エリンジウムとは
エリンジウム(エリンジューム)はヨーロッパ原産のセリ科の植物です。種類によって花のかたちや花色がことなり、個性的な見た目と独特の乾いた質感の花はドライフラワーの花材やインテリアとしても人気があります。ちょっとみんなと違う植物を育ててみたいという方にもおすすめです。たくさんある品種の中からおすすめ品種の紹介や育て方のコツを詳しく解説します。
基本情報
分類 | セリ科エリンジウム属 |
園芸分類 | 草花 |
形態 | 多年草(1.2年草あつかい) |
別名 | マツカサアザミ エリンジューム |
樹高 | 30cm〜1.5m |
開花時期 | 6月〜8月 |
原産地 | ヨーロッパ、ユーカサス地方、西アジア、南北アメリカ |
耐寒性 | やや強い |
エリンジウムはセリ科のエリンジウム属の多年草の植物です。耐寒性はやや強く、冬時期は乗りこえることができますが夏時期の高温多湿に弱く、この時期に乗りこえることができるかが栽培のカギとなります。そのため、もともとは多年草ですが日本では1~2年草扱いとされています。
花の特徴
小さな小花がたくさん集まって球状になっており、その周りを包むようにギザギザの苞(ほう)が生えています。苞(ほう)はつぼみを包むように葉が変形した部分です。エリンジウムの苞は品種によっても異なりますがどれも個性的です。特によく出まわっているプラナム種の紫色の花とギザギザした苞はどことなくアザミに似ていますね。そのことから和名はマツカサアザミと名付けられました。
葉の特徴
葉はシルバーがかった色で金属のような質感がモダンな印象です。緑色や濃い紫色のものなど品種によってもかたちや色は変わりますが苞(ほう)と同じくギザキザなものが多くトゲがあるものもあります。また株は地面から直接葉っぱがでるロゼット状になります。
エリンジウムの種類
エリンジウム属は230種ほどの仲間があります。その中でも私たちが園芸店などでよく目にするのは、シルバーがかった紫の小花のプラナム種とその交配種です。また、プラナム種の他に大輪の花と銀白色の葉が目を引くギガンチューム種とレース状の苞(ほう)が特徴的なアルピナム種の大きく3種類があります。まずは、色別にいくつかの品種を紹介します。
青色が美しい種類
エリンジュームといえば濃い紫やシルバーがかった紫を想像する方も多いでしょうね。夏の季節に開花するブルー系の花は爽やかな印象です。同じセリ科のホワイトレースフラワーなどとアレンジしてもよさそうですね。まずはブルーグリッター、ブルースターなど青色が美しい種類を紹介します。
ブルーグリッター
プラナム種はエリンジュームの中では比較的に高温多湿に強くもっとも人気のある品種です。中でもブルーグリッターはグレーがかったブルーが優しい印象で小ぶりな花をたくさん咲かせるかわいらしい品種です。乾燥気味に育てると青色が濃くなります。
ブルースター
ブルースターは苞(ほう)がレース状に大きく広がった花が特徴的なアルピナム種のエリンジウムです。青紫のきれいな色が特徴的です。ブルースターはその花姿からドライフラワーの花材としても人気があります。もともと高温多湿に弱いアルピナム種で日本で育てるのは難しい品種です。
白色が美しい種類
エリンジウムにはグリーンや白の品種もあります。結婚式のアレンジやブーケなどにも白色のエリンジウムが使われることがあります。ナチュラルな雰囲気やシルバー色に近いモダンな見た目もあり、最近人気の品種であるシリウスクエスター、ユッキフォリウムを紹介します。
シリウスクエスター
シリウスクエスターは緑色と白っぽい葉脈がナチュラルな雰囲気の品種です。切り花やドライフラワーの花材としても人気のある品種です。切り花で楽しむ場合は茎が変色しやすいので花瓶の水は毎日かえて切り戻します。ドライフラワーにするとさらに長く楽しめますね。
ユッキフォリウム
ユッキフォリウムは北アメリカ原産のエリンジウムで、夏の時期に咲く花は白くて丸くかわいらしい印象です。ユッカのような葉からこの品種名がつきました。しかし、観葉植物のユッカよりはもっと長くて細長い緑の葉をしています。また葉のふちには小さなトゲがあります。
黄色が美しい種類
これまでのエリンジュームにはなかったような、黄金葉をもつ新しい品種もでてきています。下記に紹介するネプチューンズゴールドです。半常緑性で寒冷地以外では冬でもこの美しい黄金葉を見ることができるので、花の開花時期以外にも1年中楽しむことができます。
ネプチューンゴールド
ネプチューンズゴールドは葉の黄色と花の青紫のコントラストが美しい品種です。珍しい花色は庭の中でもぱっと目を引きそうですね。大ぶりなエリンジュームは日本ではあまり流通していませんでしたが、このネプチューンズゴールドは暑さにも強く冬の寒さにも強いので日本での栽培も可能です。園芸ファンなら挑戦してみたい品種ですね。
出典:写真AC