れんこんについて
れんこんの特徴
れんこんは蓮(ハス)の地下茎が大きく成長したもののことで、切ると断面にいくつもの穴が開いているのが特徴です。漢字では「蓮根」と表記されます。れんこんは沼の中で成長するため、外部から空気を取り込めるように内側には空洞があります。「先を見通せる」ことから、日本では縁起のよい野菜として正月料理などに好んで使われています。
れんこんが黒い原因
原因①穴が黒い場合

ボタニ子
れんこんの穴が黒い原因は「汚れ」と「酸化」の2パターンが考えられます!
土による汚れ
切っていないのに初めから穴が見えた状態で、穴の中が黒い場合は、土による汚れの可能性が高いでしょう。れんこんは泥水の中で成長するため、水の通り道である穴に土が溜まるのは珍しいことではありません。嫌な臭いなどがなければ、安心して食べられます。
穴の内側が酸化している
れんこんは酸化すると黒く変色します。これはれんこんに多く含まれているポリフェノールの一種である「タンニン」が原因です。タンニンは空気に触れると酸化して、茶色や黒色に変色する性質を持っています。傷んだりカビが生えたりしていない限りは、問題なく食べられます。
原因②黒い線や斑点がある場合
れんこんの皮の部分に黒い斑点が見られることがあります。これはれんこんが育った土質や天候などの影響が表れたものです。内部に時折みられる黒い線は、れんこんが育つ過程や収穫の際にできた黒シブで、土中の鉄分を吸収した際に起こる現象です。黒い斑点も黒い線も、よほど酷くない限りは問題なく食べられます。
原因③加熱すると黒くなる場合
れんこんを加熱した際に黒く変色する理由の一つは、食物を変色しやすくする「アク」を多く含んでいることです。また、ポリフェノールの一種である「タンニン」が加熱時に鉄と反応することも理由の一つに挙げられます。いずれの場合も加熱時に空気と触れることで酸化するのが変色の原因ですが、体に害はなく安心して食べられます。
れんこんが黒いときの対策
対策①よく洗う
れんこんの内側や穴が黒い場合は、泥や土が付着している可能性が高いので、水でよく洗い流してください。泥が軟らかければ流水で簡単に洗い流せます。泥が固まって取れにくいときは、しばらく水に浸して泥を軟らかくします。それでも取れない場合は、割りばしや菜箸、ストローブラシなどを使いましょう。
対策②削り取る
れんこんの内側に数カ所黒い線や点が見られるときや、切り口の断面の一部が変色しているときなどには、その部分だけを削り取りましょう。傷みやカビが原因でない限りは問題なく食べられますが、おもてなしや正月料理など見た目をきれいにしたい場合は、変色部分だけを削り取る方法が簡単でおすすめです。
対策③鉄製品を使用しない
れんこんを切ったり加熱したりした後に断面や表面が黒く変色する場合は、調理道具に鉄製品を使用していないか確認してください。れんこんに含まれるポリフェノールは鉄と結合しやすく、その過程で変色を起こしてしまいます。鉄が使用されている可能性の高い道具としては、包丁や皮剥き器、フライパンや鍋などが考えられます。
れんこんの変色を白く戻すには
方法①酢水に浸ける
- れんこんをきれいに洗い、泥をよく落とす
- 皮を剥き、料理方法にあわせてカットする
- 水1Lに対して酢小さじ1の割合で用意した酢水に浸す
- 2~3分を目安にして取り出し、水気を切る
酢水に浸けるときのポイント
れんこんの変色を白く戻すには、酢水に浸ける方法が簡単です。切り口の表面や断面が酢水から出ないように、酢水の量を調整しましょう。少しの黒い線や点であれば、酢水に浸けることで取り除ける場合があります。長時間漬け続けると逆に変色する場合があるため、漬ける時間には注意が必要です。
方法②水にさらす
- れんこんをきれいに洗い、泥をよく落とす
- 皮を剥き、料理にあわせてカットする
- 5~10分水にさらす
- ざるなどに上げて水気を切る
水にさらすときのポイント
れんこんを酢水に浸けると変色が戻りやすいですが、酢の香りが移るのが苦手な人には水にさらす方法がおすすめです。切り口の断面や表面が空気に触れないように水をたっぷり使いましょう。酢水よりは威力が減りますが、内側の薄めの黒い線や点は薄くなります。水に浸す時間がないときは、さっとこすり洗いするだけでも効果が期待できますよ。
方法③酢入りの湯で茹でる
- れんこんをきれいに洗い、泥をよく落とす
- 皮を剥き料理にあわせてカットする
- 鍋にれんこんを入れ、ひたひたになるほどの水を入れる
- 水500mLに対して小さじ1の酢を入れる
- 火にかけて沸騰直前で取り出す
- 水気を切る
酢入りの湯で茹でるときのポイント
れんこんの変色を白く戻す方法のなかでも、筑前煮など厚切りにして煮込む料理に使う場合は、下茹でするのがおすすめです。酢を入れることで変色を防ぐだけでなく、シャキシャキ感やモチモチ感がアップします。酢の香りが残るのが気になる人は、茹でる前に酢水に浸けて軽く洗い流し、水のみで茹でてもよいでしょう。

ボタニ子
次は黒いれんこんを食べるときの注意点を紹介するよ!
出典:写真AC