アゲラタムの育て方
初心者にも育てやすいといわれるアゲラタムには、いくつか育て方のポイントがあります。アゲラタムは、種と花のついた苗の両方が売られていますが、苗は発芽させる手間がなく、購入後すぐに鉢や庭に植えられます。
育て方①種まき
アゲラタムの種まきは4~6月の間、気温が発芽に適している20~25℃になったら行いましょう。鉢か育苗ポットに発芽用の土を用意し、ぱらぱらと土にまきます。発芽用土に、肥料は必要ありません。発芽に光が必要なため、種には土をかぶせないか、薄くかぶせる程度にしてください。水まきは、じょうろでは水勢が強すぎて種が土から流れてしまうため、霧吹きで土が乾かないように行いましょう。種まきをして、5~7日後に芽が出てきます。
育て方②植え替え
アゲラタムの種から育てた苗は、発芽後丈夫に育てるために植え替えます。お店で購入した苗は、根がしっかり張っているため、そのまま寄せ植えにしたり地植えにしたりしてもよいでしょう。
植え替える時期
アゲラタムの植え替えは、発芽し本葉が2~3枚になったころが目安です。しっかり根が張るまで地植えはせず、まずは小さい鉢や育苗ポットで育てましょう。苗の本葉も増え、根が回ったら再度植え替えてください。
植え替える場所と用土
アゲラタムは、日当たりがよい場所で育ててください。日当たりが悪いと、葉や花の色が悪くなります。また、蒸れると株が弱くなりやすいため、植えつけるときには株同士の間隔を15~20cmほどとり、密集して植えつけないように気をつけましょう。植え替え用土は、市販の用土でも問題ありません。水はけのよいものを選んでください。
育て方③水やり
アゲタラムは、水を与え過ぎないよう気をつけてください。原産国が中南米で乾燥状態を好み、むしろ乾燥気味の環境のほうが元気に育ちます。鉢植えの場合、土が乾いたら水やりしてください。真夏は強い暑さと日光により乾燥しやすいため、水切れに注意しましょう。庭植えの場合は、降雨の水分補給だけでも十分で、特別に水やりしなくても問題ありません。雨が降らない日が続いたときのみ、水やりを行ってください。水の与え過ぎは、灰色かび病を引き起こす原因になります。
育て方④肥料
アゲラタムを育てるときは、肥料を与え過ぎないよう気をつけてください。栄養分の少ないやせた土でも育ちます。アゲラタムの植え替えのときに元肥として緩効性肥料を与えていると、頻繁に追肥する必要はありません。秋にも花を咲かせるために、夏の終わりに追肥を行ってください。追肥には、液肥でも固形肥料でも問題ありません。チッソの少ない肥料のほうが、葉の生育にはよいでしょう。
育て方⑤花の管理
こまめに手入れをすることで、よりきれいな花を長く咲かせてくれます。アゲラタムの苗の様子を見ながら、花や苗の管理を行ってください。
病気と害虫管理
アゲラタムは、加湿に弱い花です。枝や葉が込み合い風通しが悪くなると、灰色かび病にかかりやすくなります。また、梅雨や夏は、湿度が高いため葉が腐って枯れてしまうこともあります。風通しがよくなるよう、地面に近い葉を摘んだり株間を透いたりしてください。ハダニがつくことがありますが、葉に霧吹きなどで水を吹きかけると駆除できます。
花がらと葉の管理
次の花をきれいに咲かせるため、花の集団が枯れてしまったら花がらをとってください。また、枯れた葉や地面近くの葉は、そのままつけておくと株が蒸れる原因になります。気づいたときにとりましょう。ひととおり花が終わった夏の終わりのころに切り戻しを行うと、灰色かび病の予防と秋に再度花をつけやすくなります。
育て方⑥冬越し
アゲラタムは寒さに弱く、霜に当たると枯れてしまうため1年草として扱われていますが、もともとは多年草です。冬越しに適切な環境を整えると、アゲラタムは次の春も花を咲かせます。しかし、庭植えのアゲラタムは冬越しができる地方が限られます。
鉢植えのアゲラタムの冬越し
鉢植えのアゲラタムの場合は、気温が下がってきたころに室内に移動させると冬越しできます。室内に移動しても日光を当てたほうがよいため、窓際などのよく日が当たる場所に置いてください。
地植えのアゲラタムの冬越し
地植えのアゲラタムは霜と寒さに弱く、冬に雪が降るような寒い地方では冬越しできません。暖かい地方で、藁などでマルチングを行い地面を覆ってあげると、霜の予防と保温になり冬越しできます。
まとめ
アゲラタムは乾燥や暑さに強く、春から秋にかけて長い期間育てられる花です。アゲラタムの花色や草丈の違いから種類は多く、寄せ植えにも花壇にも植えられます。アゲラタムの花はアザミに似たかわいらしく小さい花ですが、こんもりと多数の花が咲く独特の魅力があります。種や苗から、ぜひ育ててみてください。
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出典:写真AC