オンファロデス 花の特徴
オンファロデスはヨーロッパ・アジア・日本原産の植物で分類はムラサキ科ルリソウ属です。園芸種としては、濃い紫がかった青花のチェリーイングラムに代表される宿根草のカッパドキカ種と、一年草のリニフォリア種、丈があまり高くならないベルナ種などがあります。
オンファロデス 名前の由来は?どんな花言葉?
オンファロデスの名前の由来
オンファロデス(omphalodes)はへそに似たと言う意味で、ギリシア語のomphalos(ヘソ)+eidos(の形)が由来と言われています。小さな可憐な花とへそが結びつかないように思われますが、その種がへその形に似ていることから付けられた名前です。
オンファロデスの花言葉
オンファロデスは、林の中の木々が途切れた光の当たる湿った場所に咲く花です。近世より、多くの園芸家がその特徴と育て方を研究しました。現在では、家々の庭を飾る花となったオンファロデス。その花言葉は「私は考える」です。
オンファロデス・カッパドキカの特徴
カッパドキカは、名前の由来がトルコのカッパドキアであるように、トルコ原産の半常緑性の多年草・宿根草で、コーカサス地方や西アジアに多く自生しています。草丈は25cm前後、比較的寒さに強く、明るい半日陰で生育し、苗から育てます。1.5cm前後の花は5弁花で主に青色で花びらの付け根に、副花冠と呼ばれるでっぱりがあるのが特徴です。カッパドキカ・チェリーイングラム(別名ブルネラ)・オールサマーブルース・スターリーアイズなどの品種があります。
オンファロデス・リニフォリアの特徴
リニフォリアは、南西ヨーロッパ原産で地中海西岸地方に自生が見られます。草丈はカッパドキカより高く35 cm前後。花の大きさ一回りほど小さく6~7 mmでカスミソウに似た白い花を咲かせます。白い粉をまとったような薄緑色のシルバーリーフが人気の品種です。一年草の種をじか植えにして育てます。日当たりが良い場所で水はけを整えると良く育ちます。
オンファロデス 12ヶ月
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
開花 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
苗の植えつけ | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
肥料 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | C | |||||||
種まき | L | L | L | L |
*秋まきの種(苗)は3~5月に、春まきの種は6~7月に開花
記号:〇:カッパドキカ・リニフォニア共通 C: カッパドキカ L: リニフォニア
オンファロデス 育て方
オンファロデス 育て方 ①苗を植える場所の選び方は?
カッパドキカ種は耐寒性があり、やや湿った場所を好みますが、夏の強い西日や乾燥を嫌います。そのため、植える場所は西日が他の植物やラティスなどで遮られる場所が向いています。リニフォニア種は、日当たりが良く、水はけの良い土壌ならあまり場所を選ばずに植えられます。
オンファロデス 育て方 ②土と肥料はどうするの?
カッパドキカ種は山野草用の培養土と置き肥を、リニフォニア種は草花用の培養土にマグネシウム配合の元肥を使えば失敗がありません。水はけのよい環境を好むので、植える場所の土は掘り出し、川砂や赤玉土と混ぜ込んでから養土を合わせ、掘り出した場所へ戻します。鉢で育てる場合は鉢底石を敷いてから、縁から2cm程度の高さまで土をいれます。
オンファロデス 育て方 ③種まきの時期は?どんな苗を選べばよいの?
オンファロデスは3月上旬ころポット苗が販売されます。苗は下葉が枯れたり黄色になっていないものを選びます。種から育てる場合は暖地では直播で、寒冷地ではポットや鉢で育てて3月ごろになってから直植えにします。
種は秋まき?春まき?どちらがおすすめ
オンファロデスは、秋まき(10月)春まき(3~5月)、どちらでも育てられます。おすすめは秋まきです、花が咲くまでの育苗期間が長いので苗がしっかりと育ち、寒さにあたるため苗が丈夫になります。また、春まきにすると花の咲く時期が梅雨時から暑い時期に重なるので花が若干小さくなります。
オンファロデスの育て方 ④植え付け後の管理
苗を植え付けた後、花をつけるまでに大切なことは水やりと肥料やりです。翌年、同じ花を楽しむためには花後の管理も重要です。オンファロデスは日当たりと水やりを管理すれば病害虫の心配があまりない植物です。
苗の植え付け後の水やり
オンファロデスは乾燥を嫌う植物です。植え付け後は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。鉢植え(プランター)の場合も同様に、乾いたら鉢底から水が流れるまで、たっぷりと水やりをします。水やり後は根腐れを防ぐため、鉢皿にたまった水を捨てる事が大切です。
夏の強い日差しを避ける
カッパドキカは半日陰の少し湿った環境を好みます。その為、夏の午後からの強い日差しが当たらない場所に植えることが基本です。日が当たってしまう場合は、すだれなどで日除けをすると良いでしょう。
オンファロデス 花後の手入れ
オンファロデスの花後の手入れは、宿根草のカッパドキカと一年草のリニフォニアでは作業が違います。それぞれの作業について説明していきます。
カッパドキカ 花が咲いた後の手入れ
濃い青い花が咲くチェリーイングラムはグラウンドカバーに人気の品種です。カッパドキカは、株分けで増やす宿根草の植物です。そのため花後の花柄はつんでしまう事が大切です。同時に黄色の傷んだ葉も摘んでしまいましょう。直植えの場合は花が終わって完全に地表部が枯れた10月頃に、腐葉土を混ぜ込むのも良いでしょう。鉢(プランター)の場合は、寒くなる前に鉢を軒下などの暖かい場所へ移動することも忘れないようにしましょう。
カッパドキカの株分け
カッパドキカは宿根草ですが、鉢植え(プランター)の場合は毎年3月上旬に土を入れ替える事が必要です。その時、株が密集するようでしたら株分けして移植します。直植えの場合も株が大きくなってきたら、根を掘り出し、株分けすることをお勧めします。株分けの際には植えている場所の土の半分を新しい土に入れ替えて耕します。
リニフォニア 花が咲いた後の手入れ
一年草のリフォニア種は採種をします。花が枯れた後の1つの花に3~4個の実が付きます。実が熟すと種が落ちるので、花茎が枯れてくる前にネットで覆いをします。枯れた花の上からネットをすっぽりかぶせ、口をテープで固定します。種が完全に茶色なったら花茎の根元でカットして、風通しの良い場所へ吊るします。種は完全に乾燥してから採取します。
オンファロデスの育て方まとめ
カッパドキカ種 | リニフォニア種 | |
植える場所 | 西日のあたらない半日陰 | 水はけの良い日向 |
用土 | 山野草用培養土 | 草花用培養土 |
肥料 | 緩効性化成肥料 置き肥 | 液体肥料 |
水やり | 乾燥を嫌うのでたっぷり潅水 | 乾いたらたっぷり潅水 |
*リフォニア種はマグネシウム配合肥料を植え付け時に施すと花つきが良くなります。
一度は育ててみたい花、オンファロデスの育て方をカッパドキカ種とリフォニア種に分けて表にまとめました。もともと野山に自生していたオンファロデスは、適切な栽培場所で管理すれば丈夫で育てやすい植物です。細い茎をのばして花をつけるため、同一種を密集させて植えたり、数種類の草花と寄せ植えするのがおすすめです。