オモト(万年青)の育て方
育て方①肥料の作り方
準備するもの
- 油粕
- 削り節または煮干し
- 骨粉
- 米糠
基本の肥料
オモトの肥料は油粕・削り節または煮干し・骨粉・米糠の4〜5種の肥料を配合してつくります。
- 下準備…油粕、削り節、骨粉、米糠はそれぞれ水と1:10の割合で溶き、腐らせる。
- 配合…油粕2、削り節2、骨粉と米糠を合わせて2の割合で混合する。
油粕玉
- 油粕8、米糠2を水で練りまぜ、ガラス蓋(密閉しない)をし、日当たりのよい場所で発酵させる。
- 綿毛のようなカビが生えて来たら、大豆粒ほどに丸めて日光に当て固める。
ワラ灰
- 大きめのバケツにワラ灰を少し入れる。
- ワラ灰の3倍くらいの高さまで水を入れる。
- 4〜5日経つと飴色なるので、上澄みを20倍くらいに薄めて使用する。
育て方②肥料の施し方
施す時期
春の植え替えがすんで根づいた頃(植え替え後、約2週間経ってから)肥料を施します。なお、芋吹繁殖で芋を切った芽は、植え替え後約4週間後です。梅雨の時期の肥料は中止しますが、晴天が続くときは薄い肥料を施しましょう。オモトは肥料を与えすぎると木が軟らかくなって病気にかかり、枯れることがあります。なるべく控えめに施すようにしてください。
夏場の暑い時期は避ける
暑い時期に植え替えを行うと下葉が枯れることがあります。なるべく植え替え時期は、夏場の暑い時期を避けるようにしましょう。また、後述する芋吹や割子などで株分けしないものは秋を選ぶほうがよいとされています。秋から春までの培養期中に汚れた芋などをきれいにして砂を新しくするためです。また鉢植えのオモトは根詰まりが原因で枯れることがあるので気をつけましょう。
原液の薄め方
配合した原液を薄めて使用します。肥料を与える初めの1ヵ月は40倍、次の1ヵ月は30倍と濃くしていきます。梅雨の時期に与える肥料は40倍〜50倍の薄い肥料を施しましょう。
育て方③水やり
オモトの水やりは細かく回数も多いので、水やりにもコツがあります。ここでは水やりの仕方と注意する点をご紹介します。
抜き水
抜き水とは、鉢を少し傾け、鉢植えの内部に万遍なく水が行き渡り、鉢の底から水が落ちるぐらいたっぷり水やりすることをいいます。砂植えの場合、とくに夏の根傷みを防ぐために必ず行います。
バラ水(振り水)
鉢植えの底に水分が残っていても、表面が乾いているときに湿らす程度に水やりすることをいいます。
葉水
葉の上から水やりをすることをいいます。夏の夕方に施す水はなるべく葉水がよいといわれています。しかし、強い日差しがあるときの葉水は葉焼けのもとになるので注意してください。
その他
砂植えのオモトは、夏場の乾燥に気をつけます。そのため日中2〜3回ほど水やりを行いましょう。寒い時期は朝に一度、雨や曇りが続く日は2日に一度程度水やりを行います。冬季は水を控えめにしますが、3日間水やりをせず乾燥している場合はたっぷり水やりをしましょう。
育て方④環境作り
寒冷紗の使用
冬場は昼ごろから夕方まで寒冷紗を用いて風が直接当たらないようにしましょう。鉢植えのオモトは日暮れに室内に入れ、日の出に鉢植えを外に出して日光に当てます。
ポイントは冬の採光
冬によく日光に当てることでよい芋になるといわれてます。実際、十分に日光に当てたオモトは首元が太り、株分けもよいことが実感できます。
オモトの増やし方
オモトの増やし方には主に二通りの方法があります。ひとつは割子繁殖という方法です。もうひとつは芋吹繁殖という増やし方です。割子繁殖とは親芋(親株)のわきから子株が生えている状態で株分けを行います。芋吹繁殖とは休眠芽を2つに分けて株分けする方法です。
増やし方①割子繁殖
割子繁殖の手順
- 親株の脇に子株ができていることを確認する。
- 親の根と子の根をそれぞれ分ける。
- 親芋からわきに子が生えている境目にランセットを当て切り離す。
- 分けた株は独立した1本として植え込む。
増やし方②芋吹繁殖
芋吹繁殖の手順
- オモトの芋(根茎)上部に白いコブのようなアタリと呼ばれる休眠芽を探す。
- 休眠芽に根をつけてランセットで切り離す。このとき8分ほど切ったら刃を抜き、切り口を指でひろげて丁寧に切り離す。
- 切り終わったアタリの芋と親の頭を分ける。
- アタリの芋の根をひろげ、水苔を芋底に当ててひろげた根を閉じる。
- さらに水苔をその上から被せて根がかくれるほど水苔で包みこむ。
- シュロか細いビニール糸で巻き、品種がわかるようにラベルをつける。
- 芋の周りの余分な水苔をハサミで切り落とし、芋の切り口を露出させる。これで芋吹の元が完成。
- トタンを貼った木箱や発泡スチロールの箱に水苔を敷いて芋吹の元を入れる。
- 箱に布を被せ、湿度変化の少ない部屋におく。
まとめ
オモトを趣味として育てる場合、手入れは楽しみの一つとなります。手入れの方法で変化するオモトの芸は飽きのこない楽しみです。そんな楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。オモトの鉢植えは小さいものから大きいものまで揃っており、さらにオモト用の鉢は装飾が美しく贈りものや、家の中に置く観葉植物としておすすめです。
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出典:写真AC