高い時期は戸外やベランダでも元気に育ちますが、9月以降は冬越しの準備に室内に入れましょう。室内の気温は10度以上に保つことが理想です。水やりは回数を減らし、冬越しの頃の水やりは10日に1度程度にします。冬越しの時に水やりをしすぎると根腐れをおこします。
休眠させる越冬方法
ハナキリンの冬越しには、強制的に休眠状態にする方法もあります。その場合は、冬の間の水やりを一切おこないません。強制的に休眠させた場合は寒さが5℃程度になっても枯れることはありません。置き場所はベランダか室内がおすすめです。なお、強制的に休眠状態にして冬越しをさせた場合は、春からの生育に影響が出る場合もあります。できれば、室内の日当たりのいい場所で気温を保ちながら冬越しさせましょう。
ボタニ子
寒さに弱いハナキリンは、室内で冬越しさせるのがおすすめ!
出典:写真AC