奇想天外とは?
世の中には不思議な名称をもった植物が生息しています。その中の一つが、「奇想天外」という名前を持っている不思議な品種です。植物の名前にするには似合わない言葉ですが、なぜそのような名称を与えられ、また、どのような特徴を持っているのでしょうか?今回は奇想天外という変わった植物の概要に迫っていきます。実際に個人で所有するのは可能なのかといった内容も含めて解説します。
奇想天外の名前の由来
奇想天外という名称は当然日本で使われていますが、正式名称は「ウェルウィッチア(Welwitschia mirabilis)」といいます。この品種の発見者がオーストリアの探検家でフリートリッヒ・ヴェルヴィッチュ(Fridrich Welwitsch)という人物だったことからその名にちなみ命名されています。世界三大珍植物の一つとされ、花言葉も該当するものはありません。奇想天外はとても謎めいた植物です。
日本での名前の由来
そして日本名では「奇想天外」あるいは「サバクオモト(砂漠万年青)」とも呼ばれています。それにしてもなぜ奇想天外という名前がついたのでしょうか?実は、原産地から日本で初めて種子を輸入した園芸商、石田兼六という人物によって、1936年に命名されました。おそらく見た目のグロテスクな感じや大胆な形状からそう名付けたのだろうといわれています。
奇想天外の特徴
奇想天外は、アフリカ南部の西海岸に位置するナミビア共和国もしくはアンゴラ共和国にかけて広がるナミブ砂漠内、そのごく限られた地域にのみ自生している裸子植物です。きわめて特殊な多肉植物なので、その希少性が注目されています。砂漠に生息しながらも、水分を求めて生き残ったものだけが自生しているといわれています。
砂漠に適応する植物
奇想天外の生息する地域は、アフリカのごく限られた砂漠地帯のみです。砂漠という、植物や生物にとってたいへん過酷な環境の中で、運よく着床しているのも大きな特徴です。その理由は、根が水源に辿り着くまで長い時には10mも伸ばしたり、葉の気孔から大気の湿気を吸収するといった能力が長けたものだけが生き残っているからだとされています。
植物としての定義があいまい
実は奇想天外という植物が多肉植物の定義に入るのかどうかが、本当のところでは正確ではありません。その点があまり解明されていないまま今に至っています。たまたま多肉植物関係の人物が研究に係わったということもあって、一応多肉植物系の分野として落ちついたとされています。
雌雄異株な植物
奇想天外は裸子植物特有な雌雄異株の植物です。雄花と雌花は球果状の穂状花序をつくります。しかも葉の基部から伸びた雌株は30cmくらい、雄株は短く分かれた花茎の先に付きます。さらに奇想天外の面白い特徴の一つは、茎の先端から大きく二つに裂けて帯状の葉を1個ずつ持っていることです。たくさんあるようでいて、実は二つの葉しか持たない形態を成しています。
「奇想天外」は栽培可能な植物なのでしょうか?次のページで、くわしく見ていきましょう。