プルモナリアの基本情報
科属名 | ムラサキ科プルモナリア属 |
形態 | 多年草 |
原産地 | ヨーロッパ~バルカン |
草丈 | 10~40cm |
開花期 | 2月中旬~5月中旬 |
花色 | 青、紫、ピンク、白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
プルモナリアは早春の寒い頃から咲き始めます。ヨーロッパの落葉広葉樹林やブナ林などに分布していることから、高い耐寒性と耐陰性を持っています。そのため、霜や凍結にもほとんど傷みません。葉は品種によって緑葉のものや斑点入り、全体が銀白色などバラエティに富み、シェードガーデンのリーフプランツとして人気です。品種や場所によっては常緑で冬でも葉を茂らせ、地面に這うようにして広がり越冬します。葉の表面にはやや硬めの毛が生えており、触るとざらざらとした感触があります。
プルモナリアの花言葉
プルモナリアの花言葉は「気品」です。早春に咲く青い花にはぴったりな花言葉ですね。また、斑点入りの葉がかつて不治の病であった肺結核を連想させるということから「孤独な魂」という花言葉もあります。
プルモナリアの品種
プルモナリアはオフィシネリスやサッカラータなど14種類の原種があり、多数の園芸品種が育成されています。花は先が5裂の漏斗状で、咲き進むにつれ色が変化していきます。咲き始めはピンク色ですが、時間の経過とともに青色へと変化することから、2種類が混在しているように見えるのも楽しみの一つですね。また、鮮やかな青色の大花やピンク色、白色など花の色が変化しない単一色の品種も流通しています。ここではプルモナリアの代表的な品種についてご紹介します。
オフィシネリス
オフィシネリスはヨーロッパを中心に、コーカサス地方や中央ロシアの他バルカン半島などに分布する、プルモナリアの原種の中では代表的な種類のうちの一つです。ヨーロッパでは咳や肺の病気に効果があるとされ、薬草として栽培されてきた歴史があります。通常、白から淡緑色の長楕円形の斑点が葉には入っていますが、現在日本で流通している品種にはそれらの斑点が入らないものも多くあります。開花期は4~5月、草丈は20~30cm、明るい紅紫色からピンク色、明るい青色へと変化します。
サッカラータ
サッカラータは、イタリア、フランスの森林部に自生している、プルモナリアの原種の中では代表的な種類の一つです。数多くの園芸品種の親となっている原種です。名前は砂糖を意味し、葉の白い斑点に由来しています。葉の斑点が鮮明で、常緑性の葉は花のない時期でもカラーリーフとして観賞価値の高い植物です。開花期は3月ごろ、草丈は10~30cm、白色やピンク色の花を咲かせます。
ブルーエンサイン
ブルーエンサインは多花性で早春に溢れるように咲き、大株の時期は見ごたえがあります。ピンク色のつぼみが咲き進むにつれ濃い青色へと変化し、斑点の入らない濃い緑色の葉が大きく茂ります。
ダイアナクレア
ダイアナクレアは、プルモナリアの葉の斑点が目立たないよう改良されたロンギフォリア品種です。プルモナリアの中でも比較的高温多湿に強く育てやすいです。草丈は30cm、咲き始めはピンクや赤紫色ですが、徐々に濃い青色へと変化していきます。
プルモナリアの育て方
プルモナリアは高温多湿にやや弱いものの、基本的には丈夫な植物です。植え付け時期や水やりをはじめ、株分け方法や置き場など管理のポイントについてお伝えします。
プルモナリアの育て方①用土
肥妖で、水はけと水もちの良い用土を好みます。庭植えでは20~30cmほどの植え穴を掘り、掘りあげた土の3~4割程度の腐葉土を庭土と混ぜ合わせ、ふかふかの土を作りましょう。根元にパークチップを敷くことで乾燥を防げます。鉢植えでは、鹿沼土:赤玉土:軽石砂:腐葉土を3:3:2:2で混ぜ合わせます。
プルモナリアの育て方②植え付け時期
プルモナリアは、3~4月の春か10月の秋、それぞれ陽気のよい時期に植え付けましょう。園芸店やホームセンターでは2月~3月にかけて開花株のポットが売られています。強い耐寒性を考慮すると秋植えがお勧めです。
プルモナリアの育て方③植え付け場所
プルモナリアは半日陰から明るい日陰の少し湿った場所を好みます。日向でも風通しがよければ花付きはよくなりますが、葉が汚くなりやすいです。置き場は、午前中だけ日が当たる場所や、木漏れ日が降り注ぐような落葉樹の株元が最適です。庭植えなら適地であれば、特に気を遣うことなく毎年花を咲かせます。這性ではありませんが横に広く生長し、鉢植えより地植えが適しています。品種によって丈が違うため、それぞれの丈に合った植え付け場所を選びましょう。
注意点
高温多湿である関東以西の暖地で栽培する場合には、季節によって置き場所を変えられる鉢植えが適しています。真夏は明るい日陰へ、それ以外の季節では風通しのよい半日陰に置きましょう。
プルモナリアの育て方④肥料
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花付きが悪くなれば、周囲を掘り起こし有機肥料を施します。庭植え、鉢植え共に2月~4月と10月~11月に緩効性化学肥料を3~4回置き肥します。
プルモナリアの育て方⑤水の管理
庭植えの場合は、根付けば降雨程度の水やりで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾けばたっぷりと水やりをします。過湿を嫌いますが、乾燥させ過ぎると株が弱るため注意しましょう。冬場は晴れた日の午前中に水をやりましょう。
プルモナリアの育て方⑥植え替え方法
植え替えは、庭植えの場合は2~3年に1回を目安に行いましょう。鉢植えの場合は、用土の劣化や根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1回ひと回り大きな鉢へ植え替えましょう。どちらの場合も夏場は避け、2月中旬~5月中旬、または10月~11月が適期です。
プルモナリアの剪定方法
花が終われば茎から根元で切り戻しする程度で、放任でかまいません。庭植えの場合は枯れ草を掃除して、風通しをよくしてあげましょう。
プルモナリアの増やし方
植え替え時に大株となったものや横に広がり過ぎたものを切り戻し、主に株分けで増やすのが一般的な方法です。不要根を使った根伏せや実生の方法もありますが、あまり成功率が高くないためお勧めできません。
株分け方法
プルモナリアは比較的生育が早く、3年ほど育てると大株になり株分けができます。株分けは花後でも可能ですが、高温多湿に弱い性質を考慮すると10月~11月頃の植え替え時期に同時に行うことで、ストレスも少なく順調に生育するでしょう。掘りあげた株の一株につき2~3芽以上が付くように植え付け、細かくし過ぎないよう注意してください。
プルモナリアがかかる病害虫
プルモナリアは、梅雨から夏にかけて高温多湿の環境において、葉に白い粉をかけたようなウドンコ病にかかることがあります。また、水はけが悪いと根にこぶができるネコブセンチュウが発生することもあります。
病害虫への対策
ウドンコ病への対策としては、風通しのよい場所に鉢を置いたり、花がらや枯れ葉を取り除いたりするなどの予防に努めます。ネコブセンチュウへの対策としては、水はけをよくしましょう。
まとめ
早春の寒い頃に青色やピンク色の彩を添えてくれるプルモナリアは、開花期が終わった後もシェードガーデンでのアレンジや、カラーリーフとしても楽しませてくれます。整形花壇にももちろん植えられますが、野趣があるため自然な印象のアレンジが向いています。落葉樹の陰などに、同じように黄色や白色の花が早春に咲く品種と植えると、春の訪れを感じられそうですね。
出典:写真AC