ネモフィラとはどんな花?
ネモフィラは青空のような澄み切ったブルーが美しい花です。1つひとつは小さな花ですが、集まって咲くとまるで一面に青いカーペットが広がっているかのように見えます。このネモフィラとはどのような花なのか、詳しく説明しましょう。
ネモフィラの基本情報
学名 | Nemophila |
属名 | ムラサキ科ネモフィラ属 |
分類 | 一年草 |
花色 | 青・白・紫 |
草丈 | 10~20cm |
開花時期 | 4月~5月 |
ネモフィラは北アメリカ原産の一年草で、春に咲いた花が終わると株はそのまま枯れてしまいます。このため翌年も花を見たい場合は花後の種を採取しておくとよいでしょう。花の色は鮮やかな青が一般的ですが、白や濃い紫の花を咲かせる品種もあります。草丈は低く、横に広がって伸びるため、花壇に植えるとグランドカバーとして利用可能です。また鉢植えやプランターで寄せ植えにすると、垂れるように咲く青い花が楽しめますよ。
花の特徴
ネモフィラの花は5枚の花びらが一重に咲く、直径2cmほどの可憐な小花です。花びらの外側が鮮やかなフルーで、中心に白いぼかしが入ります。このネモフィラの花が一面に咲き広がると、まるで青空と白い雲のようにも見えてとてもきれいです。茎は細く、葉も細かい切れ込みが入った小さな葉で、全体的にはきゃしゃなイメージがありますが、意外に強くてとても育てやすい花です。
名前の由来
名前の語源はギリシャ語
ネモフィラ(Nemophila)の名前は、ギリシャ語で「小さな森」を意味する「nemos」と、「愛する」を意味する「phileo」に由来します。またギリシャ神話には「恋人と結ばれるためなら死んでもいい」と神に誓ったために死んでしまった彼を思い、ネモフィラという女性が嘆き悲しんだため、それを見た神様が哀れに思って彼女を花に変えた、という伝説があります。可憐なネモフィラの花姿に、その一途な恋心の切なさを感じられそうです。
和名では瑠璃唐草(るりからくさ)
日本では、ネモフィラを「瑠璃唐草(るりからくさ)」とも呼んでいます。瑠璃は花の色から、唐草は葉の形から、このような名前が付いたのでしょう。また英語では「Baby blue eyes(赤ちゃんの青い瞳)」とも呼ばれます。外国の赤ちゃんならではの可愛い名前ですね。
ネモフィラの育て方
ネモフィラは丈夫で初心者でも簡単に育てられます。ここではネモフィラを元気に育てるための栽培方法について詳しくご紹介します。
育て方①栽培環境
ネモフィラは日当たりがよい場所を好みます。また、寒さには耐えますが暑さには少し弱いとろこがあります。しかし、花が咲き終わるのは夏前で、もともと一年草のため夏越しさせる必要もありません。したがって、高温には特に配慮しなくても大丈夫です。蒸れには弱いため、排水性がある用土に植えるようにしましょう。
育て方②水やり
水を与え過ぎると根腐れしたり、蒸れて病気の原因になったりします。ネモフィラは乾燥気味でも大丈夫のため、土か乾いてきたようであれば、たっぷりと与える程度でよいでしょう。
育て方③肥料
ネモフィラは肥料が少なくても元気に育ちます。かえって肥料を与え過ぎると、茎が徒長して間延びしたような草姿になってしまい、あまり美しいとはいえません。花壇植えは肥料をほとんど与えなくても大丈夫ですが、鉢植えやプランター植えの場合は、少し元気がなさそうであれば薄い液体肥料を与えるとよいでしょう。
育て方④病害虫
病気は灰色カビ病にかかりやすい
灰色カビ病とは、多湿が原因で葉にカビが生える病気です。この病気にかかると葉や茎が腐ってしまうため、水を与え過ぎないことが大切です。また込み合った葉や茎は適度に切り取って、株を風通しよくしましょう。
害虫はアブラムシが付きやすい
アブラムシは春先に多く見られて、茎や葉から養分を吸い取ります。見つけたらすぐに手で取り除くか、殺虫剤をかけて駆除するようにしましょう。
ネモフィラの増やし方
一年草のネモフィラは花を咲かせると枯れてしまいます。翌年も育てたい場合は、開花後にできる種を利用して新たな株を作りましょう。ここでは種まきをする増やし方にについて、その方法をご紹介します。
種の採り方
ネモフィラの花が咲いた後、5月~6月に緑の実ができます。この実の中に種ができているため、茶色く枯れるまで待って採取しておきましょう。種はとても小さく扱いに注意が必要ですが、仮に採りこぼしてしまったとしても、その種もこぼれ種として自然に発芽するため、また違った楽しみもありますね。
種の保管
採取した種は湿度と光を遮断した形で保存します。瓶やファスナー付きの密閉袋などに入れて冷暗所に保管しましょう。保管場所としてのおすすめは冷蔵庫です。冷蔵庫の中は乾燥していて光も入りません。さらに冷蔵庫に入れることで種を冬の状態にして休眠させられます。種まきのときに冷蔵庫から出して常温に触れさせると、春が来たと勘違して発芽率を上げることが可能です。
種のまき方
種をまく時期は9月~11月の秋が最適ですが、寒冷地では3月~4月の春にまきます。発芽日数は8~10日です。育苗ポットに3~4粒ずつまく方法や、グランドカバーとして広い範囲で咲かせたい場合は、直接花壇やプランターにばらまく方法もあります。種はとても小さいため、上にかける土も3mmほどで薄く覆うようにしましょう。乾燥しないように時折優しく水をかけてください。
発芽した後の管理
発芽したら日光によく当ててください。本葉が3~4枚になったら元気な苗を残して間引きします。ときどき液肥をかけながら成長を待ちましょう。花壇やプランターに直まきしたものはそのままでよいですが、育苗ポットにまいたものはしっかりと大きな苗に成長したら庭や鉢植えに定植します。ネモフィラは移植を嫌うため、できるだけ根の回りの土を崩さないように、優しく植え替えしてあげましょう。
ネモフィラの群生地
ネモフィラはもちろん自宅でも育てられますが、広大な場所に咲く姿もまた圧巻です。ここでは全国にある有名なネモフィラの群生地をご紹介します。機会があれば行ってみてくださいね!
まとめ
大人気のネモフィラについて、種まきでの育て方などについてご紹介しました。とても育てやすくて愛らしいネモフィラは、太陽にしっかり当てて育てると、徒長せずに株いっぱいの花を咲かせます。庭や鉢植えでたくさんの花を咲かせて種をいっぱい採ると、また翌年は庭中にブルーのカーペットを敷き詰めたようにネモフィラを咲かせられます。ぜひ、ネモフィラを種から育ててみてくださいね。
出典:筆者撮影