ペンタスとはどんな植物?
ペンタスは、熱帯アフリカが原産地の熱帯植物で暑さに強い夏の花です。星に似た形をした小さなかわいらしい花が、枝先にまとまって咲く姿はとても華やかで見ごたえがあります。日常の管理が簡単で病害虫にも強いため育てやすく、ガーデニング初心者にもよくおすすめされる植物です。
ペンタスの基本情報
科属名 | アカネ科クササンタンカ属(ペンタス属) |
和名 | クササンタンカ(草山丹花) |
種類 | 低木 多年草・一年草 |
草丈 | 約30cm~60cm |
開花時期 | 5月~10月頃 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
原産地 | 熱帯東アフリカ |
ペンタスの特徴
ペンタスの特徴は、開花時期が長いことです。耐暑性が高く夏の日差しにも耐えられるため、春から秋まで元気に花を咲かせてくれます。お休み中の植物が多くなる夏の花壇を、かわいい星型の花で華やかにしてくれる貴重な花です。
ボタニ子
育てやすい花みたいだけど、鉢植えや寄せ植えにも向いているの?
ボタ爺
もちろんじゃよ!鉢植えの手入れのコツや寄せ植えの方法は、またあとでじっくり解説するからのう!
ペンタスの名前はギリシャ語が由来
ペンタスはギリシャ語で数字の「5」をあらわす「pente」が語源といわれています。星型の花の花弁が5枚あることから名づけられたのがペンタスの名前の由来です。英名にはペンタスの他に「スタークラスター(星団)」のように星にちなんだ名前がついています。
花色が豊富
ペンタスは花色が豊富で、流通量の多いピンクや赤の他に白色やラベンダー色もあります。枝先にまとまって咲く特徴があるため白色はブーケのように、また赤色は豪華な花束にも見え、色によっても楽しめる植物です。
冬越し可能で多年草としても扱える
耐寒性がないため、日本では地植えのペンタスを春から秋まで楽しむ一年草として扱うことが多いですが、実は冬越しが可能な多年草です。屋内の日当たりのよい場所で乾燥気味に育てれば、冬でも花を楽しめます。
ペンタスの種類
ペンタスには品種改良された鉢植え向きのタイプや、八重咲きタイプなどさまざまな品種があります。流通している人気シリーズをいくつかご紹介します。
ペンタス・ランケオラータ種
一般的にペンタスとして流通しているのがランケオラータ種で、和名が「クササンタンカ(草山丹花)」と呼ばれる品種です。自生地では1~2mほどに成長する低木ですが、日本に流通しているのはガーデニング向きに改良された園芸種です。
グラフィティシリーズ
グラフィティシリーズは、鉢植え向きに改良された園芸種で、レッドの他にローズ・バイオレット・ラベンダーなど花色の豊富さが特徴です。草丈が約40cmと小型です。
八重咲きライカシリーズ
ライカシリーズは八重咲きのペンタスで、花色はピンクの他にローズや白、パープルなどがあります。星型の花の中にもう一つ小さな星型の花が咲く姿がとても愛らしく、人気のシリーズです。
ペンタスオーシャンブルー
赤やピンク系が多いペンタスでは珍しい青色に近い花色の品種です。夏に涼しげな青色がさわやかで、寄せ植え植物としても人気があります。
ペンタスの花言葉
ペンタスには「希望がかなう」「願いがかなう」「願いごと」などの花言葉がつけられています。ペンタスの星に似た花の姿から、流れ星に願うと望みがかなうという言い伝えにちなんで、このようなロマンチックな花言葉がつけられたといわれています。
ボタニ子
素敵な花言葉がついているから、プレゼントにもよさそうね!
ペンタスの育て方
耐暑性があり、夏の強い日差しにも負けない丈夫なペンタスは、育て方のポイントさえおさえれば、ガーデニングの初心者でも上手に育てられる植物です。鉢植えも素敵ですが、日光が好きな植物のため花壇に他の植物と寄せ植えで育てるのもおすすめですよ。
植え付け時期と用土
ペンタスの植え付けに適した時期は5月~6月です。過湿環境が苦手なため、水はけと通気性のよい土を好みます。鉢植えの場合、市販の「草花や野菜用の培養土」を利用すると便利です。地植えの場合は、植え付け場所の土に対して3割程度の腐葉土と適量の緩効性肥料を混ぜてから植え付けるのがよいでしょう。
ボタ爺
配合する場合は「赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2」もしくは「赤玉土6:腐葉土4」を目安にするとよさそうじゃな
ペンタスの鉢植えでの育て方
鉢植えで育てる際の育て方をご紹介します。ペンタスは根が張りやすい植物のため、購入した苗ポットより1~2回り程度大きめの鉢に植えましょう。
鉢植えでの育て方ポイント①置き場所
日当たり、風通しのよい場所で管理します。直射日光による日差しにも強い花ですが、高温で乾燥が厳しい真夏は株が少し弱ってしまう可能性があるため、株の様子を見ながら必要であれば明るい日陰に移動させましょう。
鉢植えでの育て方ポイント②手入れのコツ
- 終わった花や枯れた葉などはこまめに取り除く
- 鉢皿に水をためておくと根腐れの原因になるため、水やり後は必ず捨てる
- 伸びてきた枝は切り戻すと形が整う
- 花がひと通り終わった枝は3節目あたりで切り落とす。風通しがよくなり、切り落とした場所からあらたに新芽もでてくる
- 夏は日差しが強く鉢が乾燥しがちのため、コンクリートに直置きするのは避ける
ペンタスの花壇での育て方
花壇や庭に地植えする場合の育て方をご紹介します。直射日光にも強いため日よけの必要がなく、水はけと風通しのよい場所であれば特に問題ありません。日光が好きな植物ですが、直接日差しの届かない明るい日陰でも育ちます。
花壇での育て方ポイント①植え付け場所
ペンタスは、直射日光にも負けない強い花ですが湿った環境は苦手です。日当たり、水はけのよい場所でも、降雨量が多い場合の株元に水がたまるのを防ぐため、少し高い場所に植えるとよいでしょう。
花壇での育て方ポイント②手入れのコツ
- 数株植える際や寄せ植えをする際は、密集させず株同士の間隔に余裕をもたせるように植えて、風通しをよくする
- 暑さには強いですが蒸れには非常に弱いため、定期的に剪定作業を行う
水やり
鉢植えの水やりは、土の表面が乾燥したらたっぷりと与えます。湿った土は苦手で水を与えすぎるとすぐに根腐れを起こすため注意しましょう。地植えの水やりは、乾燥気味になりやすい夏以外は雨水のみで特に水やりしなくても大丈夫です。
夏の時期は水切れに注意
鉢植えは特に夏の高温時期に乾燥して水切れを起こしやすいです。朝夕1日2回、涼しい時間帯の水やりが目安ですが、鉢の状態を見ながら調節してください。水切れで葉がしおれても、すぐに水やりすれば元気になるため、それほど神経質にならなくても大丈夫です。
肥料
肥料は生育が盛んな開花時期の春から秋にかけて追肥します。ペンタスは次々と花を咲かせるため肥料切れに気をつけましょう。開花している時期は月に1~2回を目安に緩効性の置き肥を追肥します。花付きがよく元気な株は置き肥と併用して2週に1回を目安に液肥も与えてください。
真夏の肥料は控える
あまりに気温が高い真夏時期に肥料を与えると、肥料やけを起こしやすいです。かえって株が弱ってしまうため真夏時期の肥料やりは控えましょう。
次ページでは、ペンタスの管理方法や花壇での寄せ植えの仕方などについてご紹介します!
出典:BOTANICA