アロエベラとは?
アロエベラはススキノキ科アロエ属の多肉植物のなかまで、アラビア半島南部、北アフリカ、カナリア諸島などが原産の乾燥に強い植物です。ほかのアロエに比べて葉が大きく肉厚で、比較的苦みが少ないため、食用や化粧品の原料として幅広く利用されています。お手入れが楽で室内での栽培にも向き、力強くシャープな姿が好まれ観葉植物としても育てられています。
アロエベラの基本データ
学名 | Aloe vera |
科名 | ススキノキ科 |
属名 | アロエ属 |
別名 | Aloe barbadensis(アロエ・バルバデンシス) |
原産地 | アラビア半島南部、北アフリカ、カナリア諸島 |
分類 | 多肉植物、観葉植物 |
樹高 | 60cm~100cm |
アロエベラの名前の由来
「アロエ」とはアラビア語で「苦い」を、「ベラ」はラテン語で「本物の」を意味します。「分類学の父」とも称され、植物学者、生物学者、博物学者でもあるスウェーデンのカール・フォン・リンネが、「ベラこそ真のアロエ」という意味を込めて名付けました。
アロエベラの苗の選び方
インターネットの専門店でも良質な株が購入できますが、春になり暖かくなると園芸店やホームセンターでも販売が始まり、実際に手に取って選ぶことも可能です。すらりと細長いシルエットのものよりも、全体的にずんぐりとした締まったものを選びましょう。葉は濃い緑色で大きく、肉厚で弾力性があり、葉の縁についたとげは固く鋭いほど良質な株です。
アロエベラの育て方
よい苗が手に入ったら、今度は適した環境で大きく育ててあげましょう。肉厚な葉が収穫できれば、ヨーグルトにトッピングするなど、美容と健康のためにさまざまな使い道があります。基本的には丈夫で初心者の方でもかんたんに育てられる植物です。ここからは、健康に育てるためのポイントや注意点をご紹介します。
アロエベラの育て方①育てる環境
日当たりと風通しのよい場所で育てます。4~10月頃の暖かい時期に成長するので、室内で観葉植物として育てている場合でも、できるだけ屋外に出して日光浴をさせましょう。そのとき、急に強い日光に当てないように少しずつ慣らします。気温が10度を下回るころには室内の日当たりのよい場所か、霜があたらない軒下などに移動させます。強い霜が降りない暖地では地植えでの栽培も可能です。
アロエベラの育て方②水やり
アロエベラは葉のゼリー状の部分に水分を蓄えている多肉植物なので、水分が不足したからといってすぐに枯れることはありません。春から秋にかけて成長する時期には、土がしっかりと乾いたことを確認してから、鉢の底から流れるくらいたっぷりの水を与えます。冬の水やりは根腐れの原因になりやすく、水を与えないことで休眠状態になり冬を越しやすくなります。春になり暖かくなったらゆっくりと水やりを増やしていきます。
地植えの場合の水やり
地植え栽培の場合、根付くまでは土が乾燥したら水を与えますが、根付いてしまえばほとんど必要ありません。自然に降る雨のみで育てた方が強く大きな株に成長します。真夏や雨が降らない日が続くなど、ひどく乾燥するときだけ水を与えましょう。
ボタニ子
基本的に水やりが必要なのは、春から秋の鉢植えだけだよ。冬は水を切って冬越しさせてね!
アロエベラの育て方③肥料
春から秋にかけて成長する時期に、1~2か月に1度緩効性肥料を与えるか、2週間に1度液体肥料を与えます。薬や食用などに利用する場合で化学肥料に抵抗があれば、醗酵油かすか醗酵鶏糞などの有機肥料がおすすめです。成長する時期は2か月に1度、株の大きさに合わせて大さじ1~3杯を根元から離して埋めます。11月以降は休眠期に入るので必要ありません。
ボタニ子
アロエベラに適したよい土に植えてあげれば、肥料がなくても元気に育つよ。肥料の与えすぎはダメージになるからひかえめを心がけてね!
アロエベラの育て方④用土
水はけと保水性がよい用土が最適です。自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1または、鹿沼土(小粒)2:赤玉土(小粒)2:ピートモス2:川砂2:くん炭2の割合でよく混ぜ合わせます。市販の多肉植物やサボテン用の培養土も適しているので、少数の植え替えなどには手軽に利用できておすすめです。
アロエベラの育て方⑤植え付け・植え替え(鉢植え)
植え付けや植え替えの時期は春が最適ですが、生育期ならいつでも可能です。根が窮屈になったときや、苗を入手したタイミングで早めに行いましょう。元の鉢よりひとまわり大きな鉢に土を崩さないように移しますが、栽培に適したサラサラの土では安定しづらいため、隙間ができないように注意しながらしっかりと土を入れていきます。その後鉢底から流れるくらいの水を与えます。
アロエベラの育て方⑥植え付け(地植え)
鉢植えで育てるよりものびのびと大きく育ち、葉肉が厚く質のよい葉に成長するので、強い霜が降りない暖地であれば地植えがおすすめです。春になり暖かくなったら、庭土に腐葉土やバークたい肥などを混ぜ込み、やや高めに植え付けます。地植えの場合も、水はけがよい環境づくりを心がけましょう。
アロエベラの育て方⑦株分け
4~9月頃が株分けに適した時期です。植え替えと同時に株分けするなら、鉢から株を抜き取り、親株の根元にできた10cm以上のサイズの子株を、清潔なナイフか手で分けて外します。植え替えのときでなければ、そのまま子株だけ引き抜いてもよいでしょう。子株の切り口を日陰で1週間ほど乾かしてから植え付けます。その後、1週間ほどたってから水を与えてください。
アロエベラの育て方⑧挿し木
もう一つの増やし方は、茎から出た新芽を利用した挿し木です。挿し木も暖かい生育期に行うとよいでしょう。新芽が成長したら、清潔なカッターやナイフで根元から切り取り、切り口を1週間ほど日陰で乾燥させてから茎の部分を土に挿します。その後、1週間ほどたってから水やりを始めると、1か月ほどで発根します。
アロエベラの育て方⑨剪定
多くの植物が、大きくなりすぎたり樹形が乱れたら剪定を行いますが、アロエベラの場合は、その剪定にあたる「仕立て直し」を行います。株の上部の形のきれいなところを残して、清潔でよく切れるナイフか包丁で切り取り、日陰で1週間ほど切り口を乾燥させてから植え付けます。その後は1週間ほどたってから水を与えます。
ボタニ子
株分けも挿し木も仕立て直しも、雑菌が入らないように切り口をしっかり乾かすのがポイントだよ!1週間くらいそのままでも枯れたりしないから安心してね!
アロエベラの育て方⑩病気・害虫
春と秋に水のしみのような模様の灰色カビ病(ボトリチス菌)が発生したら、すぐに傷んだ葉を取り除き薬剤散布してください。ウイルスに感染した場合は葉に黒い斑点が現れますが、治療ができず他の株に感染してしまうので早めに処分しましょう。また、春先にアブラムシが発生することがあるので、早めに殺虫剤で対処します。また、カイガラムシは殺虫剤が効きにくいので、歯ブラシなどでこすり落とします。
ボタニ子
枯れ葉や傷んだ葉をこまめに取り除いて風通しよく清潔に育てれば、病害虫を防ぐことができるよ!
まとめ
アロエベラはとても丈夫な植物で、水や肥料を与えすぎたり霜に当てたりしなければ、そう簡単に枯れることはありません。また、株分けや挿し木でどんどん増やすことができるのも魅力のひとつでもあります。大切に育てて大きく成長したら、充実した葉を利用して、食用や美容に利用するのもまた楽しみが広がりますね。まずはひと鉢から育ててみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC