チャノキのカイガラムシ駆除方法
注意するカイガラムシ一覧
カイガラムシの種類 | 殻の有無 | 越冬時の姿 | 孵化時期 |
クワシロカイガラムシ | あり | 成虫 | 5中~5下 7中~8中 9中~10上 |
クワシロカイガラムシはチャではもっとも恐ろしいカイガラムシになります。大発生するとチャノキは樹液を吸われつくされ最悪枯死します。厚い殻で水をはじくため農薬が効きにくく、世代交代回数も多く温かい気候の南九州では年4回の世代交代がおこります。さらに幼虫がふ化してから数日でロウ状の被覆物で防御するため散布適期が非常に短いため農薬の防除が大変です。
利用可能な農薬一覧
カイガラムシ種類 | 登録農薬 |
クワシロカイガラムシ | エルサン乳剤、コルト顆粒水和剤、アルバリン粒剤、カルホス乳剤 スタークル粒剤、スプラサイド乳剤40、ダーズバン乳剤40、ダニトロンフロアブル |
クワシロカイガラムシ 若齢幼虫 |
アプロードエースフロアブル、アプロード水和剤 |
駆除方法
チャノキにおけるクワシロカイガラムシのふ化時期を見極める方法には、積算温度から予測したり、トラップに捕らえられた虫の数から予測したりする方法があります。散布する農薬の種類は天敵昆虫を駆除しないようにピレスロイド系や有機リン酸の農薬をなるべく選ばないようにして、アプロードエースフロアブルなどの効果のある害虫の範囲が狭い農薬を使用しましょう。ただ、被害が大きくなったら無理せずに被害部分を切り落とすことも大事です。
庭木・観葉植物のカイガラムシ駆除方法
ソヨゴの樹についたカイガラムシ
ソテツや桜などの庭木につくカイガラムシは多くの種類がいます。これは、カイガラムシの寄生害虫という特性上、ソテツにはソテツにしか寄生しないカイガラムシ、桜には桜にしか寄生しないカイガラムシが存在するためです。とはいっても、果樹類にくらべて防除がしにくいことはほとんどなく、これまでの基本を抑えれば簡単に防除できます。
庭木のカイガラムシの駆除方法
コモ巻きはマツクイムシの防除で有名な防除方法ですが、庭木のカイガラムシの冬季の休眠密度を少なくする方法としても有効な手法です。カイガラムシの狭くて暗い場所を好む特性を利用して、9月ごろ遅くとも10月にはコモや肥料袋を樹に巻き付けてください。コモを回収するときは、それ自体にカイガラムシがいることは少ないので、樹の皮部分をよく確認して取り除いてください。
観葉植物のカイガラムシの駆除方法
気温の高い室内の観葉植物につくカイガラムシは年中発生することがありますので、定期的に観察する必要があります。葉の裏や根元についていることがあるので、発見次第ティッシュや雑巾で捕殺してください。それでも、被害が大きくなったときは、ベニカXファインスプレーが効果的です。散布した植物から薬剤がカイガラムシに浸透して根絶することができます。
住友化学園芸 ベニカXファインスプレー 1000ml
参考価格: 1,404円
容量 | 420mL、1000mL |
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有効成分 | クロチアニジン・フェンプロパトリン・メパニピリム |
適用 | バラ、花き類、トマト 他 |
まとめ
カイガラムシの駆除についての解説しましたが、カイガラムシを発見できるとそんなに難しいものではないと思います。たくさんいるカイガラムシは確かに気持ち悪くて、すぐ農薬で駆除したくなる気持ちは分かりますが、以下の点を抑えて、効率的にカイガラムシ被害から予防するように努めましょう。
カイガラムシ駆除まとめ
- カイガラムシが殻を被るタイプか被らないタイプか確認
- 冬場は隠れ場所の除去とマシン油の散布で密度を下げる
- 春先はふ化時期を調べて、丁寧に農薬を散布。手の捕殺もあわせて実施
お茶の原料になるチャノキのカイガラムシの防除方法について解説していきます。