アボカドの葉が枯れた!
アボカドは簡単に発芽発根させられるため、鉢植えや水耕栽培で観葉植物として楽しめます。アボカドの葉は株が成長すると30cmを超える大きさになり、存在感があるのが特徴です。そんなアボカドの葉が急に枯れることがあります。アボカドの葉がかさかさに乾燥して縁から丸まってくる、茶色い斑点が出る、全体的に茶色くなって枯れるなど、枯れ方はさまざまです。
ボタニ子
枯れて葉が落ちるときに、意外に大きな音がするのよ。
アボカドの葉が枯れる原因
アボカドは大きな葉が魅力的で、観葉植物として栽培している方も多いでしょう。丈夫な植物ですが、葉は簡単に枯れてしまうことが多いです。なにが原因で葉が枯れるのか知っておくと、すぐに対処できます。
葉が枯れる原因①種の洗浄不足
アボカドは森のバターと呼ばれるほど、脂肪分を多く含んだ果肉が特徴です。果肉から種を上手に取り出し、洗浄してから水耕栽培や鉢植えで発芽発根させます。しかし、種の洗浄が不十分だと葉が出たあとに、枯れてしまうことがあります。アボカドの果肉の脂肪分には、成長を抑制する成分が含まれるからです。せっかく発芽した葉を枯らさないように、種はきれいに洗いましょう。
ボタニ子
アボカドの果肉がついたまま植えると、周囲の土が腐る原因にもなるわ。洗剤は薄めて、流水できれいに洗ってね。
葉が枯れる原因②根を傷つけた
アボカドの根はとてもデリケートです。水耕栽培から鉢植えへの植えつけや、植木鉢を大きくする植え替えのときに根を傷つけると、葉が落ちる原因になります。とくに細い根は切れやすいです。栄養や水分を吸い上げる働きをするため、根が切れると発芽したばかりの葉が枯れることがあります。やさしく扱いましょう。
葉が枯れる原因③根腐れ
アボカドは水が好きな植物ですが、水やりのしすぎは根腐れの原因になります。根腐れのおもな原因は酸素不足です。水耕栽培をしている場合、夏は1日2回ほどの水替えがおすすめです。水の温度が上がりすぎると、水中の酸素が足りなくなり根腐れをおこします。鉢植えの場合も土が常に湿っている状態はよくありません。土の中の酸素が不足して根腐れをおこし、葉が乾燥して丸まって枯れます。
葉が枯れる原因④葉焼け
アボカドは熱帯地域や亜熱帯地域原産の植物で、日光を好みます。しかし、鉢植えで室内栽培をしている場合、いきなり真夏の直射日光が当たる日向に出すと葉焼けをおこします。葉焼けを起こした葉は、復活しません。葉焼けした葉は、カットしてください。屋外へ出す場合は、徐々に日光に慣れさせましょう。
葉が枯れる原因⑤温度管理
熱帯地域原産のアボカドは、日本の寒冷地では冬を屋外で越すのは難しいでしょう。アボカドが順調に成長するには、15℃~33℃が最適です。霜が降りる地域や積雪のある地域では、冬の寒さに耐えられず葉が枯れます。冬になって温度が下がってきたら、室内で管理するのがおすすめです。また、暑すぎても地中の温度が上がり、蒸れて葉が落ちる原因になります。
ボタニ子
冬に枯れて葉が落ちても、根が生きていれば切り戻しで復活するわ。でも、冬の管理は気をつけてあげてね。
葉が枯れる原因⑥根づまり
アボカドを鉢植えで栽培している場合、根づまりで葉が落ちることがあります。根づまりした状態で水を与えても吸い上げられないため、根腐れの原因にもなるのです。アボカドは根張りがよい植物なのため、植木鉢の下から根が出てきたら根づまり予防に植え替えましょう。
葉が枯れる原因⑦病害虫
アボカドにつく病害虫は、炭疽病やハダニ、コナジラミ、屋外での栽培の場合はカメムシやチャハマキなどです。ハダニやコナジラミは、葉水をすることで予防できます。カメムシやチャハマキは、発見しだい駆除しましょう。炭疽病はハダニやコナジラミの症状に似て、初期は茶色い斑点が現れます。カビが元となる病気のため、広がる前に葉をカットしてください。
アボカドの葉を枯らさない対策
対策①水やりのタイミング
アボカドは水耕栽培できる植物で、比較的水を好みますが水やりのタイミングが大切です。鉢植えの土の表面が乾いたら水やりするのではなく、少し指を地中に入れてみましょう。しっとりしているようであれば、まだ水やりのタイミングではありません。小さい鉢植えなら重さでもわかります。先端の葉がしょんぼり下を向いてきたら、鉢皿に染み出るくらいしっかり水やりしてください。
ボタニ子
地植えの場合は、降雨でしのげるわね。でも真夏の日照り続きで葉がしょんぼりしていたら、水やりが必要かもね。
ボタ爺
あまりにも暑い日は寒冷紗で日陰を作ってあげよう。水やりは、涼しい時間帯にすると蒸れを防げるぞ。
対策②風通しをよくする
アボカドは順調に育つと、次々に葉をつけます。株が育って葉が大きくなると、重なり合って蒸れる場合があります。アボカドの葉は蒸れを嫌うため、葉を剪定して風通しよくしましょう。株の形を整える意味もあります。地植えの場合も葉の剪定は大切です。鉢植えの場合は、管理場所の風通しをよくしてください。葉の周辺が蒸れると、炭疽病やハダニなどの発生原因になります。
ボタニ子
アボカドは意外に丈夫で、葉が枯れた茎をバッサリカットしてもまた新しい芽が脇から生えてくるわ。
ボタ爺
風通しをよくしておけば、新しい芽も出てきやすいの。立て込んだ葉は茎から剪定しよう。
対策③植え替えは優しく
アボカドは根が傷つくと、葉が落ちることがあります。大きく育つ植物のため、鉢植えの場合は植え替えが必要ですが、実はアボカドは植え替えが苦手です。植え替える場合は一回り大きな植木鉢に、根の形を崩さずそのままそっと植え付けましょう。あとから周囲に用土を入れてください。植木鉢は大きすぎると水揚げしづらいため、一回り大きいくらいがちょうどよいです。
ボタニ子
大きく育つからとあらかじめ大きな鉢に植え替えると、いつまでも土が乾かずに根腐れの原因になるから気をつけましょうね。
対策④日々の観察
アボカドの葉が落ちる原因は複数あります。早期発見できれば、数枚の被害で食い止められます。それには日々の観察が大切です。虫がついていないか、枯れ始めた葉はないか、お手入れの際に観察してください。一度枯れた葉は復活しません。枯れるのにもパワーが必要になるため、発見しだいすぐに取りのぞいてください。
ボタニ子
枯れた葉は復活しないけれど、新しい葉は元気に出るわ。よく観察して枯れていたら、怖がらずに取りのぞいてあげましょう。
枯れた葉のカットのしかたは?
アボカドの葉は、上の方に多くつきます。下の方の葉が黄色くなって枯れ落ちても、心配はいりません。葉の先だけ枯れてきた場合は、ハサミでその部分を切り落としましょう。葉は枯れるにもエネルギーを使うため、カットすると株の負担が減ります。枯れた部分が多い場合は、葉ごと切り落としてください。
青々としたアボカドの葉を楽しもう
アボカドの葉は枯れる原因が多いものの、それぞれに対処のしかたがあります。対処方法がわかれば、枯れることに神経質にならずにすみます。育て方は難しくなく大きく育つため、初心者の方もアボカドを食べて種が残っていたら気軽に栽培してみましょう。アボカドは成長が早く、株が育つと葉も大きくなり存在感があります。部屋のインテリアとして、大きな葉の成長を楽しんでください。
画像:筆者撮影