バナナの木の実がなるまでの様子を解説！日本で栽培もできる？

スーパーやコンビニ、青果店などで手軽に購入できるバナナですが、栽培できる果実としてはポピュラーとはいえません。そのため花はどのような形をしているのか、実はどのようななり方か知っている人は多くないでしょう。熱帯植物園や国内の生産地へいったとき、運がよければバナナの花や実のなり方を見られるかもしれません。

バナナの苗を植え付けて、葉を成長させ花が咲くまでにどのくらいかかるのかを画像とともに見ていきましょう。花が咲くと聞いてもまったく想像できない方もいるかもしれませんが、実をつけるためにバナナも花が咲きますよ。

バナナの木は亜熱帯地域で育てられることが多く、平均して29℃～31℃が栽培温度の適温です。原産国では5月～11月くらいまでの時期は1カ月に、大きな葉が4枚～5枚生えてくるほど成長速度が速いのが特徴です。1週間に1枚葉が出てくることになりますね。また、バナナの花を包み込んでいる苞（ほう）も、1日に10cmも大きく成長します。

大きなバナナの葉は、1枚ずつ中央から生えてくるのが特徴です。最初はつんとした棒のようなものが出てきてゆるんでいき、くるくると葉が丸まっているのがわかります。バナナの葉は成長とともに展開していき、最終的には大きな楕円の葉になるのです。バナナの下の葉は上部の葉の生育とともに黄色から茶色になって枯れるため剪定しますが、その残った部分が幹のように見えます。

日本で栽培されているバナナは矮小性の樹高が低い品種がポピュラーですが、原産国では実も木も大きく育つ種類が多いです。原産国でのバナナの木の樹高は5m～10mで、建物の2階〜3階くらいまでに成長します。原産地で栽培されるバナナを日本の家庭菜園で育てる場合は、大型のビニールハウスが必要になるでしょう。

バナナの苗を植えてから半年くらいの時期になると、葉が35枚～40枚ほど出たところで変形した「止め葉」と呼ばれる杓子の形をした葉が出てきます。この葉が1枚出てから、バナナの花を包み込んでいる苞があらわれます。この苞は1枚めくれると中に2列にバナナの花の蕾が並んでいるのが特徴です。苞は順番にめくれていき、徐々に下にさがりながらバナナの開花もすすんでいきます。

開花が終わるとバナナは結実します。バナナの実のなり方はユニークで、「なり方が予想と違う」と思うかもしれません。

バナナの花は、1週間くらいは下を向いて咲いているのが特徴です。受粉後、バナナの実が成長すると黒く枯れていきます。バナナが太くなる時期にバナナの花は完全に枯れていますが、花がらが残っているものも多くあります。バナナの茎部分の反対側（果指先端）が黒くなっており、その部分が花が咲いていた名残です。

バナナの花が咲くとアリやハエ、ハチなどが蜜を吸いにきて受粉の手伝いをします。受粉が終わると、花の付け根にあるバナナの子どもがだんだん成長していきます。最初は花が咲いていた時期のように下を向いているバナナですが、大きくなってくると徐々に太陽に向かって反るように上を向き始めるのがなり方の大きな特徴です。

最初の苞に包まれていたバナナから成長して上を向き、続いて苞がめくれた花が受粉、結実していきます。苞はどんどん下に下がりながらめくれていきますが、下のほうのバナナはあまり美味しくないためある程度のところで苞を切り落としてしまいます。バナナは木で熟させるのではなく、切り取って追熟させる方法が一般的です。