ジャーマンカモミールとは
ジャーマンカモミールは、とてもポピュラーなハーブです。マーガレットによく似た白い花びらの花が咲きます。ハーブのお茶としても楽しめます。育て方や植え方、増やし方も簡単なので初心者向きで栽培しやすいハーブです。育て方は鉢やポット、プランターでもよいですし、地植えにしてもよく育ちます。種や苗はホームセンターやスーパーの植物コーナー、インターネットでも手に入ります。
基本情報
名称 | ジャーマンカモミール |
科属性 | キク科シカギク属 |
形態 | 一年草 |
和名 | カミツレ |
原産国 | ヨーロッパ 中央アジア 中国 朝鮮半島 |
発芽温度 | 15~20℃ |
開花時期 | 3~6月 |
耐暑性 | 弱い |
耐寒性 | 強い |
特徴
キク科のハーブですので、花はキクの形をしています。白い可憐な花びらの中央に黄色い部分があります。ここがこんもりと半円の形をしているのがジャーマンカモミールの特徴です。葉に香りはありませんが、花は甘いリンゴのような香りがし、とりたてに熱湯をかけてお茶にするのもおすすめです。乾燥させて冷凍すれば1年くらいは持ちますので、最盛期に収穫しておくとよいでしょう。
種類
カモミールには西ヨーロッパや北アフリカ原産の、ローマンカモミールという種類もあります。花の形などは似ていますが、中央の黄色い部分がたいらです。ジャーマンカモミールが一年草なのにたいし、ローマンカモミールは大型の多年草になります。花だけでなく葉にも甘い香りがありますが、お茶にすると苦味がでるので、アロマオイルなどに活用されることが多いです。
効能
アピゲニン、ルテオリン、ケルセチンなどといった成分が含まれています。神経の興奮を抑え体を温める作用があり、粘膜の抗炎症効果、抗酸化作用なども期待できます。ストレスや不安を感じて眠れないときにお茶にしていただくとよいでしょう。風邪のひきはじめや生理痛のときは症状が緩和されますし、粘膜の炎症を抑えてくれるので、胃腸の調子を整えたいときにもおすすめです。
ジャーマンカモミールの育て方
初心者でも栽培しやすいジャーマンカモミールは、種をまいて育てる方法と、苗を購入して育てる方法があります。種まきの時期や苗の栽培方法などを紹介します。夏があまり得意でないカモミールの管理方法や、冬越しのしかたなどを知ってたくさんの花を収穫しましょう。緑の薬箱と呼ばれるハーブですので、常備しておくと安心です。
ジャーマンカモミールの育て方①植え方
カモミールの栽培方法は、プランターやポット、植木鉢に種や苗を植える方法と、庭や畑などに直にまく植え方があります。基本的に酸性が苦手で、水はけがよい土を好みますので、種や苗を植えるまえに土の準備をしましょう。ハーブ類は全般に乾燥気味な環境を好むものが多く、カモミールもその種類です。土に一工夫するだけで、丈夫に育ちます。種から育てる方法や苗の植え方をご紹介します。
種のまき方
カモミールの種まきは3~4月の春まきと、9~10月の秋まきがあります。春まきは夏までの開花時期に収穫できます。秋まきは翌年の開花時期に収穫です。ポットや底に穴をあけた卵の容器などに種まき用の土をいれ、種をまきます。種が小さいので霧吹きか腰水で保湿します。日光が必要なので土はかぶせません。発芽まで2週間ぐらいです。込み合ったところはピンセットなどでそっと間引きします。本葉がでたら根を切らないように注意して苗用のポットなどに植え替えましょう。
プランター栽培
水はけのよい土を好みますので、赤玉や腐葉土、パーライトなどを混ぜた土を使います。酸性の土は嫌いますので、苦土石灰を混ぜましょう。4分の1くらいまで土を入れ、ポットの形をくずさないように苗を置きます。20~30cm間を置いた方が良いでしょう。土をプランターや植木鉢のふち、2cmくらいまで入れたらたっぷり水をやります。根が定着し、新しい芽が出始めるまでは日陰の風通しのよい場所で管理しましょう。
地植え
苗を植える1週間くらい前に土を整えておきます。苦土石灰や腐葉土、緩効性化成肥料などをまぜこみ、土がふんわりするようによく耕しておきましょう。繁殖力が強いので苗同士の距離は離します。苗のポットの形をくずさずにそのまま入るくらいの穴をほり、そっと植え土をかぶせます。その時に、他の地面よりも少し高くこんもり山形になるようにしましょう。水はけがよくなります。
ジャーマンカモミールの育て方②季節
カモミールは耐暑性が弱く、耐寒性が強いハーブです。夏の蒸し暑さに弱いので、風通しだけはしっかり管理してあげましょう。逆に屋外でも冬越しができるくらい耐寒性が強いので、神経質にならずに思い切って育ててみましょう。もちろん、日差しのあたる室内で観葉植物のように育てることも可能です。
夏の管理方法
耐暑性は弱いですが、花は夏前には終わってしまって枯れてしまうのであまり気にせずに育てます。種を収穫して増やしたい場合は、枯れるまで風通しのよい場所で管理しましょう。蒸れると病気の原因になったり、虫が発生したりすることがあります。夏に近い時期の水やりは葉にかからないように根本にあげましょう。常に根が湿った状態だと根腐れをおこしますので、土が乾いてからたっぷり水やりします。
冬越し
カモミールは冬越しができるほど、耐寒性に強いハーブです。秋まきの種は芽が出てから冬越ししますが、翌年の開花までには大きな株に育ち、花もいち早く咲きますのでおすすめです。また、春まきして夏に枯れた株からこぼれおちた種が自然に発芽し、冬越しすることも少なからずありますので、プランターで育てている場合もそのまま翌年の春に花の収穫ができることがあります。
ジャーマンカモミールの増やし方
カモミールは苗を育て、花を全部収穫せずに種を育てる増やし方と、剪定した枝から発根させ挿し木をする増やし方があります。種は秋か翌年にまくのに使えますし、挿し木の場合は、そのままのシーズンに花を増やすことができます。カモミールは繁殖力が強く、丈夫なハーブですので、どちらの方法でも増やすことが可能です。
種
花びらが落ち、カモミールの花の黄色いこんもりした部分が茶色くなってきたら種が作られている状態です。茶色に乾燥してきたら、花の下の部分からそっとはさみでカットします。枝ごと剪定する場合も種が落ちないように注意しましょう。すべての花を枝から切り離したら、新聞紙にひろげしっかり乾燥させます。湿度があるとカビが発生してしまうことがあるからです。完全に乾いたらそっと手でもむと種が収穫できます。
挿し木
蒸れが苦手なカモミールは風通しがよいように適度に剪定します。そのときに元気のよい枝を挿し木して株を増やしましょう。挿し木用の土をしめらせてポットに入れ、割りばしなどで枝が入る大きさに穴をあけます。10~15cmに切った枝を差し込み土をかぶせます。発根するまで2週間ぐらいです。4~5週間で芽や葉がでますので、プランターや地植えに植え替えます。カモミールの発根は水栽培では弱いのでおすすめしません。
まとめ
ジャーマンカモミールの育て方や増やし方などをご紹介しました。カモミールはハーブティとしても、入浴剤としても効能が多くあります。花びらがまっすぐで中央の黄色い部分がこんもりしている時期に収穫すると香り、効能ともに十分に堪能できます。腰痛や目の下のクマの改善、血糖値の上昇を抑えるなど、まだまだ効能がたくさんある優しいハーブです。ぜひたくさん収穫して冷凍し、1年中楽しんでみてください。
出典:pixabay