はじめに
カラミンサは別名「カラミント」とも呼ばれ、ヨーロッパや中東などでは古くから観賞用・ハーブティーとして幅広く活用されてきた植物です。しかし、一口にカラミンサと言ってもその品種はさまざまあり、種類によって見た目や開花時期なども異なります。ここでは、そんなカラミンサの基本データを分かりやすくまとめました。
カラミンサの基本データ
カラミンサの仲間にはいくつか種類がありますが、一般的にカラミンサと呼ばれるのは「ネペタ種」です。世界的な流通量から見ても、ネペタ種が最も有名な品種と言えます。その一方で、もう一つの「グランディフローラ種」もハーブ愛好家から根強い人気を誇っています。
カラミンサの主な品種
ここでは、カラミンサの主な品種をチェックしていきましょう。
カラミンサ・ネペタ
カラミンサ・ネペタは、主に地中海沿岸やヨーロッパ全土に広く分布している種類です。開花時期は日本の場合で8月~11月ですが、耐寒性・耐暑性に優れるため、関東以西の暖かい地域では越冬もできます。草丈は50cm程度まで育ち、葉は1.5~3cmの卵型、淡い紫色または白色のお花をつけるのが特徴です。
カラミンサ・グランディフローラ
カラミンサ・グランディフローラは、中東やヨーロッパ南部といった一部地域に分布する種類です。葉や花はネペタ種の倍近くまで大きくなり、長さ3cmほどのピンクまたは紫白色の花を咲かせます。開花時期はネペタ種よりやや早く、5月~7月までの3カ月程度が見頃です。
カラミンサの花言葉
カラミンサは、ハーブとしての特徴を表した「清涼」、花や葉が寄り添いあうように密集している様子から「愛のささやき」という花言葉を持ちます。ただし、それとは逆に「別れは静かに」「拒否する心」といった花言葉もあるため、恋人や伴侶に贈る花としては少し向いてないのかもしれません。
カラミンサの香りは?
カラミンサの名前には「calos(美しい)+mint(ミント)=Calamintha」という由来があり、その香りも種類問わずミントとよく似ています。花言葉通り、茎と葉には強い清涼感があり、ハーブティーのアクセントに好まれています。また、ミントと同じくお肌がスースーするような弱い刺激もあるため、お風呂に入れてハーバルバスを楽しむのにもぴったりです。
カラミンサの効果・効能
カラミンサの原産国では、古くからカラミンサの茎や葉っぱが民間医療の場で広く活用されています。その活用法はハーブティーやハーバルバス、香辛料などさまざまで、いろいろな悪症状の改善に役立ってくれるのです。また、カラミンサを利用することで病気の予防に繋がる場合もあるため、効果・効能についても覚えておきましょう。
ストレス・不眠症の方におすすめ
ストレスや不眠に悩んでいる方は、乾燥させたカラミンサをネットなどに包んだものを湯船に入れて、ハーバルバスとして利用するのがおすすめです。カラミンサには発汗作用や美肌効果もあり、短時間の入浴でも疲れをスッキリ取れます。カラミンサの香りにはリラックス効果もあり、ストレス解消にも役立ってくれるでしょう。
風邪のときはハーブティーに
カラミンサには抗菌・去痰・抗ヒスタミン・発汗作用などがあるため、風邪の諸症状の軽減にも役立ってくれます。風邪で熱があるときには身体が水分不足になりがちのため、カラミンサのハーブティーで水分補給をするのもよいでしょう。
カラミンサのハーブティーレシピ
カラミンサのハーブティーは、生の葉や茎を沸騰させない程度の温度で煮出すだけで簡単に作れます。葉や茎を乾燥させる場合は、茎付きのカラミンサを室内に紐や洗濯バサミなどでぶら下げておくだけでOKです。1週間くらい干しておけばすぐに煎じて飲めます。開花時期に合わせて干せば、ドライフラワーとしても楽しめます。
神経・消化係の不調にも
カラミンサは神経性の消化不良にも効果が期待できる薬効植物です。ストレスで胃が重かったり、飲み過ぎ食べ過ぎでお腹が張ったりしているときは、カラミンサのハーブティーを飲んで身体の中からスッキリしましょう。なお、アイスは胃に負担がかかってしまうこともあるため、できればホットで飲むのがベストです。
カラミンサを利用するときの注意点
カラミンサはとても身体によいハーブですが、その成分の中にはハーブなどの植物に比較的多く含まれる「ケトン類」という神経毒性の成分が含有されています。健康な方なら特に問題は無いですが、以下の条件に当てはまる場合は飲用・食用は避けたほうがよいでしょう。
妊娠中の女性は食べないこと
妊娠中・授乳期の女性の身体は非常にデリケートで、ちょっとした刺激でホルモンバランスが崩れたり、お腹の赤ちゃんに悪影響を与えたりしてしまう危険性があります。これはカラミンサに限らず全てのハーブ類・生薬などに言えることのため、カラミンサを含むハーブ類を飲食するときは、必ず事前に医者に相談するようにしましょう。
食べ過ぎるとお腹が緩くなることも
カラミンサのような清涼感の強いものは、食べ過ぎるとお腹が緩くなってしまうことがあります。もちろん、1日2~3杯程度で身体に悪影響を及ぼすことはありませんが、美味しいからといって度を超えた量の飲食は行わないようにしてください。
アレルギーがある人は注意!
カラミンサは直接お肌に触れたり口に入れたりするといった利用方法上、含有成分にアレルギーがある方は使用できない場合があります。過去に別のハーブティーやハーブ入りのオーガニック化粧品・入浴剤などでアレルギー症状が出たことのある方は、必ずお医者さんに相談してから使用するようにしましょう。
まとめ
特徴や注意点を挙げましたが、カラミンサは見た目麗しく身体にもよいハーブです。また、その耐寒性・耐暑性の高さから、ガーデニング初心者でも非常に育てやすい植物でもあります。ハーバルバス以外に芳香剤や匂い袋など、利用する方によってさまざまなアレンジが可能です。この機会に、魅力いっぱいのカラミンサの栽培を始めてみてはいかがでしょうか。
出展:写真AC