ディスキディアとは
ディスキディアは、美しい緑の葉っぱが可愛らしく、小さな花も咲く人気の観葉植物です。時折あらわれるハート型の葉がまた人気の理由のひとつです。今回はディスキディアの育て方や、枯れる原因と対処法、うまく夏越しや冬越しさせる方法をご紹介します。
ディスキディアの基本情報
ディスキディアは、東南アジアやオーストラリアなどの亜熱帯地域が原産地の、蔓性多年草です。ガガイモ科ディスキディア属で、多肉植物であり、その特徴は、袋状の丸みのある肉厚な葉でしょう。原産地では、岩や木などに着生している、着生植物です。
ディスキディアの名前の由来
ディスキディアという名前は、もともとはギリシャ語の「ディスキス」という言葉が由来です。言葉を日本語に訳すと、「2つに裂けた」となり、ディスキディアの花の形が裂けているように見えることから、その名が付けられたといいます。
ディスキディアの種類と特徴
ディスキディアは着生植物のため、根ではなく、葉から養分や水分を取り込みます。ディスキディアの中には貯水嚢を持つ種類と持たない種類があります。貯水嚢は葉が肥大化し、内部が空洞になったもので、中にはアリが巣を作ることもあります。
ディスキディアにはハートの形の葉がある
ディスキディアには種類が多く、自生しているものから、園芸用の品種を含め世界に約80種類があるといわれているのです。日本で流通しているものだけでも相当な種類があります。その中でも、やはりハート型の葉が現れる品種や、「ミリオンハート」などのハート型の葉が連なる品種は人気が高いです。
ディスキディアの育て方
「ペクテノイデス」に代表される特徴的な貯水嚢や、「ハートジュエリー」のようにハートの葉をもつディスキディア。枯らさないためには細やかな管理が必要になります。そんなディスキディアの育て方をご紹介しますので、育てるときの参考にしてみてくださいね。
ディスキディアの育て方(日当たり)
もともと日光を好む植物ですから、春と秋の日差しが柔らかな時期は、日光の良く当たる場所か、半日陰に置くといいでしょう。ただし、西日の当たる場所は避けるようにしたほうがいいです。(※半日陰は1日に数時間、日光の当たる場所のことです。)
真夏の直射日光は危険
日光を好むとはいえ、真夏の直射日光は刺激が強すぎて葉焼けをおこすため、避ける必要があります。屋内であれば、カーテンや、ヨシズなどで遮光しましょう。木漏れ日のような環境を作れるのが理想です。屋外であれば、遮光ネットなどを活用します。
原産地は熱帯
熱帯原産の植物なので、暑さには強く、寒さには弱いです。日本では、屋外での越冬はかなり難しいため、地植えには向いていません。冬はなるべく屋内の暖かい場所に移動しましょう。ただし、エアコンの風が直接当たると乾燥する上に、葉が傷むため、屋内に移動した場合はエアコンの風が当たらない場所に置くようにしましょう。
ディスキディアの育て方(水やり)
ディスキディアは乾燥には比較的強い植物です。土中の過湿には弱く、空気中の湿度は高いほうが好みという特徴があります。そのため、水の管理がやや難しい植物になります。水やりは土の表面が乾いてからにしましょう。水やりをするときにはしっかりあげるようにします。
冬の水やりに注意
冬はディスキディアの成長が緩慢になります。そのため、水やりは控えめにして、乾燥気味に管理するのがおすすめです。ただし、乾燥しすぎると枯れるため、葉水で水分の調整をしましょう。
根腐れの原因は水のあげすぎ
ディスキディアが枯れる原因の多くは水のあげすぎで、根腐れを起こすためです。土が湿っている間は水はあげないように気をつけましょう。
葉水は必要
空気中の湿度は高いほうが好みのディスキディアは、葉から水分や栄養を吸収する植物です。特に葉の水分が蒸発して乾きやすい真夏や、空気が乾燥する冬は葉水をあげるといいです。葉水をすることで、ほこりなども落とすことができます。葉水は表面だけでなく裏側にも吹きかけるのがポイントです。(※葉水は霧吹きで株全体に水を吹きかけることです。)
ディスキディアの育て方(肥料)
肥料は春から秋にかけて、ゆっくり効く置肥を2ヶ月に1度おきます。液肥の場合は薄めたものを10日に1度の間隔で与えるといいでしょう。あまり強い肥料を与えてしまうと、肥料に負けて枯れることもあるので、注意しましょう。
真夏に肥料はあげないように
真夏はディスキディアが弱る季節です。肥料を与えると肥料に負けてしまいますので、肥料は与えないようにしましょう。
ディスキディアの育て方(用土)
赤玉土をベースに、バーミキュライトやピートモスを配合し、水はけのいい土をつくりましょう。市販の観葉植物用の土が便利です。
水苔
ディスキディアは着生植物なので、水苔でも育てることができます。飾り方によっては水苔の方がいいこともありますので、どこにどんな風に飾るのかを考えてから用土を用意するといいでしょう。
ディスキディアの育て方(植え付け)
苗を購入して植え付け
ディスキディアは一般的には、苗を購入して植え付けます。時期は4月~5月の暖かい日にしましょう。根に付いた土はできるだけ落とさず、新しい鉢に植え付けます。定着するまで、風通しと日当たりのよい場所に置くようにしましょう。
ディスキディアの育て方(植え替え)
植え替えの時期は気温に注意
ディスキディアを植え替えするちょうどよい時期は、4月~5月です。寒さが苦手なディスキディアの植え替えを寒い時期にしてしまうと、枯れることもあるので植え替えは十分に気温が高くなり、あたたかくなってからにしましょう。とはいえ、日本の梅雨や夏にも弱いディスキディアですから、植え替えがあまり遅くなってもいけません。植え替えの時期は気温に十分注意しましょう。
植え替えをしないと根詰まりで枯れることも
どうしてわざわざ植え替るのか、と思う人もいるかもしれませんが、ディスキディアは着生植物ではありますが、案外しっかり根を張るため、成長しても鉢を変えずにおくと、根詰まりを起して枯れることがあります。そのため、定期的に植え替える必要があるのです。成長の早い植物ですので、植え替えの目安は1年~2年がいいでしょう。