自宅栽培でおすすめのブドウの種類
ブドウは果実栽培に慣れていない方にとって、かなり難易度の高い作物です。ブドウの種類でも特に病害虫に強く、初心者の方でも育て方が比較的難しくない品種や、自宅栽培でも収穫が成功しやすい種類を紹介しましょう。
種類①デラウェア
デラウェアは病害虫に強いうえ実もつきやすいため、はじめて自宅でブドウ栽培に挑戦する方でも育てやすい種類です。約2gの小さな果実が数多く実るブドウで、味は甘酸っぱくジューシーな果汁が特徴です。スーパーでも購入でき、種なしの食べやすいブドウとして親しまれています。自宅栽培でデラウェアを種なしブドウに育てるなら、ジベレリン処理を行います。
ボタニ子
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種類②キャンベルアーリー
アメリカ種であるキャンベルアーリーは病気や害虫が発生しにくいため、自宅栽培に向いている種類です。大粒の黒系品種で、巨峰ほどではないものの粒の大きさは6~7gあります。ジュースやワインによく使用されますが、皮が柔らかくてむきやすいため、生で食べてもおいしいです。8月中旬に収穫できる早熟種なのも特徴です。
種類③巨峰
日本でとてもポピュラーなブドウの種類で、人気が高いのが巨峰です。一粒8g以上もある大粒の実が特徴で、酸味がほとんどなく甘みが強いです。受粉しやすい品種のため実がなりやすく、初心者でも収穫しやすいでしょう。ただし、病気への耐性は低いため、注意深く予防するのが育て方のコツです。
種類④シャインマスカット
シャインマスカットは贈答品としても好まれる、果実が黄緑色をしたマスカットの一種です。樹木が丈夫でよく育ち病害虫にも強いため、ブドウのなかでは育て方が難しくない種類です。実は大粒で皮が薄く、丸ごと食べられます。十分な甘みと強い芳香が特徴です。
ブドウの栽培カレンダー
季節ごとの作業
植え付けは春がベストシーズン
ブドウの植え付けは初春の3月ごとに行うのがおすすめです。秋に植え付ける方法もありますが、休眠期をはさむため、春に芽が出るタイミングに行うのがよいでしょう。植え付け後はつるの成長に合わせて、誘引や芽かきを行いつつ管理していきます。梅雨や夏の長雨が来る前に、病害虫の予防対策もしておきましょう。
夏は実の管理を中心に
6月に入ると多くの種類で花が咲き始めます。のちに大きな実がつくように、追肥や花房の成形、摘芯とした作業は夏の間に行います。ブドウは雨にあたると弱ってしまうため、梅雨や大雨が続くときはよく注意して管理しましょう。無事実がついたら、袋がけをしてさらに大きく育てます。
秋に収穫と剪定しよう
早熟種のものなら8月から、そのほかの品種も10月にかけて収穫時期に入ります。収穫のタイミングを見極めて、実ったブドウを十分に味わいましょう。秋は冬や次の春に向けての準備を行う時期でもあります。つるの剪定を行いながら害虫が発生していないかチェックし、休眠期にそなえます。
休眠期の冬も害虫チェックは念入りに
冬になるとブドウは休眠期に入り、葉が落ちて枝のみの状態になります。不要な枝の剪定以外、日常的な管理は必要ありません。ただし、休眠期のブドウにも害虫が産卵を行うことがあり、春になると幼虫が発生する可能性もあるため、害虫の防除には気をつかう必要があります。
ブドウの自宅栽培【土作り~植え付け】
土作り
ブドウを上手く育てるためには土壌環境を整えるのがコツです。栄養や微生物をたっぷりと含んだ土を用意しましょう。さまざまな土作りの方法がありますが、広さ1㎡あたりにたい肥2~3kgにぼかし肥料か有機肥料を300g、草木灰100gを混ぜた用土が目安です。
植え付け方
ブドウの品種によりますが、15~30℃が栽培適温です。水はけや通気性がよく、日が当たりやすい場所で育てましょう。雨に濡れると病気の原因になってしまうため、屋外で管理する場合は風雨を避けられる環境を用意します。植え付けるときは、たい肥にぼかし肥料と草木灰を混ぜたものを入れて元肥料にします。
露地栽培
ブドウは根の張る範囲が広い作物のため、直径80cmほどの植え付け穴が必要です。穴の深さは40cmほど掘り、真ん中に苗を置いて植え付けます。植え付けは育苗ポットから苗を取り出して植えるだけです。根が混みあっている場合は、手でほぐしてから植えましょう。植え付け後は水やりをします。
鉢植え
鉢植えでブドウを育てる場合、用土は果樹栽培用の培養土を利用すると便利です。8~10号鉢の底にネットを敷き、軽石と培養土を半分くらいの高さまで入れます。苗を入れても水やりのときに溢れないよう、鉢植えの上部から2~3cm余裕ができる高さに土の量を調整して植えます。植え付けが終わったら、鉢底から流れ出すまで十分水やりを行ってください。
種から栽培する場合
ブドウは苗木からだけでなく、種から育てることも可能です。ブドウの種は園芸店や食べ終わったブドウから手に入れられます。種まきは春の初めごろ、良質な土を入れた鉢や育苗ポットに行ってください。4cm間隔で種まきをしたのち、暖かい場所で管理します。苗が8cm程度に成長したら鉢植えにし、30cmほどの苗木に成長するまで栽培しましょう。
出典:写真AC