トックリランとは
トックリランというと、どのような植物を想像しますか。トックリのような花を咲かせる蘭とイメージする方もいるでしょう。実際は蘭のイメージとは程遠く、開花した状態を見るのが難しい観葉植物です。寒さに気をつければ自宅でも楽しめるトックリランの特徴や育て方のコツなどを紹介します。
トックリランの基本情報
キジカクシ科トックリラン属の常緑高木
園芸分類 | 観葉植物 |
形態 | 多年草 |
原産地 | メキシコ・アメリカ南西部 |
高さ | 10cm~1.5mほど |
耐寒性 | 弱い(国内の温暖な地域なら育つ) |
耐暑性 | 強い |
耐陰性 | 日陰でも育つが弱い |
花の色 | ごく薄い黄色 |
開花時期 | 6月~7月にかけて |
トックリランの特徴
開花した様子が徳利(とっくり)に似ていないなら、どのような特徴があるのでしょうか。トックリランの根や花の特徴を見ていきます。
根元の丸いふくらみ
トックリランの根本を見てみると、丸くふくらみ丈夫がくびれたような形をしています。お酒が入った徳利(とっくり)と似ているように見えるでしょう。この特徴のある根の形が名前の由来です。
水のタンク代わり
観葉植物は気温が高い場所が原産であることが多く、トックリランも同様です。こぶのようなふくらみは貯水タンクです。乾燥した高温の地域でも枯れないように水を貯めておけます。
花
淡黄色に開花するトックリランですが、なかなか見るのが難しいといわれています。ここでは花について紹介します。
開花時期
トックリランの開花時期は6月~7月、梅雨の頃からだんだん暑くなる時期にかけてです。樹木のてっぺんに伸び、かわいらしい小さなつぼみが集まるようについて開花するのが特徴です。
開花が難しいのはなぜ?
トックリランは、開花を見るのが難しい種類の観葉植物です。開花するのが数十年の間に1回程度しかありません。花がつきにくいのが特徴で、いずれの種類も開花には樹齢が10年以上経過する必要があります。1回咲いたとしても、次の開花を目にする可能性は非常に少ないでしょう。
トックリランの名前の由来
トックリランは日本でついた名前です。特徴のある形から、海外で他の名前で呼ばれていたり、品種名がついていたりする場合もあります。ここでは、代表的な3つの別名を紹介します。
ポニーテール
トックリランの英語名は「ponytail palm(意味:ポニーテールのヤシ)」です。ポニーテールは頭頂部に近いところで結ぶヘアスタイルですね。幹のてっぺんから細い葉が出ている特徴が、ポニーテールで結んだ髪のようにふさふさとしているところに似ているためにつけられました。
ノリナ
トックリランは「Nolina(ノリナ)」と呼ばれる場合もあります。店舗で観葉植物の品種名に「ノリナ」が含まれていることもあるでしょう。現在は「トックリラン属」ですが、昔は「ノリナ属」でした。旧属名がそのまま名前に流用されています。
象の足
根本の膨らみをトックリに例える代わりに、「象の足」に見立てて呼ばれています。乾燥してひび割れたように見える外見が、象の足の皮膚に似ているからともいわれています。
出典:写真AC