バラのドライフラワーの作り方
お気に入りのバラを選んだら、いよいよドライフラワーを作ってみましょう。ハンギング法が最も代表的で簡単な作り方です。他にも、シリカゲル法、電子レンジ法、ドライ・イン・ウォーター法、グリセリン法などがあります。押し花も、平らなドライフラワーといえるでしょう。それぞれの方法について、作り方の手順やポイントを簡単にご紹介します。
ハンギング法
ハンギング法は最も基本的な作り方で、バラを吊り下げて自然乾燥する方法です。輪ゴム、麻紐、はさみを用意します。手順としては、まず茎を輪ゴムで巻いてから麻紐で縛り、逆さまに吊るすだけです。最初に輪ゴムを巻くのは、乾燥して茎が細くなり抜け落ちるのを防ぐためです。麻紐は最も花を傷めませんし、自然素材なので乾燥している最中の見栄えもよくなります。動画のように、輪ゴムを隠して麻紐を巻くと、自然乾燥を待つ間もおしゃれです。
ハンギング法のコツとしては、湿気が少ない日が続く時期を選ぶことです。また、花や茎が互いにくっついた状態だと乾燥しにくいため、なるべく1本ずつ間隔をとって通気性をよくします。直射日光を避け、風通しがよく、一日を通して湿度や温度の変化が小さい場所が最適です。時々向きを変えて全体に風が当たるようにします。1週間~2週間ほどで完成です。ハンギング法では花の量感と色調が落ちますが、シックな風合いのドライフラワーになります。
シリカゲル法
シリカゲル法はハンギング法よりも、生花のときのバラの鮮やかさと量感を残せます。用意する物は、粉末状シリカゲル(ドライフラワー用)、タッパーなどの深さのある密閉容器、はさみ、スプーン、筆などです。顆粒状のシリカゲルは避けます。花びらに粒の跡が凸凹に残るからです。ドライフラワー用のシリカゲルは、花びらの間に入りやすい微細な粉末になっています。こぼれたシリカゲルを受けとめるよう、新聞紙などを敷いて作業しましょう。
手順としては、まず密閉容器の中に深さ1~2cm程度のシリカゲルを入れます。バラの花は茎を1cm程度残してカットしましょう。バラを置く場所を浅くくぼませ、茎をシリカゲルに挿し込みます。次に、バラの上からシリカゲルをスプーンなどでそっとかけていくのです。シリカゲルの重さで花がつぶれず、シリカゲルが花びらと花びらの間に入るように、ていねいに少しずつかけます。バラが完全にシリカゲルに埋まったら蓋をして、1週間~10日で完成です。
容器ををそっと傾けて、上の方のシリカゲルをこぼします。バラの花の先端が出たら、花の乾き具合と場所を確認しましょう。乾燥したバラの花びらは割れやすいので、取り出す際にはやさしく丁寧に扱うのがポイントです。花についたシリカゲルは、やわらかい筆などでそっと払い落します。シリカゲルが青みを失ってきたら吸湿力が落ちてきたサインです。テフロン加工していないフライパンや、鍋や電子レンジで、青い色が戻るまで加熱すれば再生できます。
電子レンジ法
電子レンジ法は、バラをシリカゲルに埋めた状態で電子レンジで加熱します。用意する物は、耐熱容器、ドライフラワー用の粉末状シリカゲル、スプーン、筆、新聞紙、電子レンジです。途中までは上記シリカゲル法と同様の手順で進めます。バラをシリカゲルに埋めたら蓋をしないで加熱するのですが、目安は500Wで1分30秒程度です。電子レンジや花の状態によって加熱時間を加減します。余熱で焦げることもあるので、火傷に注意しながら手早く取り出しましょう。
ドライ・イン・ウォーター法
永遠の命(ドライフラワー)となる前の
— やわらか標本🐟 (@yawaraka_2018) October 27, 2019
哀愁漂うミニバラたち🌹#ドライフラワー #ミニバラ #花 pic.twitter.com/4KRt2F4pwe
ドライ・イン・ウォーター法は、水を少し入れた器にバラを挿し、徐々に水分を蒸発させる方法です。バラを挿して置ける容器、はさみを用意します。手順は、容器に1~5cm程度の水を入れてバラを挿すだけです。バラは花首が垂れやすいので、容器の縁や壁に引っかけるようにして頭を支えます。水替えはしません。直射日光を避け、風通しのよい場所で管理しましょう。バラをドライフラワーにする過程も楽しみながら鑑賞できる方法です。
グリセリン法
グリセリン法は、バラにグリセリン溶液を吸い上げさせて乾燥させる方法です。グリセリンは薬局などで手に入ります。手順としては、まずグリセリン1:熱湯3の溶液を作って冷ましましょう。量は、バラの茎が10~15cm浸かる程度です。そこにバラの花を挿して、暗所で保管します。1週間~10日程度でグリセリンが花びらにしみ出してきたら完成です。グリセリン法では、花のやわらかさと量感を残してドライフラワーにすることができます。
押し花
押し花も、平面に仕立てた簡単なドライフラワーといえます。最も一般的な作り方は、吸湿性がよい紙に挟んで押しをする方法です。手順は、タウンページや新聞紙などの上に、ティッシュペーパーなどを乗せ、花びらを並べます。もう一度ティッシュペーパーを被せてページに挟むのです。上から重い本などを置きます。湿気がこもってくるので、できれば毎日新しい紙に交換するのがきれいに仕上げるポイントです。アイロンや電子レンジを利用する作り方もあります。
ドライフラワーを長持ちさせる保存方法
ドライフラワーを保存する場合には、日光と湿気を避けることが大切です。また、シバンムシという虫の発生にも注意しましょう。ドライフラワーの保存には、少量ならばタッパーなどの密閉容器、大量ならば衣装ケースが適しています。衣装ケースならば花をつぶさないだけの容量があり、除湿剤と防虫剤を一緒に入れて保存が可能です。できるだけ暗く、温度や湿度が変わりにくい場所に置きましょう。
ドライフラワーは枯れることはありませんが、どんなに注意して保存しても退色や劣化を避けることはできません。観賞期間は半年~1年といわれています。ですから、手作りしたドライフラワーは、早めに飾ったり使ったりするのがおすすめです。できるだけ長く美しい状態で楽しむためには、保存と同様に直射日光と湿気を避け、風通しのよい場所に飾ることが大切です。ドライフラワーの経時的な変化をも楽しむ気持ちを持ちましょう。
ボタニ子
次項では、簡単で素敵なドライフラワーの飾り方をご紹介します。
出典:写真AC