エリンジウムのおすすめ品種
ほとんどのエリンジウム(エリンジューム)は冬の寒さには強いですが、高温多湿に弱く日本の気候では育てるのが難しい植物です。梅雨の時期に枯らしてしまった方も多いのではないでしょうか。しかし、日本でも地域や環境にあわせて育てやすい品種を選ぶことで失敗にしくくなりますよ。おすすめの品種を紹介していきます。
冷涼な地域におすすめの品種
高地などで夏場が涼しい地域におすすめの品種を紹介します。もともと耐寒性のある植物なので冬場に寒くなる地域でも栽培が可能です。逆に、高温多湿に弱い大輪系の品種が多いギガンジューム種などは夏場に涼しい地域で育てるのがおすすめです。
シルバーゴースト
シルバーゴーストは白い大きなギザギザの苞が目を引くギガンジューム種の品種です。なんともゴージャスで気品のある品種ですね。原産地であるヨーロッパでは人気がありますが、日本では高温多湿に弱い品種のため育てるのが難しく、あまり流通していません。個性的な花はドライフラワーの花材としても人気があります。
カラッとした地域におすすめの品種
夏場も蒸し蒸しせず、カラッとした地域におすすめの品種を紹介します。元々の原産地が南北アメリカなどの乾燥した地域に多い品種で日本での栽培量は少なめですが、ドライフラワーなどの切り花として見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
エリンジウム・リーベンオルシー
あたまのてっぺんからギザギザの苞(ほう)が飛び出すようにはえており、濃い紫が印象的なエリンジウムです。こちらはアメリカ原産の品種で夏場の暑さには強いですが、湿度には弱いのでカラッとした地域で育てます。やや乾燥気味に育てるのがコツです。こちらは宿根草ではなく1~2年草として扱われます。花が枯れた後に種を取り、新鮮なうちにまきます。
高温多湿の地域におすすめの品種
日本の気候にも合いそうな高温多湿の地域におすすめの品種を紹介します。エリンジュウムといえばヨーロッパ原産が主ですが、熱帯植物のような南米原産の品種もあります。同じセリ科のエリンジウムの中にも個性的で多様な品種があることに驚かされますね。
エリンジウム・ アガビフォリウム
アルゼンチン原産の高温多湿にも強い品種です。サボテンのアカベのようなという意味の名前ですが、アカベほど肉厚ではありません。緑の葉はふちにギザギザのトゲをもっています。初夏に咲くクリーム色の花は大きく熱帯植物のような雰囲気です。観葉植物として葉を楽しむこともできます。
エリンジウムの花言葉
エリンジウムの花言葉は4つあります。
- 秘めたる愛
- 秘密の恋
- 無言の愛
- 光を求める
エリンジウムの育て方
エリンジウムにはたくさんの品種がありますが、ここでは日本でもよく目にする比較的育てやすい「マツカサアザミ」とも呼ばれるプラナム種のエリンジウムの栽培方法について解説していきます。地植えでも鉢植えでも育てることは可能ですが、涼冷地以外の方は鉢植えがおすすめです。園芸店などで苗を購入する場合は、葉の緑がきれいで茎の太いもの、害虫などがついていない元気なものを選びます。
栽培環境
今までも見てきたように多くのエリンジウムは高温多湿に弱く、日当たりの良い乾燥した環境を好みます。秋から初夏までは育てやすく、鉢植えの場合は夏時期には日陰に移動するなどの対策をします。また地植えの場合、夏に枯れたと思った場合でも秋になってから葉が生えてくることもあります。夏の暑さには弱いですが、冬の寒さには比較的強く暖地ではそのまま冬越しできるでしょう。冷地で気になる場合は、わらを敷くなどの冬越し対策をします。
水やりと肥料
用土が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。しかし、与えすぎは禁物です。やや乾燥気味に育てます。梅雨時期には鉢植えの場合、長雨にあたらないように軒下へ移動させましょう。肥料はそんなに必要ありませんが、緩効性の化成肥料を春と秋に与えるくらいで大丈夫です。
用土と植え付け
土の中が蒸れるとすぐに根腐れをおこしてしまうので、水はけのよい用土を使います。水はけのよい用土とは、たっぷり水を与えるとすぐに鉢の底から水が出てくるような土です。園芸店で用土を選ぶ場合は粒状の土、バーミキュライト、パーライト、川砂などが配合されているものを選びましょう。また自分で用土を作る場合は、赤土5:腐葉土4:パーライト1の割合で配合します。また、酸性の土を嫌うので石灰を混ぜ込んでおきます。
剪定
夏の開花の季節が過ぎると花が茶色に変化してきます。花が終わるとすぐに花がらを摘みます。蒸れに弱いので、通気性をよくするためにもこまめに切り戻しましょう。全体が枯れたように見えても宿根草なので根は大丈夫な場合もあります。その場合は思いきって枯れた部分を株元から剪定しましょう。また、ドライフラワーにする場合の取り方は開花後すぐに剪定し、室内の通気性の良い暗所に吊るしておきます。
害虫と病気
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病気についてはあまり心配はありません。害虫については、ヨトウムシに葉を食べられてしまうことがあります。葉の裏に卵をみつけた場合はすぐに除去しましょう。また害虫用の粒状殺虫剤を株元にまいておいたり害虫用のスプレーをふきかけるのも有効です。
増やし方
エリンジウム はセリ科の植物です。他のセリ科の植物と同じように直根で、根を崩されたり株分けされたりするのを嫌います。また、挿し木で増やすことも難しいので基本的には種まきで増やします。株分けされることを嫌うので、ポットまきで苗を育てましょう。どうしても地植えで株が大きくなってしまって株分けをしたい場合は、根をなるべく崩さず土を落とさずに移植します。
エリンジウムのアレンジ
エリンジウムはもともと乾いた花質なので、お家でも簡単にドライフラワーが作れます。紫や青といった色も長く楽しめるのでリースや花束風にしたスワッグといったアレンジも楽しめます。夏の時期にはアジサイと一緒にアレンジしても素敵ですね。自分が育てたエリンジュームなら、なおさらアレンジも楽しくなりそうですね。
まとめ
いかがでしたか?エリンジウム は紫の花とシルバーの葉っぱが個性的な植物ですが、他にも青、緑、白、黄色といった様々な品種もあります。栽培の際に気をつけることは、夏場蒸らさないように涼しい場所で管理することです。もし、夏場に枯らしてしまっても1、2年草あつかいとしてその年は種を取り、ポットに種をまいて次の年に楽しむこともできます。花をドライフラワーとして長く楽しむこともできるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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出典:写真AC