シカクマメとは
シカクマメは名前の通り、実の断面が四角い形をしている珍しい植物です。さまざまな料理に利用できることはもちろん、シカクマメをカーテンのように仕立てることもできます。そんなシカクマメの栽培方法や摘心方法、カーテンへの仕立て方などをご紹介します。
シカクマメの基本情報
科名 | マメ科 |
属名 | シカクマメ属 |
英名 | ウィング・ビーンズ |
原産地 | 熱帯アジア |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
シカクマメの特徴
マメ科シカクマメ属に分類されるシカクマメは、名前の通り実を切った断面が四角いのが特徴です。シカクマメは実だけでなく、花や葉も食べることができます。また、枯れた後には土の中に食べることのできるイモができるのも魅力で、たくさん食べる部分のある植物です。
シカクマメの花
シカクマメは、うす紫色のかわいらしい花を咲かせます。大きさは他のマメ科の植物に比べると大きめの3cm〜4cmほどあるのが特徴で、この花は食べることができます。薄く衣をつけて天ぷらにして食べると、見た目もとてもきれいなのでおすすめです。
シカクマメの葉
シカクマメの葉はインゲンの葉の形とよく似ているのが特徴です。花と同じく、シカクマメの葉も食べることができます。葉をきれいに洗ってから天ぷら粉を付け、カラッと揚げるだけで簡単にサクサクのシカクマメの葉を使った天ぷらができます。
シカクマメのつる
シカクマメのつるはどんどん長く成長していく性質をもっています。そのため放っておくとジャングルのようになってしまうので注意が必要です。苗を植えたときにネットに這わせるように育てるか、支柱を使ってアーチのように誘導すると、きれいにつるの管理ができます。
シカクマメの名前の由来
シカクマメの実は四方に羽のようなヒダがあり、シカクマメの実を切った断面が四角形に見えることからシカクマメと呼ばれています。また、この羽のように見える部分をそのまま名前にした「ウィング・ビーンズ」という英名もついている、形が特徴的な植物です。
沖縄では別名「うりずん」とも呼ばれる
日本では主に沖縄地方での栽培が盛んなシカクマメ 。沖縄地方では、シカクマメは「うりずん」や「うりずん豆」とも呼ばれています。これは「うるおい染め」という初夏を指す言葉が元となり、沖縄の方言が混ざり「うりずん」と呼ばれるようになったといわれています。
シカクマメの育て方
シカクマメは家庭菜園でも多く育てられている植物です。ポイントをおさえれば簡単に育てることができるので、初心者にも人気があります。そんなシカクマメの種まきから植え付け、水やりの方法などの育て方をご紹介します。
置き場所
シカクマメは、日当たりのよい場所で育てるとよく育ちます。また、風通しのよい場所で育てると、害虫被害を減らすことができるのでおすすめです。マメ科の植物は連鎖障害を起こしやすい性質があるので、地植えにする場合は以前にマメ科の植物を育てた場所は避けた方が無難です。
用土
シカクマメの用土は、ホームセンターなどに売っている野菜用の培養土が適しています。また、地植えにする場合には、地面の土に苦土石灰を混ぜ込んでおき、さらに完熟牛フン堆肥を加えるとよく育ちます。
種まき
シカクマメの種まきは、暖かくなってきた5月初旬ごろが適しています。ポリポットなどに2粒程度シカクマメの種をまき、育苗していくのがおすすめです。たっぷりと水やりをして育てると、10日前後で発芽します。地植えにする場合には、育てたい場所に直接種をまいてください。
植え付け
シカクマメの植え付けは5月中旬ごろが適しています。5月初旬に種まきをして、10日ほどで発芽し、葉が4枚ほどになったら、苗を植え付けするのがポイントです。シカクマメは縦にも横にも大きく育つので、地植えが向いていますが、大型のプランターに土をたっぷり入れて苗を植え替え、育てることも可能です。
水やり
シカクマメは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えます。あまり水をこまめにあげてしまうと、根腐れの原因になることがあるので注意が必要です。また、乾燥しすぎると枯れてしまう恐れがあるので、少し乾いてきたら水をたっぷりと与えるようにしてください。
肥料
シカクマメには、植え付けから1ヵ月半ほど経ったときに肥料を与えます。粒状の野菜や果物用の肥料を2週間に1度与えるか、液体肥料を水に加えたものを水やりのタイミングで一緒に与えるとよく育ちます。
マメ科の植物特有の「つるボケ」に注意
マメ科を栽培するときに注意が必要なのが「つるボケ」です。これは、肥料を与えすぎてしまうと起こる現象で、実がつきにくくなってしまったり、おいしい実がならなくなったりすることをいいます。そのため、シカクマメに肥料のやりすぎは禁物です。
シカクマメの摘心
シカクマメを栽培するときに摘心は欠かせない作業です。摘心で葉の先端を摘み取ることで、健康的でおいしいシカクマメを育てることができます。葉を残す枚数や、いつ摘心すればよいかなど、シカクマメの摘心時期や摘心方法をご紹介します。
摘心時期
シカクマメは5月初旬に種まきをすると、6月には葉が茂ってきます。その茂ってきた葉を摘心するため、6月中旬から7月が摘心時期です。また、8月から9月はシカクマメの収穫時期なので、それまでには摘心を終わらせておくようにします。
摘心方法
シカクマメを植え付け後、葉が10枚ほどになったら摘心します。先端の葉を摘み取っていきますが、葉が多いとシカクマメの成長が遅くなるので、5枚ほど残せばあとは摘心してしまっても大丈夫です。脇芽も葉を5枚ほど残して、あとは全て摘心するとすくすくと大きく育ちます。
シカクマメの仕立て方
シカクマメはつる性の植物です。ネットや支柱を活用すると、シカクマメのカーテンやアーチを作ることができます。シカクマメの植え付けをするときに、根元にネットを張っておくだけなので初心者にも簡単です。シカクマメをカーテンやアーチにする仕立て方をご紹介します。
カーテンへの仕立て方
シカクマメのつるは2m〜3mほどまで長く伸びるのが特徴です。シカクマメのつるでカーテンを作る仕立て方は簡単で、10cm角のネットを支柱に繋げて立てておくと、その足元からつるを伸ばし、カーテンが仕上がります。家の目隠しや夏場の日よけにもぴったりです。
アーチへの仕立て方
シカクマメでアーチを作りたい場合には、シカクマメの根元にアーチ支柱を立て、そのアーチにそってつるを伸ばすという育て方をします。シカクマメのつるは上に伸びていく性質があるので、アーチは必ず両側に立てるのがポイントです。
シカクマメのレシピ
シカクマメの葉や花もおいしく食べることができますが、シカクマメの実の部分もさまざまな料理によく合います。シカクマメの実を使ったレシピをご紹介します。
シカクマメのナムル
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、シカクマメを茹でていきます。鮮やかな緑色になったらザルにあげ冷水で冷やします。2cm幅に切り、ごま油、すりおろしニンニク、鶏ガラスープの素と混ぜて完成です。仕上げに糸唐辛子をかけると、ピリッとしたアクセントになります。
シカクマメの天ぷら
シカクマメを水で洗い、左右に付いている筋をとります。食べやすい大きさに切ってから、天ぷら粉をつけ、170℃の油でサクッとあげて完成です。塩を少しふりかけて食べると、とてもおいしいのでおすすめです。
シカクマメのパスタ
シカクマメはパスタにもよく合います。パスタを茹で、シカクマメをオリーブオイルで香りがつくまで炒めたものを加え、フライパンでよく炒めます。塩、コショウで味付けをして、シカクマメに火が通って柔らかくなったら完成です。ベーコンなどを入れると、よりおいしくなります。
まとめ
シカクマメの育て方や摘心方法、カーテンへの仕立て方などをご紹介しました。シカクマメは初心者でも育てることができ、カーテンのように仕立てると、家の目隠しや、暑さ対策にも利用できる魅力的な植物です。また。収穫したシカクマメはおいしく食べることができるので、ぜひ一度育ててみてはいかがでしょうか?
出典:写真AC